「応援してくれる仲間に寂しい思いをさせたくないし、 僕の勝利した姿を見た後に楽しく飲んでほしいから、 勝つために練習し続けます！」

ボクシング第39代WBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志選手が本誌初登場！　世界チャンプになってもその地位に甘んずることなくストイックに目標を叶えていく姿勢は、タメになること間違いなし。熱い男の人生観にも切り込みます!!
──早くも９月予定の次戦に向け、本格再始動したと聞きました。
「防衛戦のあるなしに関わらず、毎日普通に練習してますよ。試合の２ヶ月ぐらい前になると対戦相手が分かるので、体型が似た相手とスパーリングをしたり、試合と同じような練習メニューに変わりますけどね」

──１日の練習時間と試合に向けての精神的な強化法を教えて頂きたいのですが。
「練習時間は、朝が１時間半から２時間以内。夜が２時間から２時間半です。精神面では、自分を追い込みますね。試合１ヶ月半前ぐらいからは友だちとも会わず、こもった生活に入ります。ボクシングは今まで経験したスポーツの中で一番キツイから、それぐらいしないと勝てない。応援してくれる仲間を悲しい気分にさせたくないし、僕の勝利した姿を見た後に楽しく飲んでほしいから、勝つために練習していますよ」

──では、勝利に浸る余裕は…。
「ないですね。４ヶ月に一度のペースで試合をしているので、気が抜けません。応援してくれる仲間が僕のボクシングの原動力だから、裏切れない」

──30歳までに世界チャンプになる夢を叶えたワケですしね。
「世界戦って実力があっても巡り合えない人がほとんどなんですよ。金がかかるしチャンピオンに選ばれないと出られないですから。そういった意味では僕は運が良かったし、ジムの渡辺会長と出会えたお陰ですね」

──世界戦に出られないかも知れないのに頑張れた理由は？
「続けていればいつかチャンスがくるかも知れない、という気持ちですね。練習を続けてきたからこそ、チャンスが来た時に上手く活かせたんだと思います。話が決まってから努力しても勝てない。大体そういうヤツにはチャンスも巡って来ませんけどね。仕事や勉強と一緒で、常に努力しているヤツには勝てないんですよ、付け焼刃は」

──内山さんをそこまで強い男にした人生の分岐点は。
「アマチュア時代は、大学１年の時。弱かったから同級生にも舐められて、屈辱を味わったんです。その夏から人の倍は練習して、冬にはレギュラーの先輩に勝つことができたんです。そこで自信がついて、努力をすれば結果がついてくると自分に証明できました。その頃から実力も伸びたんですよ」

──プロになってからは。
「３戦目の前に親父が亡くなった時ですね。ずっとプロになることを反対されていたんですけど、最後のひと言が『試合、頑張れよ』だったんですよ。その言葉で妥協したら恥ずかしくて生きていけないと思いました」

──内山さんは『自分を売り込む営業マン』と自認しているとか。
「というよりも、応援してくれる仲間を大事にし続けてきただけなんですよ。試合を観に来てくれた仲間には後日、全員にお礼の電話をかけますし、５００枚以上はハガキも書きます。仲間を大切にすることって大事ですよ…って、僕も世界チャンプになれなかったらどうなっていたか分からないから、偉そうなことは言えませんけど（笑）」

──ボクシング以外でもゲーム「クロヒョウ 龍が如く新章」の声優に挑戦していますよね。
「笑い方が一番難しかったです。普段の笑い方まで忘れるほど…。またやってみたいですけどね」

──今後も芸能活動を？
「今はボクシングに集中！　もっと強くなって安定してからじゃないと、余裕がないですね。体が伸びてないとか、前ほどのパフォーマンスが見せられないと感じるまで、試合しますよ！」