感性分析の第一人者、黒川伊保子氏の著書を原案とした映画『女の機嫌の直し方』が6月15日よりロードショー。新郎・北澤悠役を演じた佐伯大地さんが本作を通じて「これまで僕もたくさん女性の機嫌を損ねてきたのだなぁと痛感しました」と語っているように、男女の脳の違いや女性はえこひいき=特別扱いされたいなど、女ゴコロと男ゴコロのツボが分かりやすく描かれている。佐伯さんに、役を演じて発見した女性への対応策や映画の魅力と、理想の夫婦像を聞いた。
「完成作を観て僕は(女性への対応を)一問も正解できませんでしたが(笑)性別を問わず答え合わせをしながら観ても楽しめると思います」
僕自身は完全に『解決脳』でだから悠に共感できました
──原作をご覧になった感想は。「僕が驚いたのは、『デートの誘いは10日前、あるいは1週間前にせよ』という言葉でした。日にちを空けて誘うことで女性は、髪型やネイル、洋服を事前に考えることでデートの半分以上は味わっているものなんだ、と。だからデートへのハードルが下がるし、すごく喜んでもらえるそうなんです。だからこそ『明日、映画を観に行こう』という誘い方はもったいないとのことでした。でも、特に僕はそうかもしれないんですけど、何でも思い立ったら〝今〟それをしたいんです。1週間後に映画が観たいかどうかなんて分からない。それに男同士だと『今から来られない?』と誘われて『行きます!』と即答すると、『フットワークが軽いヤツだな』という扱いになる。時間に遅れようとも、ちゃんと顔を出すこと自体が、男同士の中では重要視されるんです。でも、対女性の場合は準備期間が必要なんですよね。この例は映画では描かれていませんが、驚かされました」
──映画では、男性脳と女性脳の違いが浮き彫りになっていますよね。
「男性は『解決脳』で、話を聞いたら解決策を考えたくなる。女性は『共感脳』で、話を聞いてもらい共感してもらえるだけでいい、という部分ですよね。松井玲奈さんが演じた新婦の北澤茉莉と僕が演じた新郎・北澤悠は結婚式直前にトラブルが起きるのですが、あれはまさに男女の脳の違い。映画をご覧になると分かりますが、女性は話を聞いてもらいつつ、ゆっくりと自分の中で感情を整理して解決に向かっていくものなんです。僕は完全に『解決脳』なので、トラブルを解決しようと頑張っているのに想いが届かない悠に共感しました」
──ということは、悠とご自身は似ていると感じたということでしょうか。
「似ていますね。タイプは違えど男性が大切な人に対してとる行動は思いやりから派生している優しさなんです。悠もトラブルが起きた時に『茉莉が一番楽しく結婚式ができるように』とは考えているんですが、空回りして女性には伝わらない。今回、役として経験しておいてよかったと思いました。僕も結婚式は絶対にモメると思うので(笑)でもおそらく悠はまたすぐに茉莉の機嫌を損ねてしまいそうですね。二次会とかでも(笑)」
理想の夫婦像は自分の両親今でもラブラブなんです!
──悠役を演じて、女性への考え方は変わりましたか?「まだまだ難解ではありますが、ほんの少しかもしれませんが変わってきたと思います。最近は『共感脳』に寄り添うことを意識して、女性の話を聞く時は『そうだね、それはひどいね』など、感情に沿う言葉を使うように心掛けています。話題がズレすぎて『何の話をしているの?』と思った時もグッと我慢して(笑)女性本人が解決策を導き出すまで聞き役に徹する。きっと〝いい男〟と呼ばれる男性たちは、みんな実行していると思うんです。実際に僕の父親も、『共感脳』に寄り添いますし。今62歳の父は母の10歳年上なんですけど、母の話を『そうだね』『ごめんね』と聞いていたのを子ども心に『情けないな』と感じていた時期があったんです。言いなりになって尻に敷かれて、と。でも、今となっては父の対応の素晴らしさが分かるようになりました」
──では、佐伯さんの理想の夫婦像は。
「まさに自分の両親です。僕と弟、兄弟ともども尊敬していて素敵だと思っています。今でもラブラブなんです。平気で腕を組んで歩きますし、一緒に散歩やジム通いをしていますし。ああいう夫婦になりたいと思いますけど、周りの友人たちに聞くと珍しいケースらしくて。でも僕は、子どもに恥ずかしいと思うことなく、映画を観に行ったりデートをするような、両親のような夫婦関係を築きたいですね」
──プライベートなお話も。ネットで佐伯さんの名前の後にスペースを入れると「筋肉」と出てきます。先月からはローファット生活も始めて、ツナ缶も愛用しているみたいですが。
「あははは! めっちゃ調べていますね。次は身体が大きい役で『ウエイトを増やしてほしい』と言われているので、筋トレに励んでいるんです。でも、筋トレは自分のためでもあります。個人的な考えですが、男性はがっしりとしていたほうが、生活態度や考え方がしっかりとしているような気がするんです。自分の身体をコントロールできない人間にはなりたくないので、体重や体型、日々の食事は大切にしていますね。トレーニングをすると心が元気になりますし、いい食事を摂ると肌も荒れませんし」
──勉強になります。最後に本作の魅力を教えて頂けますか。
「男女ともに、絶対に観て損はしない映画です。お得情報が満載ですし、情報をコミカルに楽しく描いていて、すべてがウィンウィンの作品なんです。 性別を問わず答え合わせをしながら観ても楽しめると思います。僕は一問も正解できませんでしたが(笑)間違えたからこそ勉強にもなりました。ぜひ映画館へ足を運んで頂けたらうれしいです」
INFORMATION
■映画『女の機嫌の直し方』
【INFO&STORY】
大学でAIの研究をしている真島愛(早見あかり)はデータ収集のため「男女トラブルの宝庫」の結婚式場でアルバイトを始める。その初日、上司である熱血ウェディングプランナーの青柳誠司(平岡祐太)とともに、新婦・北澤茉莉(松井玲奈)と新郎・北澤悠(佐伯大地)の結婚式を担当することになった彼女は、式直前の控室で2人の間に漂うトラブルの予感に気づく。そんな中、ある“事件”をきっかけに、2人は結婚中止の危機に。愛が新郎にアドバイスし、どうにか新婦の機嫌を直すことに成功したものの、結婚式のあらゆる場面で次から次へと男女トラブルが起き起こり…。3月に放送された同名テレビドラマの劇場版。
【CAST&STAFF】
出演/早見あかり・平岡祐太・松井玲奈・佐伯大地・水沢エレナ・前田公輝・朝加真由美・原日出子・金田明夫ほか
原案/『女の機嫌の直し方』黒川伊保子(集英社インターナショナル刊)
監督/有田駿介
脚本/蛭田直美
脚本協力/横澤夏子
配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式HP
6月15日(土)よりユナイテッド・シネマアクアシティお台場ほか全国順次公開
(C)2019「女の機嫌の直し方」製作委員会
PROFILE
佐伯大地(さえき・だいち)
1990年7月19日生まれ 東京都出身
09年、ミスター立教コンテスト準グランプリに選ばれ、10年にフジテレビ系「ストロベリーナイト」で俳優デビュー。11年公開の『パラダイス・キス』で映画デビューを飾り、15年よりミュージカル「刀剣乱舞」に岩融役で出演。公開待機作に『ダウト-嘘つきオトコは誰?-』がある。
公式Twitter
■映画『女の機嫌の直し方』
【INFO&STORY】
大学でAIの研究をしている真島愛(早見あかり)はデータ収集のため「男女トラブルの宝庫」の結婚式場でアルバイトを始める。その初日、上司である熱血ウェディングプランナーの青柳誠司(平岡祐太)とともに、新婦・北澤茉莉(松井玲奈)と新郎・北澤悠(佐伯大地)の結婚式を担当することになった彼女は、式直前の控室で2人の間に漂うトラブルの予感に気づく。そんな中、ある“事件”をきっかけに、2人は結婚中止の危機に。愛が新郎にアドバイスし、どうにか新婦の機嫌を直すことに成功したものの、結婚式のあらゆる場面で次から次へと男女トラブルが起き起こり…。3月に放送された同名テレビドラマの劇場版。
【CAST&STAFF】
出演/早見あかり・平岡祐太・松井玲奈・佐伯大地・水沢エレナ・前田公輝・朝加真由美・原日出子・金田明夫ほか
原案/『女の機嫌の直し方』黒川伊保子(集英社インターナショナル刊)
監督/有田駿介
脚本/蛭田直美
脚本協力/横澤夏子
配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式HP
6月15日(土)よりユナイテッド・シネマアクアシティお台場ほか全国順次公開
(C)2019「女の機嫌の直し方」製作委員会
PROFILE
佐伯大地(さえき・だいち)
1990年7月19日生まれ 東京都出身
09年、ミスター立教コンテスト準グランプリに選ばれ、10年にフジテレビ系「ストロベリーナイト」で俳優デビュー。11年公開の『パラダイス・キス』で映画デビューを飾り、15年よりミュージカル「刀剣乱舞」に岩融役で出演。公開待機作に『ダウト-嘘つきオトコは誰?-』がある。
公式Twitter
取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一