「数人のアクション監督に交代しながら指導をして頂くので、 僕はぶっ続けで練習状態。過酷すぎて、日を追うごとにやつれました(笑)」
アンドリュー・ラウ監督×ドニー・イェン主演の映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」が9月17日、遂に日本で初公開! 主人公チェン・ジェンに扮したドニーと戦う重要な役どころを演じた木幡竜さんに、作品の魅力をお伺いしました。
ぶっ続けのアクション指導で日々やつれました…(笑)
──木幡さんが出演した映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」が公開ですね。力石毅という役へはどのようにアプローチをしましたか。「僕が演じた力石は、ドニー・イェンさん演じるチェン・ジェンに父を殺された男。チェン・ジェンが父の仇なんです。役作りは過去の文献や資料を読みましたが、それはケーススタディーでしかなくて。結局、役を作るのは、想像しかないんですよ。でも軍人役は前作の『南京! 南京!』で経験があるから難しくはなかったですね」
──本作ではドニー・イェンさんと最終対決をする、重要な役どころを演じていますよね。
「アクションをこなすのがあんなに大変だとは、今回初めて知りました。武術指導の谷垣健治さん含む数人のアクション監督に、交代しながら指導をして頂くので、僕はぶっ続けで練習状態。過酷な練習の繰り返しだったから、僕が日を追うごとにやつれていって…谷垣さんは、アンドリュー・ラウ監督に怒られたらしいですよ。もっと太れと言ったのに、トレーニングをさせすぎじゃないかと(笑)」
──元プロボクサーの木幡さんでも、きつかった!?
「辛かったですね。練習が終わると必ず、脚がプルプルと震えていました。でも、レベルを上げようと必死でしたよ。僕が追いつかないとスタントマンさんが代わりにスタントをしてくれても、映像がチグハグになってしまいますからね」
世界トップクラスのスターのアクションが最大の見所
──ドニー・イェンさんにスー・チーさん、アンソニー・ウォンさんら、豪華俳優ぞろいの作品に出演した感想は。「今回のように、スターたちの中で肩を並べた時に目立つには、やはり僕自身に魅力がないといけないと実感しました。人間そのものに魅力がないと、技術ではカバーできませんから。だから、僕が俳優として死ぬ時は、魅力を磨くことを怠った時…。もしそうなったら、俳優を廃業すると思います」
──見どころをお願いします。
「やはりアクションシーンに尽きますね。世界トップクラスのドニー・イェンのアクションの魅力が満載ですから。個人的に僕はアンソニー・ウォンと一緒のシーンが好きなので、ぜひ観て頂きたいですね。もちろん、体を張って挑んだアクションもぜひ」
表現者としてあり続けたいボクシング映画制作も目標
──本作でのご自身の演技に点数をつけるとしたら?「100点満点中、70点。残り30点は、表現に完璧はないからです。人生に後悔したくないから、これからもベストを尽くして足掻いていきます」
──後悔したくないから、プロボクサーから俳優へと転職を?
「中央大学の恩師や周りの方からは、俳優になるのは世界チャンプになってからでも遅くはないと止められましたけどね。僕はボクサー崩れになってから俳優になるのが嫌だったんです。だからボクシングを潔く辞めて、俳優1本に道を絞った。家賃3万8千円のボロアパートに住んでバイトをしながら生活した時期もありましたけど、今はこうして中国で活動することもできて、恩師も両親も喜んでくれています」
──最後に今後の目標を!
「俳優というひと括りの枠にとらわれるのではなく、表現者としてあり続けたいですね。そのためには、与えられた役を演じるだけでは完結も満足もできない。だから、企画を立てたりして、自分から能動的に動いていきたいです。いつか中国と日本の俳優陣で、ボクシング映画を創ることも目標の1つです」
INFORMATION
■映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」
【STORY&INFO】1925年、魔都上海。祖国を守るため、愛する人を守るため、伝説の男が戦いの聖衣に身を包む一。アジアNO.1アクションスター、ドニー・イェンがブルース・リーの伝説に挑んだ「ドラゴン怒りの鉄拳」のリメイク。アジアを代表する豪華キャストで実現した、今世紀最高のカンフーアクションエンターテインメント!!
【CAST&STAFF】出演/ドニー・イェン スー・チー アンソニー・ウォン ホアン・ボー ショーン・ユー 木幡竜 倉田保昭 AKIRA(EXILE)
監督/アンドリュー・ラウ
配給/ツイン
配給協力/太秦
公式HP
9月17日(土)より新宿武蔵野館、立川シネマシティほか全国順次公開
(C) 2010 Media Asia Films (BVI) Ltd. Beijing Enlight Pictures Ltd. All Rights Reserved
PROFILE
木幡 竜(こはた・りゅう)
76年9月12日生まれ 神奈川県出身
プロボクシングB級ライセンスを所持し、ボクサーとして活躍後、03年に俳優デビュー。映画、ドラマ、舞台、CMなど幅広く活躍。主な出演作に映画「ゴジラ FINAL WARS」「DEATH NOTE」「春の居場所」「子猫の涙」「陰日向に咲く」「GOEMON」、ドラマ「純情きらり」「セーラー服と機関銃」などがある。その後、中国に渡り映画「南京! 南京!」で重要な役どころを演じ、中華圏のファンを獲得。「東風雨」など現在は中国を拠点に活動している。
■映画「レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳」
【STORY&INFO】1925年、魔都上海。祖国を守るため、愛する人を守るため、伝説の男が戦いの聖衣に身を包む一。アジアNO.1アクションスター、ドニー・イェンがブルース・リーの伝説に挑んだ「ドラゴン怒りの鉄拳」のリメイク。アジアを代表する豪華キャストで実現した、今世紀最高のカンフーアクションエンターテインメント!!
【CAST&STAFF】出演/ドニー・イェン スー・チー アンソニー・ウォン ホアン・ボー ショーン・ユー 木幡竜 倉田保昭 AKIRA(EXILE)
監督/アンドリュー・ラウ
配給/ツイン
配給協力/太秦
公式HP
9月17日(土)より新宿武蔵野館、立川シネマシティほか全国順次公開
(C) 2010 Media Asia Films (BVI) Ltd. Beijing Enlight Pictures Ltd. All Rights Reserved
PROFILE
木幡 竜(こはた・りゅう)
76年9月12日生まれ 神奈川県出身
プロボクシングB級ライセンスを所持し、ボクサーとして活躍後、03年に俳優デビュー。映画、ドラマ、舞台、CMなど幅広く活躍。主な出演作に映画「ゴジラ FINAL WARS」「DEATH NOTE」「春の居場所」「子猫の涙」「陰日向に咲く」「GOEMON」、ドラマ「純情きらり」「セーラー服と機関銃」などがある。その後、中国に渡り映画「南京! 南京!」で重要な役どころを演じ、中華圏のファンを獲得。「東風雨」など現在は中国を拠点に活動している。
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一