家族の絆を描くヒューマンドラマの大力作 事件から15年、希望を夢見た者の行く末は
第42回日本アカデミー賞で最多12部門の優秀賞に輝いた『孤狼の血』の白石和彌監督が、2011年に劇作家・桑原裕子の率いる劇団KAKUTAが初演した舞台「ひとよ」を映画化したのが本作だ。 主演の佐藤健が弟・雄二を、長男・大樹を鈴木亮平、妹・園子を松岡茉優が演じ、白石組に初参加したのも話題だ。さらに、母・こはるを演じる田中裕子は、母性と狂気が同居する危ういバランスを、微笑みで表現しているのが素晴らしい。さらに佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子、韓英恵ら実力派俳優たちが、稲村家を取り巻く人々を演じ、物語をよりリアルに表現していく。 時は15年前のある日。「稲村タクシー」の営業所では、兄・大樹、弟・雄二、妹・園子の三兄妹が両親の帰りを待っていた。帰宅した母・こはるは、震える手を抑えながら「お母さん、さっき…お父さんを殺しました」と衝撃の言葉を口にする。執拗な暴力から子供たちを守るため、彼女は罪を背負うことを選んだのだ。こはるは「十五年経ったら、必ず戻ってくるから」と三兄妹に言い残し、警察へ出頭。そのまま音信不通となった。 ある夜、大樹と園子は営業所に不審な人影を発見する。山登りフル装備の白髪頭の中年らしき女性。それは、十五年ぶりに見る、母・こはるの姿だった。だが、過去の事件によって周囲から誹謗中傷を受け続けた三兄妹のこはるに対する想いは、それぞれだった。こはるの帰りを温かく迎える周囲の人々。一方で、稲村家への嫌がらせが、再びエスカレートする。果たして母と三兄妹は、バラバラになった家族の絆を取り戻せるのだろうか…。
11月8日より、全国ロードショー
【キャスト】佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、音尾琢真、筒井真理子、浅利陽介、韓英恵、MEGUMI、大悟(千鳥)、佐々木蔵之介・田中裕子
【スタッフ】監督/白石和彌
【その他】2019/日本/2時間3分
(c) 2019「ひとよ」製作委員会
極寒の地に取り残された一人の男が 大切な人を守るために一歩を踏み出す
飛行機事故で北極地帯に不時着したパイロット、オボァガードは、壊れた飛行機をシェルターとし、荒野を歩き回り、魚を釣り、救難信号を出して救助を待っていた。ようやくヘリコプターが救助に来たが、強風のために墜落し、女性パイロットは大怪我を追ってしまう。行動しなければ女に未来はなく、自身にも明日は来ないかもしれない。現状の安住を捨て、勇気ある一歩を踏み出すが…。
11月8日より、新宿バルト9ほか、全国ロードショー
【キャスト】マッツ・ミケルセン、マリア・テルマ・サルマドッティ
【スタッフ】監督・脚本/ジョー・ペナ
【その他】2018/アイスランド/1時間37分
公式HP
(c) 2018 Arctic The Movie, LLC.
多くの自殺者を出した韓国金融界の裏側とは 政府を痛烈に批判する衝撃の問題作
経済が右肩上がりの成長を遂げ、好景気が続くと国民の大多数が信じて疑わなかった1997年、韓国銀行の通貨政策チーム長ハン・ シヒョンは通貨危機を予測。しかし、彼女の報告書を踏まえ、政府がようやく非公開の対策チームを招集したときには、国家破産まで残された時間は7日間しかなかった。誰もが耳を疑うような未曾有の危機が迫ったとき、国を守るために政府が下した決断とは。
11月8日より、シネマート新宿ほか、全国ロードショー
【キャスト】キム・ヘス、ユ・アイン、ホ・ジュノ、ヴァンサン・カッセル
【スタッフ】監督/チェ・グクヒ
【その他】2018/韓国/1時間54分
公式HP
(c) 2018 ZIP CINEMA, CJ ENM CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
一度会えば誰もが愛さずにいられない ミュージック・ライフ・ドキュメンタリー
1969年のデビューから50年を迎えた音楽家・細野晴臣。音楽との出会い、「はっぴいえんど」「YMO」、ソロ活動、カンヌ国際映画祭パルムドール作『万引き家族』の音楽を担当するなど、活躍し続ける足跡を追う。今年の台湾、ロンドン、NY、LAでの初海外公演にも完全密着。ロンドン公演では高橋幸宏が参加、坂本龍一も飛び入りし、5年ぶりにYMOメンバーが揃った瞬間は必見だ。
11月1日より、シネスイッチ銀座ほか、全国順次ロードショー
【キャスト】細野晴臣、ヴァン・ダイク・パークス、小山田圭吾、坂本龍一、高橋幸宏、マック・デマルコ、水原希子、水原佑果
【スタッフ】原作/佐渡岳利
【その他】2019/日本
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