おぐら「実際、ダブル蒸着のシーンは一発OKだったんですよ。あれは凄かった。 ポーズもタイミングも完璧に息が合ってましたから」
石垣「蒸着ポーズは初代ギャバン大葉健二さん直伝。 大事なシーンなんで完コピを目指し、気持ちまでリンクできました」
80年代に一世を風靡した伝説のヒーロー『宇宙刑事ギャバン』が30周年を迎えてスクリーンに復活! 二代目ギャバンを演じる石垣佑磨さん、アクション監督デビューを果たしたおぐらとしひろさんに〝レジェンド伝承〟への意気込みとこだわりを聞いた。オリジナル版を受け継ぎつつ新生ギャバンを生み出す過程には、格闘技経験者である石垣さんのポテンシャルが、大きく関係しているようだ。〝若さ〟と〝愛〟が詰まった「蒸着!」に燃えろ!!
役者として、一度は“変身”してみたかった!
──数あるヒーローの中でも特に人気の高いギャバンを継承するということで、正直プレッシャーもあったのでは?石垣「銀河最強の男を継ぐわけですからね。自分がギャバンを演じるなんて信じられなかったですね。最初は敵の役かと思った(笑)ライダーとか戦隊に出たことがなかったので。『役者として、一度は“変身”したいよな』と思ってたんで嬉しかったですねぇ。しかもギャバンが30周年で、僕が30歳。特別な作品になりました」
おぐら「僕は子どもの頃に見てましたから、やっぱりギャバンは大事な作品ですね。ただ今回は新生ギャバン。古いものを踏襲しながらも、石垣佑磨ならではの新しいギャバンを築き上げたかった。大葉健二の元祖ギャバンとコラボするからこそ、差別化も大事というか」
──実際、映画は大葉さんの“完成されたギャバン”に対して石垣さんの“成長していくギャバン”が面白いですよね。
石垣「脚本を読むと、まずドラマがしっかりしてたんですよ。今までも『あずみ』とか『十三人の刺客』とかアクションに関わることが多かったんですけど、改めてアクションも芝居の一つなんだっていうことを感じましたね。アクションの中で、ここまで感情を伝えることができるんだっていう。“普通の人間がギャバンに成長していく”って要素は、劇中での髪型の変化にも表れてるんで注目してほしいですね。そこは僕のアイディアでもあるんで」
──初代ギャバンの大葉さんからは、撮影中どんなアドバイスを受けました?
石垣「茨城での撮影が終わって、二人でつくばエクスプレスで帰った時があったんですよ」
──贅沢な電車ですねぇ(笑)
石垣「東京に着いたら、大葉さんに『ちょっと行こうか』と飲みに連れてっていただきまして。そこで昔の撮影のエピソードをたくさん聞かせていただきましたね。あと蒸着(変身)ポーズも直接教わって。蒸着のシーンだけは、一人では練習しなかったんです。オリジナルから受け継ぐ大事な部分なんで、あえて完コピで、大葉さんと一緒にしかやらないっていう」
おぐら「実際、ダブル蒸着のシーンは一発OKだったんですよ。あれは凄かった。ポーズもタイミングも完璧に息が合ってましたから」
石垣「大葉さん直伝だから、気持ちまでリンクできたんだと思います」
──石垣さんはボクシング、キックの経験者だけあってアクションシーンも見事でしたね。
おぐら「素晴らしいポテンシャルを持ってますよね。アクション監督として、そこに頼った部分もあります。まして佑磨さんがアクションに対して前向きだったので、こっちとしてもいろんな提案がしやすかった。普通はスタントマンがやるような場面でも『できます』って。だから普通よりも上のステージで撮影できたし、佑磨さんあっての新生ギャバンだと思います」
石垣「ありがとうございます。やっぱり、ちょっとぐらい難しいアクションだからって(スタントマンに)お願いします、じゃあ自分の作品にならないと思ったんですよね。せっかくギャバンを演じるのに、自分が頑張って、這いつくばってやらなかったら本当のヒーローになれないですよ。地面に叩きつけられて『痛え!』って言ってるの、あれ本気ですからね(笑)」
30年の歴史を経て格闘シーンも大きく進化!
──格闘シーンには難易度の高いカカト落としも登場しますね。経験者として、石垣さんは自分でもアイディアを出したりしたんですか?石垣「おぐらさんとの話し合いの中で『ここ、ミドルキック1発じゃなくて2発でもいいですか』とか。現場のセッションでどんどん面白くなっていくんですよ。金田治監督もアクションの方だから、そこでまた手が加えられて」
おぐら「アクションの流れは、何手覚えてもらったか分からないくらいですよ。そして、その中で何手捨てたかも分からないくらい(笑)。それくらいたくさんのアイディアが出ましたね。佑磨さんが“できる人”なので、こっちも楽しくなっちゃったところがあって」
石垣「そこに僕らしいギャバンが出てたらいいなぁ、と。ミドルキック連打からのカカト落としなんて、これまでのヒーローは使わなかったと思うんですよね。30年前のギャバンは、空手がベース。でも30年後の今は、MMA(総合格闘技)の時代じゃないですか。ということは、ギャバンが所属する銀河連邦警察の格闘術も進化してるはずなんですよね。その象徴がカカト落としで」
──作品のテーマは「振り向くな、ためらうな」。オリジナルの主題歌がモチーフだけに大人のファンもグッとくると思います。
おぐら「この映画では、日常では言えないような強いメッセージがしっかり言葉として出てくるんですよ。それは“生きていく中での闘い”に欠かせない要素でもある。だから大人の、特に男の人にも見てもらいたいですね。スタッフとしても、子ども向けだけに作ったつもりはないので」
石垣「主題歌はエンドロールでも流れるんですけど『こんなに内容にハマってるのか!』と改めて感じましたね。そこでまた『ああ、ギャバンを演じられてよかった』って」
INFORMATION
映画「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」
INFO&STORY
銀河に危機が迫る時、宇宙刑事が立ち上がる。82年にテレビ放映されるや、当時の子どもたちを瞬く間に熱狂させたギャバンは、その後17年に渡り続く「メタルヒーロー」シリーズの元祖として、特撮ヒーロー史に燦然と輝く伝説となった…。そして伝説は、新たなるヒーローを迎えて再び幕を開ける。主人公は、勇者のコードネーム〈ギャバン〉を受け継いだ若き宇宙刑事・十文字撃(石垣佑磨)。初代ギャバンによって倒されたマクー首領ドン・ホラーの復活を阻止するため、2代目ギャバンに選ばれし若者は、戦いの中で傷つきながら、己の弱さと向き合いながら、真の勇者へと成長を遂げてゆく。――――伝説は受け継がれ、不滅となる。
CAST&STAFF
出演/石垣佑磨・永岡卓也・滝裕可里・森田涼花・西沢利明・穂花・三浦力(友情出演)・岩永洋昭(友情出演)/大葉健二
原作/八手三郎
脚本/小林雄次
監督/金田治
アクション監督/おぐらとしひろ(ジャパンアクションエンタープライズ)
配給/東映
公式HP
10月20日(土)より全国ロードショー
「ギャバン」製作委員会 (C)東映
PROFILE
石垣佑磨(いしがき・ゆうま)
1982年8月28日生まれ 東京都出身
00年に「仮面学園」でスクリーンデビュー。以降、数多くの映画やドラマ、舞台などで活躍している。映画はほかに「あずみ」「バトル・ロワイヤルll/鎮魂歌<レクイエム>」「あずみ2/Death or Love」「十三人の刺客」「道~白磁の人~」、11月公開の「バトルαソクラテス パーティ&party」などに出演。10月24日から上演の舞台「BANANA FISH」、11月30日から上演の舞台「少しはみ出て殴られた」に出演。また、10月27日放送開始のNHK-BSプレミアム「てふてふ荘へようこそ」で5号室の同居人として出演する。
公式HP
PROFILE
おぐらとしひろ
1971年5月9日生まれ 東京都出身
ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)所属のアクション俳優。スタントマンや特撮番組のスーツアクターとしての活躍で知られ、主な出演作品に「仮面ライダー電王」「超・電王トリロジー」「レッツゴー仮面ライダー」「海賊戦隊ゴーカイジャー」、舞台「戦国BASARA!~蒼紅共闘~」などがある。本作で初めてアクション監督を務めた。
公式HP
映画「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」
INFO&STORY
銀河に危機が迫る時、宇宙刑事が立ち上がる。82年にテレビ放映されるや、当時の子どもたちを瞬く間に熱狂させたギャバンは、その後17年に渡り続く「メタルヒーロー」シリーズの元祖として、特撮ヒーロー史に燦然と輝く伝説となった…。そして伝説は、新たなるヒーローを迎えて再び幕を開ける。主人公は、勇者のコードネーム〈ギャバン〉を受け継いだ若き宇宙刑事・十文字撃(石垣佑磨)。初代ギャバンによって倒されたマクー首領ドン・ホラーの復活を阻止するため、2代目ギャバンに選ばれし若者は、戦いの中で傷つきながら、己の弱さと向き合いながら、真の勇者へと成長を遂げてゆく。――――伝説は受け継がれ、不滅となる。
CAST&STAFF
出演/石垣佑磨・永岡卓也・滝裕可里・森田涼花・西沢利明・穂花・三浦力(友情出演)・岩永洋昭(友情出演)/大葉健二
原作/八手三郎
脚本/小林雄次
監督/金田治
アクション監督/おぐらとしひろ(ジャパンアクションエンタープライズ)
配給/東映
公式HP
10月20日(土)より全国ロードショー
「ギャバン」製作委員会 (C)東映
PROFILE
石垣佑磨(いしがき・ゆうま)
1982年8月28日生まれ 東京都出身
00年に「仮面学園」でスクリーンデビュー。以降、数多くの映画やドラマ、舞台などで活躍している。映画はほかに「あずみ」「バトル・ロワイヤルll/鎮魂歌<レクイエム>」「あずみ2/Death or Love」「十三人の刺客」「道~白磁の人~」、11月公開の「バトルαソクラテス パーティ&party」などに出演。10月24日から上演の舞台「BANANA FISH」、11月30日から上演の舞台「少しはみ出て殴られた」に出演。また、10月27日放送開始のNHK-BSプレミアム「てふてふ荘へようこそ」で5号室の同居人として出演する。
公式HP
PROFILE
おぐらとしひろ
1971年5月9日生まれ 東京都出身
ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)所属のアクション俳優。スタントマンや特撮番組のスーツアクターとしての活躍で知られ、主な出演作品に「仮面ライダー電王」「超・電王トリロジー」「レッツゴー仮面ライダー」「海賊戦隊ゴーカイジャー」、舞台「戦国BASARA!~蒼紅共闘~」などがある。本作で初めてアクション監督を務めた。
公式HP
取材・文/橋本宗洋 撮影/谷口達郎