超ロングヒットシリーズ牙狼〈GARO〉の最新作、映画『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』(3月28日公開)に、泉谷しげるさんが初参戦。「雨宮さんが俺に完成作を観せてくれないんだよなぁ。相当の駄作か傑作か…ダメだったらボロクソ言っていいぞ」と笑いを交えつつ、作品の裏話を語ってくれた。「“漢”とは?」の問いには“泉谷流毒舌”も発動します!
歯に衣着せぬ話術で芸能界唯一の存在を確立している泉谷しげるさんが「教えてパイセン!直撃インタビュー!!」で小誌初登場! 映画『牙狼〈GARO〉-GOLD STORM-翔』での撮影秘話や見どころのほかにも、若者たちに愛情あふれる“喝”を入れますッ!!
スターじゃないと面白くない監督は一番の人気者だったよね
──泉谷さんが牙狼シリーズに出演したのは、雨宮監督たっての希望だったそうですね。「だから俺の“D・リンゴ”って役名は俺の『白雪姫の毒リンゴ』って曲から名付けたらしいね。シャレが利いてるよねぇ。まぁ、俺はそんな光栄なことをしてもらってもいつも通り、セリフを入れ込まないで現場に入ったけど」
──セリフ覚えないんですか!?
「だって10ページ覚えて行ってもばっさりカットする監督もいるんだからさぁ覚え損じゃん(笑)雨宮さんも現場でポンポン変える人なのよ。『そこは違う』とか言って、『お前が(脚本を)書いたんだろ!』って思ったけど(笑)俺そういうの好きだからいいんだよ。だけど主演の2人は最初、大変だったみたいだね。セリフ、完璧に覚えて来てたみたいだから。きっと雨宮さんは、『コレで一発当ててのし上がってやる』って、作品を道具のように使う女優からは嫌われるだろうねぇ」
──…初めてご一緒した雨宮監督は、いかがでしたか。
「監督がスターじゃなきゃ作品は面白くならないっていうのが持論だけど、雨宮さんはその点、現場では一番の人気者だったね。100人現場に人間がいたら誰を一番見るかって言ったら、監督でしょ。『よーい、スタート!』の掛け声の時なんか、全員、監督を見てるわけだし。みんなに愛されてたし、サインもマメにしてたから、楽しかったねぇ。あと、オシャレなのもよかった。現場では監督が一番オシャレじゃなきゃダメなんだよ。黒澤明さん、溝口健二さん、小津安二郎さんたち、昔の大監督はみーんなオシャレだったんだから」
──牙狼シリーズは衣装や小道具が凝っている点でも人気ですよね。
「俺この衣装、ションベンしづらいんだけど(笑)テレビシリーズで衣装が変わるのかと思ったら、映画まんまだし。それに、洗濯してるのかと思うほど汗くさいんだよねぇ(衣装の匂いを嗅ぎながら)今日は大丈夫だ」
──はい(笑)泉谷さんは映画で美術を手掛けることもありますが、美術面でアドバイスをしたりは?
「しない、しない。自分のクリエイティブな感覚を持ち込みたいなら、自分で作れよって話。それに、面倒くさいじゃん、言って採用されたらやらなきゃいけないし(笑)俺、役者として出る時はバイトか派遣と呼んでほしいんだよ(笑)監督の頭の中にある世界を、どう面白くするかだけを考えてるから。だけど、美術は本当に凝ってるよね。真剣にチェックするヤツが観ても納得するレベル。小道具に見とれてセリフ忘れたことあったもん(笑)もしヒットしないで赤字になったら、小道具をオークションにかけたら、結構イケるぜ」
腹立つ発言かもしれないけど俺は遊びたいから仕事をしてる
──あはは! 映画に加えこのドラマ撮影以外にも3本掛け持ちで、お忙しそうですね。「老人俳優虐待かっつーの。仕事がない人からしたら腹立つ発言で申し訳ないんだけど、俺は遊びたいだけなんだよね。遊びたいから仕事をしてる。だから、金を稼ぐためにTシャツを作るっていう内職もしてる(笑)イヤイヤやったほうが、真の実力が発揮できるんだろうね。だって、イヤイヤやってるのにできちゃうんだから。会社員だってさ、毎日通勤電車にイヤイヤ乗ってるでしょ?」
──確かに、イヤイヤだと思います。
「しかも会社に行っても上司からプレッシャーかけられたりして、それが嫌でも実力を出して仕事をしてるわけでしょう。だからさ、仕事はしんどいものだって最初から受け止めちゃったほうがいいと思う。そう思えば“イヤイヤパワー”で真の実力を発揮できるから。主婦だって偉いよな。大して感謝されもしないのに、毎日食事を作ってるんだから。まぁ、俺は奥さんが作ってくれた食事はちゃんと『美味しい』と言葉で伝えてるけどな。実際、美味しいから必ず完食するし。その代わり、まずい時は『まずい!』ってハッキリ言う。『作り直せ!』と言ったこともある」
──その時の奥様の反応は?
「すっげぇ機嫌が悪くなるし『だったら自分で作れ!』ってキレられて、ゴメンナサイって謝ったこともある(笑)でもそこまで言うのは、奥さんの手料理を楽しみにしてるからなんだよね。忙しいのは分かるんだけど、食べることと寝ることって人生で最大の楽しみじゃん。だから『手を抜きやがったなコノヤロー!』と思ったら言っちゃうんだよねぇ、せっかくの楽しみが奪われちゃうんだから」
──亭主関白なんですね。NHK木曜時代劇『風の峠~銀漢の賦~』では主題歌『漢(オトコ)ありて』を担当されていますが、泉谷さんが考える“漢”とは?
「強いだけじゃなくて、弱さも併せ持ってるのが漢。弱いからこそ、『男らしくならないといけないんだ』っていう願望を常に持ってないとダメなんだよ。基本的に男は、女子どもを守るために存在する生き物だっていう、原則的なことも忘れちゃいけない。今って、自分が一番っていう男が増えてるだろ? それは間違った考え方。男っていうのは、人のために働くの。自分のために働くって男には、『どの程度のことができるのよ』と聞きたいね。言葉にすると気持ち悪いけど、“人のため”だって思って働かなくちゃ、力出ないもん。自分のためだけだったら適当にサボればいいやってなっちゃう。女はさ、好きな男のためにメイクしたり洋服を選んだりするわけだろ? 男はそれすらしないヤツが多いんだから、せめて彼女とか奥さん、子どものために働くって気概を持たないと」
──人のために働く…泉谷さん、カッコイイです!
「昔の考え方と言われたらそれまでだけど、間違ってないと思う。昔と違って今は一見平和な世の中に見えるから、オタクだのニートだの、恋愛なんてしなくていいって男が増えるんだよな。だけど実は、世の中は全然平和じゃないんだよ。平和だって間違った認識をするから、セックスする気もなくなっちゃうわけよ。そういう男どもを見ると、バカじゃねーのか!? って思うよな。恋愛に興味がないヤツらはおそらく、女に惚れるのが悔しいんだろうな」
──女性に惚れるのが悔しい…?
「俺のほうがいっぱい好きっていう状態にはなりたくないんだよ。できれば女からアプローチしてほしいわけ。惚れちゃってる自分が悔しいから、お前から来いってこと。何様だって話よ。男って女の前だとカッコつけたがるし、素直じゃない。バカなんだよねぇ(笑)バカなんだから最低限、男らしくいようと努力しないと」
──では、そういう男性が男らしくなるための方法は?
「やっぱり、強くなることが第一条件だな。強くないと、人に優しくなれないでしょう。優しい人は強い人なんだよ。優しいだけの男なんて、女は求めていないわけだし。強い男は、自分から女にアプローチして失敗して恥をかくこともできる。だから男は恥をかこう! 男らしく恥をかこう! ガツンと行って恥をかこう! …って、ちょっと俺、偉そうなこと言っちゃったかなぁ(笑)」
テレビや雑誌そのままの毒舌トークを展開しながらも、そこには愛情が隠されていた泉谷さんのお話、勉強になりました! 奥様の手料理の話をする時に、少し照れたような表情をしていたギャップも印象的でした。4月スタート、テレビシリーズの牙狼出演も楽しみにしています。
INFORMATION
映画 劇場版『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』
INFO&STORY
人の心の闇に巣食う魔獣ホラーを倒すことを使命とする魔戒騎士の道外流牙(栗山航)は、悲しい過去を抱えながらも、持ち前の優しさや明るさを失わず、パートナーの魔戒法師・梨杏(南里美希)とともにホラーを倒す旅を続けていた。高名な魔戒法師リュメ(桑江咲菜)が守るラインシティを訪れた流牙は、安全だと思われたその街で思わぬ事態に遭遇する。今年10周年を迎える人気作「牙狼<GARO>」シリーズの劇場版。テレビ東京系ほかで4月3日から放送の「牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔」へと続く前日譚。黄金騎士ガロ翔の誕生秘話も語られる。
CAST&STAFF
出演/栗山航・南里美希・桑江咲菜・黒木桃子・井坂俊哉・泉谷しげる・柄本明
原作・監督/雨宮慶太
アクション監督/大橋明
配給/東北新社
公式HP
3月28日(土)より、新宿バルト9ほかにてロードショー
(C)2014「GOLD STORM」雨宮慶太/東北新社
PROFILE
泉谷しげる(いずみや・しげる)
1948年5月11日生まれ 東京都出身
シンガーソングライター、俳優、タレント。13年に「第64回NHK紅白歌合戦」に出場。NHK「風の峠~銀漢の賦~」の主題歌「漢(オトコ)ありて」担当。ミュージシャンとして精力的にライブ活動を行っている。また、俳優として映画やテレビドラマにも引っ張りだこ。74年の「僕は天使ぢゃないよ」(あがた森魚監督)で銀幕デビュー。近年の出演作に映画「パラレル」「ニセ札」「アイ・アム I am.」、ドラマ「三匹のおっさん~正義の味方、見参!!~」「学校のカイダン」「だから荒野」などがある。劇場版、テレビ版の両方に出演し、移動式のケバブ屋を営む謎の男D・リンゴ役を演じている。
公式HP
映画 劇場版『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』
INFO&STORY
人の心の闇に巣食う魔獣ホラーを倒すことを使命とする魔戒騎士の道外流牙(栗山航)は、悲しい過去を抱えながらも、持ち前の優しさや明るさを失わず、パートナーの魔戒法師・梨杏(南里美希)とともにホラーを倒す旅を続けていた。高名な魔戒法師リュメ(桑江咲菜)が守るラインシティを訪れた流牙は、安全だと思われたその街で思わぬ事態に遭遇する。今年10周年を迎える人気作「牙狼<GARO>」シリーズの劇場版。テレビ東京系ほかで4月3日から放送の「牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔」へと続く前日譚。黄金騎士ガロ翔の誕生秘話も語られる。
CAST&STAFF
出演/栗山航・南里美希・桑江咲菜・黒木桃子・井坂俊哉・泉谷しげる・柄本明
原作・監督/雨宮慶太
アクション監督/大橋明
配給/東北新社
公式HP
3月28日(土)より、新宿バルト9ほかにてロードショー
(C)2014「GOLD STORM」雨宮慶太/東北新社
PROFILE
泉谷しげる(いずみや・しげる)
1948年5月11日生まれ 東京都出身
シンガーソングライター、俳優、タレント。13年に「第64回NHK紅白歌合戦」に出場。NHK「風の峠~銀漢の賦~」の主題歌「漢(オトコ)ありて」担当。ミュージシャンとして精力的にライブ活動を行っている。また、俳優として映画やテレビドラマにも引っ張りだこ。74年の「僕は天使ぢゃないよ」(あがた森魚監督)で銀幕デビュー。近年の出演作に映画「パラレル」「ニセ札」「アイ・アム I am.」、ドラマ「三匹のおっさん~正義の味方、見参!!~」「学校のカイダン」「だから荒野」などがある。劇場版、テレビ版の両方に出演し、移動式のケバブ屋を営む謎の男D・リンゴ役を演じている。
公式HP
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一