「夢を叶えたいなら、叶うまでしぶとくやる! ですね。100人いて99人にお前はダメだとボロクソ言われても、1人の『いけるよ』と言ってくれるキーマンに 出会えるまで続けよう」
“太陽”と“お祭り”という意味のケチュア語を自身の名前に刻み、その明るいキャラクターと独特の音楽センスでブレイク真っ最中のナオト・インティライミさんが初登場! 実は彼は「10年前、無一文だった頃も世界を旅してた」と語る“生涯旅人”でもある。
デビューを飾るまでに挫折を味わった苦労人が、段取り、仕込み、ヤラセ一切なしの音楽ドキュメンタリー映画『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー』に出演。旅を通して得た人生訓や価値観など、テレビやライブではあまり見られないその素顔を小誌にさらす!
Mr.Childrenのツアーサポートメンバーにコーラス&ギターとして抜擢されて以降、ソロ活動でも人気・実力ともに勢いが止まることを知らない、ナオト・インティライミさん。“太陽”のように明るく“お祭り”のように楽しいキャラクターと持ち前の音楽センスで人気を博し、昨年大晦日の第63回NHK紅白歌合戦へ初出場するなど、今最も話題を集める男性アーティストとして注目を集めている。そんな彼の「旅」と「歌」を綴った自身初の音楽ドキュメンタリーが封切りに。歌は分かるが、なぜ旅が? 実はデビュー以前に28カ国を515日間かけて、世界一周した経験を持つのだ。
ハマル族のボーッとする姿を見て、僕の中で“Catch the moment革命”が起きたんです
──本作はナオトさんの旅の経験が活きた内容ですよね。作品を通じて、観る人に伝えたかったことはなんでしょうか。「旅に出る前にそもそも何も考えてなかったんで、その質問をされてリアルに今、困ってます(笑)僕が行きたい国に行って、それをカメラがたまたま撮るってことだったから、話を頂いた時は『こんなありがたい企画があっていいのか!?』と思いましたもんね。段取りも仕込みも、ヤラセも一切ないから、撮られてることすら忘れてましたし」
──旅先を決めたのはご自身で。
「そうなんですよ。エチオピアは今の自分の生活とかけ離れた文化の人たちと同じ生活をしたくて、ハマル族のみなさんのところへお邪魔しました。コロンビアは10年前に行ったんですけど、もう1回行くことで、見えてくる景色が見たかった。会いたい人がいたし、感謝も伝えたかった。カリブ海は数年間ずっと『行きたい!』と言い続けていて実現したんです。音楽が自分の性分に合うんですよ。トリニダード・ドバゴ発祥のソカと、ドミニカ共和国発祥のメレンゲという音楽に、ナオト・インティライミ・ミュージックも影響を多々受けてまして。だから、この目、この身体で音楽を感じたかったんですよね」
──主題歌の『Catch the moment』は、エチオピアに行ったからこそ、書き下ろすことができたそうですね。
「僕らの世代ってケータイに忙しいでしょう? 手放せない。信号待ちとか電車を待つ時間って、本来なら誰かを想ったり、桜がキレイだなと四季を感じたりする、貴重な時間だったわけじゃないですか。そのいろんな心の隙間を、ケータイで埋めてしまっているんですよね、僕らは。その瞬間を逃しまくって“Catch the moment”できていないわけですよ。でも、ハマル族の人は真逆。ボーッとする時間をとても大切にしているんです。20分間もただボーッとしていたりする。その姿を見て、『この瞬間を掴め、この瞬間を逃すな!』という思いが沸き上がってきて、僕の中で“Catch the moment革命”が起きた、というのが経緯なんです。あ、この単語ここで今、初めて思いつきました(笑)」
──ハマル族がボーッとしている姿は映像になっていませんが。
「そりゃあそうですよ。ただボーッとしている20分間を映画館で誰が観るかっていう、そりゃあ切られるわっていうね(笑)そこは、フォトエッセイを読むと分かりやすいかも」
──南米コロンビアではナオトさんのライブを観ながらカップルがキスをして、“Catch the moment”していましたね。
「ねー熱烈でしたよね。ライブハウスの照明は観客がはっきり見えるんで、『ちきしょー、羨ましいなー! キスする暇があるならリズムにノッてよ!』とジリジリしながら歌ってましたよ(笑)去年、神宮外苑の花火大会で歌った時も、『花火ばっかり見てないで、こっちに来てノッてくれー!』と思いましたし。ライブがメインじゃないイベントで歌う時って、観客をこっちに向かせるのは難しいんですよね。でも、極上のBGMを提供できてるんだと自分を納得させてます」
行くなら絶対に一人旅!まずはタイのバンコクがオススメです!!
──完成作品はご覧になりましたか?「観て、2つの感想を持ちました。1つ目は『この人イッちゃってんな、アドレナってんだ』と(笑)特にカーニバルの場面は、突き抜けた解放をして、アドレナっていらっしゃるんですよ(笑)2つ目は、『旅って楽しい日より辛さ、苦しみ、騙され裏切られることのほうが多いかもしれないな』って。テレビでは話す時間が限られてるから楽しかったこと、驚いたことが取り沙汰されがちだけど、苦しいことのほうが多いですよ。ロンドンで40度の高熱でダウンしたり、高山病にかかって1人ぼっちの部屋で、死ぬ思いでリンゴをかじったこともありますから」
──それでも若者は旅に出たほうがいい、と。
「ですね。行くなら絶対に一人旅。2人以上だとそこでコミュニティができて寂しくなくなるから、現地の人に絡まなくてもよくなっちゃうでしょう。さらに相方が英語をしゃべれでもしたら、英語を覚える必要性すらなくなってしまう。僕は母国語以外の言語が身体に入る条件は、必要性と機会の2つだと思っているんですけど、一人旅をすると、食堂の場所も分からない、コンビニもないところで食料を手に入れるためにその2つの条件がそろうんですよね。『お腹が空いた』はスペイン語で、『テンゴアンブレ』って言うんですけど、1日2~3回はテンゴアンブレになるわけですよね。しかも、絶対的に毎日、テンゴアンブレなんです。そうやって必要性に迫られて探し出せたパンの美味しさは格別ですよ。将来の目標が決まってない人も、旅に行くと少なからず刺激と自信と変化を感じられるはず。それをきっかけに興味を持てるものを探し出せるチャンスが転がってるんですよ、旅は。直感と向き合える経験も日本の生活に大きく役立ちますし」
完成作品を観て『この人イっちゃってんな、アドレナってんだ』と(笑)
──一人旅初心者にオススメは?「まずはタイのバンコク。僕のバックパッカーデビューの国でもあるんですけど、金銭面、安全、距離を考えると安心できる国ですよ。カオサン通りに行けば世界中のバックパッカーが集まってるから、必要な情報をすべて現地で得られます。行くなら先進国より発展途上国。醤油がなくなったら隣の家に借りに行くような古き良き文化が残っていて、人と接する機会がふんだんにあるから、一人旅してるのを忘れるぐらい孤独を感じませんから」
──音楽でブレイクし、好きな旅が映画になる。ナオトさんのように夢を現実化するにはどうしたら?
「叶うまでしぶとくやる! ですね。100人いて99人にお前はダメだとボロクソ言われても、1人の『いけるよ』と言ってくれるキーマンに出会えるまで続ける。僕も散々、言われましたよ。曲が良くないとかチャラいとか。けど、折れずにその1人に出会えるまで続けてきたんです」
──キーマンって誰にでもいますか。
「そりゃあ全員にいますよ。絶対にいます! だから、信じて続けて出会うまで頑張って下さい!!」
終始、穏やかな口調と柔らかな言葉遣いで、聞く側を包み込むような優しさを見せてくれた、ナオト・インティライミさん。だが、映画の中ではコロンビアの現地コンサートスタッフに『僕は傷ついたんだ!』と叫んだり、自分の意見を曲げずにハッキリと主張するギャップを見せている。それが“ナオト流・海外の人との触れ合い術”なのだとか。「逆境も絶対に意味がある」と立ち向かう“生涯旅人”の生きざまは、自分の身に置き換えるとワクワクして参考になるはずだ。
INFORMATION
映画『ナオト・インティライミ冒険記』
INFO&STORY
「旅」と「歌」を綴った自身初の音楽ドキュメンタリー。アフリカ、南米、カリブ海ー宝物に出会う、新たな旅。“太陽”のように明るく、“お祭り”のように楽しいキャラクターと持ち前の音楽センスでデビュー以来、人気・実力ともにその勢いは止まることを知らないナオト・インティライミ。デビュー以前に28カ国515日間かけて世界一周した経験を持つ彼が、再び”音楽と出会い”を求めて旅に出た。過去訪れた国や初めて巡る国。世界の音楽と文化を体感し、その国の人々と歌い、笑う。様々な出逢いを通して、新たな楽曲が誕生する瞬間をカメラは追い続ける。仕込み、段取り、やらせは一切ナシ。ナオト・インティライミのすべてが詰まった本格音楽ドキュメンタリー映画が誕生した。
CAST&STAFF
出演/ナオト・インティライミ
監督/石田雄介
配給/東宝映像事業部
主題歌:「Catch the moment」& サウンドトラック by ナオト・ インティライミ
4月13日(土)全国ロードショー
公式HP
公式Twitter
(C)2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会
PROFILE
ナオト・インティライミ
79年 三重県生まれ 千葉県育ち
世界一周28カ国を515日間かけて一人で渡り歩き、各地でライブを行い、世界の音楽と文化を体感。帰国後、自らのソロ活動のほかにコーラス&ギターとしてMr.Childrenツアーサポートメンバーに抜擢され、知名度を上げていく。10年4月にメジャーデビューシングル「カーニバる?」、同7月に1stアルバム「Shall we travel??」をリリース。12年4月リリースの3rdアルバム「風歌キャラバン」は、自身初となるオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得した。同8月にはフジテレビ系「主に泣いてます」で初のドラマ主題歌となる「ナイテタッテ」をリリース。第63回NHK紅白歌合戦に初出場。フォトエッセイ「旅歌ダイアリー」(幻冬舎刊)発売中。4月17日に11thシングル「恋する季節」をリリースする。
公式HP
公式ブログ
映画『ナオト・インティライミ冒険記』
INFO&STORY
「旅」と「歌」を綴った自身初の音楽ドキュメンタリー。アフリカ、南米、カリブ海ー宝物に出会う、新たな旅。“太陽”のように明るく、“お祭り”のように楽しいキャラクターと持ち前の音楽センスでデビュー以来、人気・実力ともにその勢いは止まることを知らないナオト・インティライミ。デビュー以前に28カ国515日間かけて世界一周した経験を持つ彼が、再び”音楽と出会い”を求めて旅に出た。過去訪れた国や初めて巡る国。世界の音楽と文化を体感し、その国の人々と歌い、笑う。様々な出逢いを通して、新たな楽曲が誕生する瞬間をカメラは追い続ける。仕込み、段取り、やらせは一切ナシ。ナオト・インティライミのすべてが詰まった本格音楽ドキュメンタリー映画が誕生した。
CAST&STAFF
出演/ナオト・インティライミ
監督/石田雄介
配給/東宝映像事業部
主題歌:「Catch the moment」& サウンドトラック by ナオト・ インティライミ
4月13日(土)全国ロードショー
公式HP
公式Twitter
(C)2013『ナオト・インティライミ冒険記』製作委員会
PROFILE
ナオト・インティライミ
79年 三重県生まれ 千葉県育ち
世界一周28カ国を515日間かけて一人で渡り歩き、各地でライブを行い、世界の音楽と文化を体感。帰国後、自らのソロ活動のほかにコーラス&ギターとしてMr.Childrenツアーサポートメンバーに抜擢され、知名度を上げていく。10年4月にメジャーデビューシングル「カーニバる?」、同7月に1stアルバム「Shall we travel??」をリリース。12年4月リリースの3rdアルバム「風歌キャラバン」は、自身初となるオリコン・ウィークリーチャート1位を獲得した。同8月にはフジテレビ系「主に泣いてます」で初のドラマ主題歌となる「ナイテタッテ」をリリース。第63回NHK紅白歌合戦に初出場。フォトエッセイ「旅歌ダイアリー」(幻冬舎刊)発売中。4月17日に11thシングル「恋する季節」をリリースする。
公式HP
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Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一
スタイリスト:中村 剛/ナカムラ ツヨシ ヘアメイク:Storm/ストーム
スタイリスト:中村 剛/ナカムラ ツヨシ ヘアメイク:Storm/ストーム