「自分に100%の自信を持って生きていますか? という質問にはい! と即答できない人は、AKIRAが演じたホストの大和に感情移入しやすいはずです」
お笑いコンビ・ガレッジセールのボケ担当のみならず、NHK連続テレビ小説の「ちゅらさん」シリーズなどでは俳優として、また映画監督や声優など多方面で才能を発揮しているゴリさんが、本誌2回目の登場! 作品をピリッと引き締めるようなオカマ役を演じた映画『ワーキング・ホリデー』についての話から人生哲学まで、時にはにこやかに、時には熱血漢になって語り尽くしてもらいました。温かくて優しい、ゴリさんの心の中を垣間見られるインタビュー!!
自分の仕事が人の役に立っているか奉仕できているかを常に意識しよう
──映画は父子の絆を描いた物語ですが、ゴリさんは家族を大切にすることでも知られていますよね。家ではどんな父親ですか?「僕ね、10の言葉よりも1のスキンシップのほうが大事だと思うんで、とにかく子どもには触れるようにしているんですよ。体の熱を感じると、人って安心するじゃないですか。そのお陰か子ども2人とも、触れられることを心底喜んでくれるんですよね。僕が仕事に行く時と帰ってきた時は下の娘と必ずチュッとしてますし、そのチュッとしている間に、上の息子が僕に走り寄って抱きつくために、スタンディングスタートの姿勢で待ち構えていますからね」
──料理に凝っているのも、お子さんたちのため?
「そうですね。得意料理っていうのはないんですけど、子どもの朝ご飯を作って、途中まで学校へ送って、その後1時間ぐらい、犬を連れて嫁さんと散歩するっていうのが日課なんです。…と聞くと嫁さんと仲がいいと思いますよね? でも、たまに本気で怒鳴り合うほどのケンカをしますよ。だから、よく話すんですよね、子どもがいなかったら離婚してるよねって。家族全員で雑魚寝しているのも、家族仲にいい影響をもたらしているんですけどね」
──全員で雑魚寝!
「そう。たま~に子どもの足の指が僕の鼻の穴に入っているという、奇跡も起こります。足が顔面に飛んできて、夜中に痛くて起きることもしょっちゅうですけどね」
──9歳の長男より少し年上で今回共演した、子役の林遼威くんはいかがでしたか。
「遼威はかわいくて素直で、子どもの絵画を観ているかのように美しかったですよ。透明感があるというか。休憩時間に僕が話をするとゲラゲラ笑ってくれるから、もっと笑わせてやろうっていうサービス精神まで刺激されました。寒いのを我慢しているのも立派だな、遼威が耐えてるなら自分は絶対に言っちゃいけないな、と踏ん張らせてももらえましたね
遼威は可愛くて素直で絵画のように美しい子役でした
──ロケは寒かったそうですね。「僕は沖縄でも冬にダウンジャケットを着るほど寒さに弱くて、冬なんてなくなればいいっていう過激派なんですから(笑)薄着で胸元が開いた洋服を着たゲイを演じるには、2月は寒すぎましたよ。ゲイが肉体労働だって、役を演じて初めて知りました。ビルの屋上で遼威が僕の膝の上に頭を乗せて寝てるってシーンがあるんですけど、寝てる設定だから寒くても震えちゃいけないわけじゃないですか。遼威は一生懸命、寝てる演技をして震えを一切隠すわけですよ。でも、ビミョーに震えているのが僕の膝の上に置いた頭を通して伝わってきて。ホント、いじらしいほど必死でしたね」
──主演のAKIRAさんも寒いと弱音を吐かなかったとか。
「そう! 寒くても『上着をください』とはひと言も言わなかったですし、暖を取るストーブにも絶対に近づきませんでしたね。屋上で1人、景色を眺めながら足踏みをして耐えていました。撮影中、ストーブに近づかないと言えば高倉健さんじゃないですか。僕は伝説を見ているのかと思いましたよ(笑)まぁでも本当はね、僕の予想だと、(ストーブの)大きさの関係で全員が火にあたることができないから、自分は遠慮していたんじゃないか、と」
──みなさん、尊敬すべきプロ根性の持ち主ですね。ゴリさんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか。
「自分の仕事が人の役に立っているか、奉仕できているかを常に意識することです。どんな職種でも仕事って、途中でやり甲斐を失くすものですよね。その時、自分のためにだけ仕事をしていると限界を迎えてしまうけど、人にありがとうと言ってもらえると、もっとパワーが出るんですよ。だからね、自分の仕事が誰の役に立っているか、仕事のその先を想像しながらするといいと思いますよ。たとえば鉄パイプを運ぶ作業なら、その鉄パイプがどの部分に直接的な役目を果たしているか、とか」
──ですが、好きな仕事に就いていないとそこまで想像するのは難しいかと……。
「バイトをするなら、お金のためだけに働かないほうがいいと思うんですよ、個人的に。自分の夢に役立つ仕事に就けば、お金と技術と経験と、知識までもらえて、それを夢に役立てられるわけですから」
恥はちっぽけなこと!他人の目を意識しても仕方ない
──なるほど。ゴリさんはレギュラー番組の「ゴリ夢中」で、取材NGの飲食店からOKをもらいましたよね。どうしたら営業トークで人を説得できるか教えて下さい。「取材をしている間はお金儲けをする時間を奪ってしまうわけですから、低姿勢な気持ちを忘れちゃダメですよね。5分だけ、とか手間を取らせないことを事前にお知らせすることと、先方が迷っているならしつこく食い下がることも大切。自分が売る商品のどこがいいのか、明確な理由を自分で把握して理論武装することも重要なんじゃないでしょうか。あとは、その商品に本気の愛情を注ぐこと。口先ばかりでいい商品ですよ、と伝えても、人間ってウソを感覚で見抜きますからね」
──その法則を踏まえて、映画のPRをお願いします。
「みなさん、自分に100%の自信を持って生きていますか? という質問にはい! と即答できる人は少なくて、人間誰しも、自信を持てない部分があると思うんです。そういう人が観たら、AKIRAが演じたホストの沖田大和が子どものために恥をかくこともいとわずに、向上心を持ってコンプレックスを克服していく過程は、感情移入しやすいはずです。恥をかくなんてちっぽけなことなんだって解りますから。他人は自分が思うほど、自分のことを意識してないよっていうね」
──ですが、プライドが高い人は恥をかくことに抵抗を覚えるかと。
「僕も相当高かったですよ、プライドが。バカにされたくないって気持ちがね」
「芸能人だから他の人とは違うって、調子に乗ってた時期もあったんですよ、今思えば。同じ人間なのにね。でも、いーっぱい恥をかいたことと、子どもが産まれてから変わりました」
──えっ、ゴリさんが!?
「芸能人だから他の人とは違うと、調子に乗ってた時期もあったんですよ、今思えば。同じ人間なのにね。でも、いーっぱい恥をかいたことと、子どもが産まれてから変わりました。子どもが幼稚園で転んでケガをした時にママ友が消毒してくれたとか、整備された道路を歩くことができるのは、手にマメを作りながら道路を整備してくれた人がいたお陰だとか、夜も明るいのは電気があるお陰だとか、生かされている実感を得たんですよね。…って、宗教じゃなくて、ですよ(笑)。でも、生きているんじゃなくて生かされていると知ってから、低姿勢になれましたね」
──最後に読者へメッセージを!
「プライドを捨てると人の痛みが解りますし、コレを言って嫌われたら…っていうことも考えなくなりますから、率直で気持ちいい人間関係が築けるようになる、というのが僕の実体験です。男はプライドを捨てて丸くなってもカッコイイ、というかむしろ、丸い男こそカッコイイんですよ!」
前回ご自身がメガホンを執った映画『南の島のフリムン』でお会いした時よりも円熟味が増し、人柄が丸くなりながらも眼光の鋭さには一段と磨きがかかっていたゴリさん。額に手を当てて「う~ん」と唸りながらコメントを考えてくれる様子は、彼の誠実さを物語っていました。芸人、役者としての今後にも注目しています!
INFORMATION
映画「ワーキング・ホリデー」
INFO&STORY
元ヤンキーで新宿歌舞伎町のホストクラブで働く沖田大和(AKIRA)の目の前に、ある日、10年以上前に別れた元恋人・神保由紀子(ちすん)との間に生まれていた息子・進(林遼威)が現れる。家出をしてきたという進を追い返すわけにもいかず、初対面の息子との慣れない共同生活を始めた大和は、ホストを辞め、宅配便のドライバーとして再出発を図るが……。ダンス・ボーカルユニットEXILEのメンバーで俳優としても活躍するAKIRAと、ドラマや映画、CMで活躍する子役の林遼威の2人が親子を演じ、父と子の絆を描くハートウォーミングストーリー。
CAST&STAFF
出演/AKIRA・林遼威・綾野剛・逢沢りな・西野亮廣(キングコング)・忽那汐里(友情出演)・近江谷太郎・ちすん・永田彬・ほんこん・ゴリ(ガレッジセール)
監督/岡本浩一
原作/坂木司「ワーキング・ホリデー」(文春文庫刊)
脚本/山岡真介
配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式HP
11月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木ほか全国ロードショー
PROFILE
ゴリ(ごり)
1972年5月22日生まれ 沖縄県那覇市出身
95年、中学の同級生だった川田広樹とお笑いコンビ・ガレッジセールを結成。バラエティ番組を中心に活躍し、フジテレビ「ワンナイR&R」で扮したキャラクター“ゴリエ”が大ブレイク。05年のNHK紅白歌合戦では歌手として出場した。日大芸術学部映画学科(演技コース専攻)に在籍の経験を活かし、映画監督としても「南の島のフリムン」で長編監督デビューを果たす。俳優としての主な出演作品に、ドラマ「ちゅらさんシリーズ」「鬼嫁日記シリーズ」「示談交渉人 ゴタ消し」、映画「嫌われ松子の一生」「さくらん」「うた魂♪」「GOEMON」「琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ」などがある。
映画「ワーキング・ホリデー」
INFO&STORY
元ヤンキーで新宿歌舞伎町のホストクラブで働く沖田大和(AKIRA)の目の前に、ある日、10年以上前に別れた元恋人・神保由紀子(ちすん)との間に生まれていた息子・進(林遼威)が現れる。家出をしてきたという進を追い返すわけにもいかず、初対面の息子との慣れない共同生活を始めた大和は、ホストを辞め、宅配便のドライバーとして再出発を図るが……。ダンス・ボーカルユニットEXILEのメンバーで俳優としても活躍するAKIRAと、ドラマや映画、CMで活躍する子役の林遼威の2人が親子を演じ、父と子の絆を描くハートウォーミングストーリー。
CAST&STAFF
出演/AKIRA・林遼威・綾野剛・逢沢りな・西野亮廣(キングコング)・忽那汐里(友情出演)・近江谷太郎・ちすん・永田彬・ほんこん・ゴリ(ガレッジセール)
監督/岡本浩一
原作/坂木司「ワーキング・ホリデー」(文春文庫刊)
脚本/山岡真介
配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式HP
11月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木ほか全国ロードショー
PROFILE

1972年5月22日生まれ 沖縄県那覇市出身
95年、中学の同級生だった川田広樹とお笑いコンビ・ガレッジセールを結成。バラエティ番組を中心に活躍し、フジテレビ「ワンナイR&R」で扮したキャラクター“ゴリエ”が大ブレイク。05年のNHK紅白歌合戦では歌手として出場した。日大芸術学部映画学科(演技コース専攻)に在籍の経験を活かし、映画監督としても「南の島のフリムン」で長編監督デビューを果たす。俳優としての主な出演作品に、ドラマ「ちゅらさんシリーズ」「鬼嫁日記シリーズ」「示談交渉人 ゴタ消し」、映画「嫌われ松子の一生」「さくらん」「うた魂♪」「GOEMON」「琉神マブヤーTHE MOVIE 七つのマブイ」などがある。
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一