「勝美は、不器用で優しくてバカな男。このまま続けてどうなるんだろう…という勝美の気持ちを通して信じる強さ、継続の力を知ってもらいたいです」
劇団主宰の宅間孝行さんが脚本、演出を手掛ける東京セレソンデラックスの舞台「ピリオド」が4月3~15日まで中野ザ・ポケットで上演。ピークを過ぎたボクサー、主人公の勝美を演じる弓削智久さんに、舞台の見どころを聞いた。宅間さんが10年前に主演を務めた舞台の再演となるが、過去作超えなるか!?
緑を感じた舞台だから前作超えを目指して頑張ります
11年9月の公演「わらいのま ち」以来、東京セレソンデラッ クスとは二度目のタッグとなる 弓削智久さんに直撃インタビュ ーを敢行!!──舞台「ピリオド」では主演に 抜擢されましたが、本作とは縁 を感じていたそうですね。
「といっても僕が勝手に縁を感 じていただけですけどね。10年 前に宅間(孝行)さんが主演し たこの作品と、僕の初舞台『弓 削くん、危機一髪』が同じ劇小 劇場っていう場所なんです。僕 は演技経験があまりない上に初 舞台でしたから、白弓削くん、 黒弓削くんと多重人格者を演じ 分けられる訳がなく、振り返る とそれこそ危機一髪だった記憶 がありますが…(笑)」
──そんな(笑)。いかがですか、 主役に選ばれた感想は。
「劇団員の(伊藤)高史くんか ら小耳に挟んだ情報だと、宅間 さんと同じようにショートムー ビーの監督をしたり映画の脚本 を書いたりっていう、僕の経歴 に興味を持って頂いたらしいん です。『俺が昔、やってた役な んだけど、やるか?』と言われ た時は驚きましたけど、うれし かったですね。ただ、10年前の 宅間さん主演のビデオを観たい 気持ちにかられるんですけど、 そこは我慢して、終わってから 観ることができればいいかな、 と。意気込み的には、宅間さん を超える! という気持ちで頑 張りたいです」
不器用で優しくてバカな勝美に自分を重ね観劇を
──主人公のボクサー桜井勝美とご自身の共通点って見いだせました?「勝美は、不器用で優しくてバカで、男から見るといいヤツなんです。31歳のボクサーだから選手としてはピークを過ぎているんですけど、奥さんが心配する気持ちも分かるけど、ボクシングを辞められない。という中で、このまま続けていってどうなるんだろう、って勝美の気持ちは、役者を続けてどうなっていくんだろうっていう、僕の気持ちとリンクしていますね。信じる強さ、継続の力を、勝美を通して知ってもらいたいです」
──演出の宅間さんからは、どのような演技指導が。
「勝美のような役はハマり役だけど、余計なことはしなくていい、と言われました。小さい笑いを拾おうとする僕の細かい部分をちゃんと訂正してくれます。ほかで何か迷ったら、共演者のこっしー(越村友一)にも相談しようかな、と」
──改めて舞台のPRをお願いします。
「役者ができる唯一のライブが舞台なので、ぜひ劇場で生で観てもらいたいです。観客のみなさんがストーリーに入りやすいよう、あえて小さめの劇場でやるので、自分の思いを重ねつつ思いっきり笑ってください。笑えるだけではなく、いろんな感情を揺さぶられるので、喜怒哀楽の旅に来て頂けることをお待ちしています」
夢を口外すると叶わないと信じているから不言実行で
──弓削さんはDJとしても活躍していますよね。「ほぼ趣味ですが、実は役者より早く始めているんですよ。ただ、他人の曲をかけ続けてきた15年だったなと感じたので、今後はオリジナルも混ぜて映像と合体させるつもりです」
──仕事が忙しそうですが、恋愛観についても教えて下さい。
「自分の中では結婚したいんですけど、なかなか相手が、ね。いつもセリフ合わせにつき合ってくれる親友の(内田)譲クンが女だったら…ね(笑)」
──では、仕事で目指すのは?
「…という夢や自分にとってプラスになる情報を口外すると叶わなくなると信じているので、不言実行で地道に頑張ります。ほかにも舞台を控えているので今年は舞台三昧になりますが、DJに映像を加える作業にも力を入れたいですね」
INFORMATION
■東京セレソンデラックス2012番外公演『ピリオド』
【STORY&INFO】ピークを過ぎ、試合さえ組んでもらえない落ち目のボクサー勝美。松浪土建の長女しずかと結婚したが、それでも夢を捨てきれないでいた。そして突然の離婚。夫婦生活にピリオドが打たれ、勝美はある計画を立てる。「あんた人殺したことある? 女騙したことは?」そう寛治に持ちかける勝美と同僚の喜一。すべてはピリオドから始まった…。
【CAST&STAFF】出演/弓削智久・広澤草・越村友一・粟島瑞丸・水原睦実・谷川功・金城大和・葉石充・杉浦慶子・三宅麻祐子・大坪あきほ・竹匠
作・演出/宅間孝行
チケット全席指定4500円(税込)
公式HP
4月3日(火)から15日(日)まで中野ザ・ポケットで上演
PROFILE
弓削智久(ゆげ・ともひさ)
1980年5月25日生まれ 東京都出身
99年にドラマ「小市民ケーン」で本格的に俳優デビュー。以降、役者として映画やドラマ、舞台を中心に活動。主な出演作に映画「ワルボロ」「今日からヒットマン」「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」「サクゴエ」「百万円と苦虫女」「スラッカーズ傷だらけの友情」「彼岸島」「ちょんまげぷりん」、ドラマ「仮面ライダー龍騎」「仮面ライダーカブト」などがある。11年9月、東京セレソンデラックスの公演「わらいのまち」に参加した。
公式ブログ
■東京セレソンデラックス2012番外公演『ピリオド』
【STORY&INFO】ピークを過ぎ、試合さえ組んでもらえない落ち目のボクサー勝美。松浪土建の長女しずかと結婚したが、それでも夢を捨てきれないでいた。そして突然の離婚。夫婦生活にピリオドが打たれ、勝美はある計画を立てる。「あんた人殺したことある? 女騙したことは?」そう寛治に持ちかける勝美と同僚の喜一。すべてはピリオドから始まった…。
【CAST&STAFF】出演/弓削智久・広澤草・越村友一・粟島瑞丸・水原睦実・谷川功・金城大和・葉石充・杉浦慶子・三宅麻祐子・大坪あきほ・竹匠
作・演出/宅間孝行
チケット全席指定4500円(税込)
公式HP
4月3日(火)から15日(日)まで中野ザ・ポケットで上演
PROFILE
弓削智久(ゆげ・ともひさ)
1980年5月25日生まれ 東京都出身
99年にドラマ「小市民ケーン」で本格的に俳優デビュー。以降、役者として映画やドラマ、舞台を中心に活動。主な出演作に映画「ワルボロ」「今日からヒットマン」「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」「サクゴエ」「百万円と苦虫女」「スラッカーズ傷だらけの友情」「彼岸島」「ちょんまげぷりん」、ドラマ「仮面ライダー龍騎」「仮面ライダーカブト」などがある。11年9月、東京セレソンデラックスの公演「わらいのまち」に参加した。
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取材・文/内埜さくら 撮影/谷口達郎