NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で一気に注目度が上昇した清涼感あふれる女優の阿部純子さんが主演を務める映画『ソローキンの見た桜』が3月22日より全国公開。舞台は戦争時代だが、物語の軸は“日露戦争時代のロミオとジュリエット”で、壮大な愛が描かれていて歴史を知らずとも見応え満点! 作品の話以外に、趣味や桜にまつわるエピソードも聞いたところ――。。
武田ゆいは常に何が正しいか考えている昔ながらの女性で
──ゆいと桜子の1人2役を演じてみていかがでしたか?「武田ゆいは日露戦争時代、高宮桜子は現代と有り難いことに時代が違っていたので、迷うことなく演じられたんです。ゆいの場合は昔ながらの女性像、桜子は私と同年代なので、社会進出する強い女性像を念頭に置きつつ、役を全うしました」
──本作ではゆいの登場シーンが多いですが、井上雅貴監督からはどんなアドバイスを。
「ゆいは常に自分の心と何が正しいのかを問うている女性だと伺いました。ロシア人と日本人の価値観、どちらが正しいというわけではなく、共存しているのがこの作品。ロシア人との交流を経て新たな価値観を得て世界が広がっていくように感じますが一方、日露戦争で弟を亡くしてもいて、複雑な感情を抱えています。なので、深みのある演技をしてほしいと言われました。例えば演出において、監督が持っている明確なイメージに役者がついていく、ということがあるかと思うのですが、井上監督の場合は、みんなの意見を素材として取り入れた後、キレイに盛りつけるというか。だからこそ、作品も役にも深みが出たのかなと感じました」
──本作での英会話能力もすごかったです。1年間のアメリカ留学経験が活きていますか?
「まだまだ勉強中ですが、こういったお仕事を通じて鍛えられている部分は大きいと思います。撮影現場の会話も英語でしたし。ゆいが惹かれていくソローキン役を演じたロデオン・ガリュチェンコさんと、ロシアと日本の価値観をすり合わせながら台本の解釈を考える過程はすごく刺激になりました」
ソローキンとゆいの恋物語の結末に涙する方もいるかも…
──(ロケ地の)愛媛・松山とロシアはいかがでしたか。「松山では私1人がオフの日があったので、松山城を見たり、道後温泉に浸かって癒やされていました。ロシアではエルミタージュ美術館に行きました。宮殿自体が世界遺産で、住んでいた王女様がいろいろな国の美術品を集めていたので見応えがありました。私、歴史ある地を訪れるのが好きなんです。大阪出身なので京都へ行くこともありますが、東京では美術館や骨董品を鑑賞することもあります」
──宝塚や歌舞伎もお好きですよね。興味を持ったきっかけは。
「宝塚は友人に誘われたことがきっかけです。歌舞伎は留学から戻って日本舞踊を習い始めてから観に行くようになりました」
──多趣味ですよね。インスタグラムにアップしている「♯じゅんこ飯」も毎回、美味しそうです。
「ありがとうございます。お料理をしていると“無”になれるから好きなんです。最近はインスタ映えにハマっていて、食器や配置にもこだわっているんです。食育の勉強も始めたので、もし資格を取ることができたらいつかお料理の映画に出てみたいです」
──作品にちなんだ質問も。桜の思い出を教えて頂けますか。
「すぐに散ってしまう切なさも含め、昔からすごく桜が好きなんです。毎年、春になると千鳥ヶ淵に行って、大好物のいちご大福を食べながらお花見しています(笑)」
──可愛い! 最後に阿部さんが思う本作の魅力を。
「“時代もの”というジャンルではありますが、歴史に詳しくなくても入り込める内容になっているので、日露戦争時代に人々がいかにたくましく生きてきたのかを観客のみなさんにご覧頂きたいです。人と人が出会って純粋に愛し合った恋物語でもあるので、ソローキンとゆいの結末に涙する方もいらっしゃるかもしれません。できれば、ハンカチの用意もお願いします」
INFORMATION
■映画『ソローキンの見た桜』
INFO&STORY
2018年、駆け出しのテレビディレクター桜子(阿部純子)はロシア兵墓地の取材を皮切りにロシアに行くことになっていたが、その仕事に興味を持てずにいた。日露戦争時の愛媛県松山市、ロシア兵捕虜収容所。傷ついたロシア兵捕虜の看護にあたっていた看護師ゆい(阿部純子)は戦争で弟を亡くしたため、心の奥底ではロシア兵を許すことができなかった。そんな思いを知ったロシア軍少尉ソローキン(ロデオン・ガリュチェンコ)は、いつかその悲しみを取り除いてあげたいと心から願っていた。やがて2人は敵国同士という立場でありながら、次第に惹かれあっていく……。
CAST&STAFF
出演/阿部純子 ロデオン・ガリュチェンコ 山本陽子 アレクサンドル・ドモガロフ 六平直政 斎藤工 イッセー尾形ら
監督・脚本・編集/井上雅貴 原案/青山淳平 原作/田中和彦 脚本/香取俊介
配給/KADOKAWA
3月16日(土)から愛媛県で先行公開、3月22日(金)から角川シネマ有楽町ほか全国公開
公式HP
(C)2019「ソローキンの見た桜」製作委員会
PROFILE
阿部純子(あべ・じゅんこ)
1993年5月7日生まれ
大阪府出身
10年、『リアル鬼ごっこ2』でヒロインに抜擢され映画デビュー。14年の『2つ目の窓』で「サハリン国際映画祭」主演女優賞を受賞。近年の映画出演作に『ポンチョに
夜明けの風はらませて』『孤狼の血』『海を駆ける』『サムライマラソン』がある。
公式Instagram
■映画『ソローキンの見た桜』
INFO&STORY
2018年、駆け出しのテレビディレクター桜子(阿部純子)はロシア兵墓地の取材を皮切りにロシアに行くことになっていたが、その仕事に興味を持てずにいた。日露戦争時の愛媛県松山市、ロシア兵捕虜収容所。傷ついたロシア兵捕虜の看護にあたっていた看護師ゆい(阿部純子)は戦争で弟を亡くしたため、心の奥底ではロシア兵を許すことができなかった。そんな思いを知ったロシア軍少尉ソローキン(ロデオン・ガリュチェンコ)は、いつかその悲しみを取り除いてあげたいと心から願っていた。やがて2人は敵国同士という立場でありながら、次第に惹かれあっていく……。
CAST&STAFF
出演/阿部純子 ロデオン・ガリュチェンコ 山本陽子 アレクサンドル・ドモガロフ 六平直政 斎藤工 イッセー尾形ら
監督・脚本・編集/井上雅貴 原案/青山淳平 原作/田中和彦 脚本/香取俊介
配給/KADOKAWA
3月16日(土)から愛媛県で先行公開、3月22日(金)から角川シネマ有楽町ほか全国公開
公式HP
(C)2019「ソローキンの見た桜」製作委員会
PROFILE
阿部純子(あべ・じゅんこ)
1993年5月7日生まれ
大阪府出身
10年、『リアル鬼ごっこ2』でヒロインに抜擢され映画デビュー。14年の『2つ目の窓』で「サハリン国際映画祭」主演女優賞を受賞。近年の映画出演作に『ポンチョに
夜明けの風はらませて』『孤狼の血』『海を駆ける』『サムライマラソン』がある。
公式Instagram
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら
ヘアメイク◎フジワラミホコ(LUCK HAIR) スタイリスト◎岡本さなみ
ヘアメイク◎フジワラミホコ(LUCK HAIR) スタイリスト◎岡本さなみ