努力をしたって夢が叶うとは限らない。でも、それでも叶えたいという強い意思と覚悟を持って、男なら闘い続けてほしいです(水野)
夢に近づくためには、言葉に出す事が大切だと実感。口に出していなければ、製菓衛生師免許を持ってるなんて、誰も気づいてないはずです(小林)
名古屋発の男性ユニット“ボイメン”ことBOYS AND MENが全国区になるまでの苦悩や軌跡が刻まれた映画『BOYS AND MEN ~One For All, All For One~』が10月29日より公開される。作品になぞらえてブレイクできない暗闇時代から夢に近づく方法を、ドラマ&映画『白鳥麗子でございます!』に出演した水野勝さんと、NHK総合『ゆーちゃむのGO!GO!キッチン』にレギュラー出演中の小林豊さんが語り尽くす。単なるアイドルにはカテゴライズできない、彼らの男くさい心意気に刮目してほしい。
渡したチラシを目の前で破られ罵倒されたからこそ今がある
──劇中ではみなさんの苦悩する姿も描かれていますが、活動後、一番辛かったことは?水野勝(以下、水野)「今年活動6年目になるんですけど、最初の3年間ぐらいが一番、辛かったですね。ほとんど仕事がなかったし、舞台の観客が増えない、CDが売れない、知名度が上がらない状態で僕らは這いつくばってたんです。しかもそんな状態の中、自分たちが活動していた小屋まで突然なくなってしまって、ひたすら公園で練習する日々でした」
小林豊(以下、小林)「本当にあの時は途方に暮れた、という言葉が当てはまってたよね」
水野「そうだね。練習を積んだところでどこで披露するんだろうという不安もあったし、先が見えなかった。もちろんお金もないし、もがき続けて結局、メンバーが激減していったんです。今はこうして話すことができますけど、当時は泣きたいほど辛かったですね」
小林「僕ら、どうしたら成功できるの!? って状態でしたからね。でも唯一、全員で守ってきた心掛けが絶対に諦めないこと。諦めなければいつか光が差し込んでくると信じてました」
水野「諦めずに続けていればいつか認めてもらえる。その一念のみでしたね。諦めず信じてきたから今があるのかなと思いますけど」
──その状態で諦めない強い気持ちを維持できた理由って何ですか。
小林「えーっ、何だろう…。たぶんやりたい! って気持ちだけでしたね。心が折れそうになった時もありましたけど、そこで頼りになったのはメンバーでした。1人で闘ってたら辞めてた、かも。もしかしたらパティシエに戻っていたかもしれませんね」
水野「僕も仲間がいたからというのも続けてこられた理由ではありますけど、自分の人生じゃないですか。人生一度きりなんで、『絶対に認められる存在になろう』という、覚悟は持っていました。男なんで、やると決めたら最後まで貫き通す。変なプライドというか、意地っ張りなんでしょうね」
──男としてのプライドを守るため、ということですね。
水野「そういう気持ちって、男なら誰しも持っていると思うんです。ボイメンの活動を通じて僕たちは散々バカにされてきていますから。配ったチラシを目の前で破られて『お前らなんて売れないよ』と罵倒されたこともあるんですよ。でも、そこで辞めてしまったら、その人たちの言ったとおりになってしまう。だからチラシを破られた瞬間はめっちゃ悔しかったですけど、この人たちに『チラシがほしい』と言われるぐらいの人間になってやろうと、考え方を変えたんです。そういう扱いを受けると僕、『なにくそ!』と思うタイプなので。だから、ナメられたからこそ今があるかもしれないです」
──男らしい…!
小林「メンバーみんな、負けん気が強いんです。僕、普段はふにゃふにゃしてますけど(笑)基本、負けん気はめちゃめちゃ強いです」
──その負けん気で夢に近づいていく姿が作品でも表現されていますが、みなさんはまだ夢の途中だとか。少しでも夢に近づく方法とは。
小林「僕は言葉に出すことが大切だと実感しています。その言葉を聞いていた人が『それって…』と、夢に繋げてくれる場合があるんですよ。個々の仕事をする時に『元パティシエなんです』と言い続けていたら、料理の仕事をする機会も頂けましたし。でも、僕が言葉にしていなかったら、今でも製菓衛生師免許を持ってるなんて、誰も気づいてくれていないんですよ。それこそ自宅で頻繁に料理してることも、絶対に気づいてもらえない。だから、やりたいことがあるなら勇気を出して言葉にしてみるといいと思います。共感してくれる人がいると思うし、自然と輪が広がっていくので」
水野「僕たちは『夢は諦めなければ叶う』という言葉をスローガンにしてきているんですが、矛盾しているんですけど、夢って1人の力じゃ叶わないものだと思うんですよ。周りの協力が不可欠だし、努力したって叶うとは限らない。でも、それでも叶えたいという強い意思と覚悟を持たないとダメなんじゃないかと。もちろん、努力はした方がいいし、動いた方がいいんですけど、絶対に叶うと思い続けるのは違うんですよね。だから難しいんですけど、努力している人としていない人なら、努力はしていなければ夢は叶わない。男なら闘い続けてほしいですよね」
挑戦することに絶対意味があるこの映画を通じて伝われば…
──カッコいい! ブログにも馬になぞらえた名言がありました。水野「『地方馬がダービーを制す』ですか? あれ、僕が好きなアーティストさんがおっしゃってたんで引用させて頂いたんです」
小林「リーダーはその方の弟子みたいなもんなんで、使って下さい」
──夢に少しずつ近づいて活動初期からの念願だったオリジナル映画への出演も果たしましたね。
小林「この映画の話が決まった時は単純にうれしい! と思いました。自分自身と格闘することが、こんなにも大変だとは想像もしていませんでしたけど(笑)ただ、自分を見つめ直すいい機会になりました」
水野「ああ、それはありますね。田中(俊介)の『個々を伸ばしていかなくちゃいけない』と言う台詞を聞いた時、これから自分は何をしていこうと考えて、やっぱりお芝居なんだな、と再認識しました。気づかされたんです」
小林「僕、もっと人に優しくなろうと思い直しました(笑)メンバーとケンカするシーンがあるんですけど、植田(尚)監督のアドバイスどおり自由に演じたら、滋賀県出身という関西の地が出てしまったのか、『怖すぎるからもっと抑えようか』と言われましたから。ちょっと言葉遣いを改めないといけないかなって」
──なるほど。ところで劇中、個性に関しても触れていましたが、お2人は個性を出すために長所を伸ばしましたか? それとも短所を修正したのでしょうか。
小林「僕は長所を伸ばしました。短所は運動音痴なんですけど、これって治そうと思って治せるものじゃないから、短所を長所にすればいいかなって。人には絶対できないことがあるし、笑いに変えられるならいいかな、と考えるようにしたんです」
水野「僕は最低限の短所は潰した上で、長所を伸ばしたいタイプですね。僕、飽きっぽいんですけど、ハマるとすごいスピードでのめり込むんです。今までプライベートでハマったものって、13年間続けたサッカーだけなんですけどね」
──ありがとうございます。最後に改めて映画のPRを!
水野「ボイメンを知らないと、この映画を観ること自体、すごくハードルが高いと思うんですよ。でも1つの作品としてすごく面白いし、単なるアイドル映画じゃないんです。僕らと同じ男性が観たら『こういう男もいるんだ』と、刺激になると思うんですよね。とにかく観てもらえたら『自分も頑張ろう』と奮起できる作品です」
小林「人は誰でも自分の中で決めたルールがありますよね。でも、自分のルールを押しつけるんじゃなく、ルールを解放するとどんどん世界が広がっていくし、挑戦することに絶対、意味があるという事実を、伝えたいですね」
水野「あと、僕の愛犬の水野チャムがこの作品で銀幕デビューしたので、癒やされて下さい(笑)」
小林「チャムって僕のあだ名から名づけたらしいんです。だから僕の弟みたいなもんなんで(笑)ぜひチャムも観て下さい!」
INFORMATION
映画『BOYS AND MEN 〜One For All, All For One〜』
INFO&STORY
〝ボイメン〟の愛称で人気を集める愛知・名古屋発の男性エンターテインメント集団BOYS AND MENが総出演した青春群像劇。水野勝、小林豊らボイメンのメンバーが本人役を演じ、10年のグループ結成から現在までの6年間の軌跡を映画化。仲間と支え合いながら数々の苦難を乗り越えてきたメンバーたちの苦悩や友情、彼らを支え続けた家族やスタッフ、ファンたちとの絆を描き出す。17年1月には日本武道館でライブを行うことが決定している。
CAST&STAFF
出演/水野勝・田中俊介・田村侑久・辻本達規・小林豊・本田剛文・勇翔・平松賢人・土田拓海・吉原雅斗・西丸優子・鈴木アメリ・尾美としのり・石丸謙二郎・いとうまい子・渡辺いっけい
企画・原案/谷口誠治
脚本/早野円・植田尚
監督/植田尚
主題歌/BOYS AND MEN『YAMATO☆Dancing』(ユニバーサル ミュージック)
配給/スターキャット
公式HP 10月29日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、ユナイテッド・シネマ豊洲、センチュリーシネマ、109シネマズ名古屋、中川コロナシネマワールドほかにて全国公開
(C)映画「BOYS AND MEN One For All, All For One」製作委員会
PROFILE
水野勝(みずの・まさる)
1990年11月22日生まれ 愛知県出身
10年に結成され東海エリアを中心に活動する男性ユニットBOYS AND MENのリーダー。単独での映画やドラマ出演、情報番組レギュラーなどでも活躍。映画出演はほかに「あの、晴れた青空」「クレヴァニ、愛のトンネル」「サムライ★ロック」「復讐したい」「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」などがある。
公式ブログ
小林豊(こばやし・ゆたか)
1989年3月19日生まれ 滋賀県出身
10年に結成のユニットBOYS AND MENメンバー。「仮面ライダー凱武/ガイム」駆紋戒斗/仮面ライダーバロン役でも人気を博した。映画出演はほかに「サムライ★ロック」「復讐したい」「燐寸少女 マッチショウジョ」「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」「海すずめ」などがある。NHK総合『ゆーちゃむのGO!GO!キッチン』出演中。
公式ブログ
映画『BOYS AND MEN 〜One For All, All For One〜』
INFO&STORY
〝ボイメン〟の愛称で人気を集める愛知・名古屋発の男性エンターテインメント集団BOYS AND MENが総出演した青春群像劇。水野勝、小林豊らボイメンのメンバーが本人役を演じ、10年のグループ結成から現在までの6年間の軌跡を映画化。仲間と支え合いながら数々の苦難を乗り越えてきたメンバーたちの苦悩や友情、彼らを支え続けた家族やスタッフ、ファンたちとの絆を描き出す。17年1月には日本武道館でライブを行うことが決定している。
CAST&STAFF
出演/水野勝・田中俊介・田村侑久・辻本達規・小林豊・本田剛文・勇翔・平松賢人・土田拓海・吉原雅斗・西丸優子・鈴木アメリ・尾美としのり・石丸謙二郎・いとうまい子・渡辺いっけい
企画・原案/谷口誠治
脚本/早野円・植田尚
監督/植田尚
主題歌/BOYS AND MEN『YAMATO☆Dancing』(ユニバーサル ミュージック)
配給/スターキャット
公式HP 10月29日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、ユナイテッド・シネマ豊洲、センチュリーシネマ、109シネマズ名古屋、中川コロナシネマワールドほかにて全国公開
(C)映画「BOYS AND MEN One For All, All For One」製作委員会
PROFILE
水野勝(みずの・まさる)
1990年11月22日生まれ 愛知県出身
10年に結成され東海エリアを中心に活動する男性ユニットBOYS AND MENのリーダー。単独での映画やドラマ出演、情報番組レギュラーなどでも活躍。映画出演はほかに「あの、晴れた青空」「クレヴァニ、愛のトンネル」「サムライ★ロック」「復讐したい」「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」などがある。
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小林豊(こばやし・ゆたか)
1989年3月19日生まれ 滋賀県出身
10年に結成のユニットBOYS AND MENメンバー。「仮面ライダー凱武/ガイム」駆紋戒斗/仮面ライダーバロン役でも人気を博した。映画出演はほかに「サムライ★ロック」「復讐したい」「燐寸少女 マッチショウジョ」「白鳥麗子でございます! THE MOVIE」「海すずめ」などがある。NHK総合『ゆーちゃむのGO!GO!キッチン』出演中。
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取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一