「第30回東京国際映画祭」のコンペティション部門に選ばれ、公開前から話題の紗倉まなさん原作の映画『最低。』が11月25日に封切られる。そこで主演・彩乃役を体当たりで演じた佐々木心音さんをお招きし、鬼才・瀬々敬久監督とのエピソードや作品の力点を語ってもらった。
女優として中々経験できないAV女優役と聞き即OKしました
──全裸のみならずさらに際どいヌードシーンも披露していますね。「私は『やります!』と即答でしたけど、AV女優という役を演じたがる女優さんがなかなかいなかったらしいですよ。個人的には女優としてこんなにオイシイ肩書はあまり経験できないと思うんですけどね。実際、今までの中でも深く心をえぐって頂きましたし」
──信頼する瀬々敬久監督とも二度目のタッグを組めましたし。
「瀬々監督のこと私、大好きなんです。可愛らしいけど毒舌で、分かりやすくぶった斬ってくださるので(笑)瀬々監督がニュース番組のコメンテーターをしたら面白そうだなって、お会いするたびに思います」
──今回はどんな指導を?
「衣装合わせの時に『お前は顔がアンパンマンだから、髪を切ったらどうなるか心配だ…』と言われました(笑)役作りの話し合いでも『マリアの乳房』で演じた真生のような、ドスは消していこうという結論に至ったんです。彩乃はAV女優をしているけれど、どこにでもいそうな普通の女子大生なので、少しだけ声のトーンを高くしました」
──彩乃を演じている最中、意識を失い救急車で運ばれたとか。
「どの現場でも毎回、何か必ずあるんですけど障害があるほど私、集中力が増すし燃えるんですよね。たぶん母の遺伝です。母は手をケガした日にピアノを弾いたら、ものすごくノッていましたから(佐々木さんはお母様と音楽ユニットCO906.<こころ>でも活動中)」
──障害で燃えるのは恋愛も?
「恋愛も、普通だとつまらないと思うタイプではありますね。ニオイフェチだから無臭だとつまらない。加齢臭が大好き…って、これって障害ではないですね(笑)」
私のターニングポイント作品スタートダッシュ開始です!
──好きなシーンを教えてください。「彩乃がバーで『人間1回目』とつぶやくシーンです。輪廻転生があるとしたら私はたぶん、女性は初めてだと思うんです。1回目だから女性を知るために、女性全開の仕事をしているのかなと。と、考えてみたら瀬々監督は男性が1回目かなと今、思いました。何度も女性を経験してきたからこそ、あれほどまでに女性を美しく繊細に撮れるのかなと」
──あのシーンは、自分は何回目かってつい考えてしまいます。
「ですよね。ご覧になった方もふと考えてしまうでしょうし、登場人物全員がもがいているので、仕事で悩みを抱えている人は共感して頂けると思います。主役がAV女優という枠を取り払って女性にも観て頂きたいですし、男性は『女性はこんなにも繊細なんだ』と、改めて実感して頂けたらうれしいですね」
──「最低。」という言葉が「最高」に聞こえる現場だったそうですが、最近ご自身の最高な経験は。
「何かとビールを飲んでいる時間が私にとって最高なんです。それほど強くはないんですけど、朝まで飲む日もあります。『酔ったほうが可愛い』と言われたこともありますけど…」
──それは…(笑)公開前から話題ですが、佐々木さんの女優人生でどのような位置づけになると考えていますか。
「この映画は私にとって、ターニングポイントになる作品だと現段階では捉えています。『最低。』って、愛のある言い方もあれば、本気の場合もあるじゃないですか。本気の時期もこの作品を糧に、不器用でもいいから必死に生きていきたいんです。だから今はクラウチングスタート…陸上経験があるのでクラウチングで(笑)今、スタートダッシュが始まった感じですね」
INFORMATION
■映画『最低。』
INFO&STORY
平凡な日常に耐えきれず、新しい扉を開く34歳の主婦・橋本美穂。ギクシャクした関係性の家族たちから逃げるように上京し、AV女優として多忙な毎日を送る25歳の彩乃。奔放な母親に振り回されながらも、絵を描いている時だけは自由になれる17歳の女子高生あやこ。境遇も年齢も性格もバラバラながら、それぞれAVと関わりを持つという共通点のある3人の女たち。ある出来事をきっかけに彼女たちの運命が大きく動き始める…。人気AV女優の紗倉まなの同名小説を、瀬々敬久監督のメガホンで映画化。
CAST&STAFF
出演/森口彩乃・佐々木心音・山田愛奈・忍成修吾・森岡龍・斉藤陽一郎・江口のりこ/渡辺真起子・根岸季衣・高岡早紀
監督/瀬々敬久 原作/紗倉まな『最低。』(KADOKAWA刊)
脚本/小川智子・瀬々敬久
製作・配給/KADOKAWA
公式HP
11月25日(土)より角川シネマ新宿ほか全国公開
(C)2017 KADOKAWA
PROFILE
佐々木心音(ささき・ここね)
1990年5月22日生まれ 東京都出身
舞台出演、音楽活動(ソロ&ユニット)、グラビアモデルと多方面で活躍。主な出演作に映画『フィギュアなあなた』『裸のいとこ』『マリアの乳房』『TOKYO TRIBE』『スキマスキ』『母の恋人』、ドラマ『闇金ウシジマくん Season3』などがある。
公式ブログ
公式Twitter
■映画『最低。』
INFO&STORY
平凡な日常に耐えきれず、新しい扉を開く34歳の主婦・橋本美穂。ギクシャクした関係性の家族たちから逃げるように上京し、AV女優として多忙な毎日を送る25歳の彩乃。奔放な母親に振り回されながらも、絵を描いている時だけは自由になれる17歳の女子高生あやこ。境遇も年齢も性格もバラバラながら、それぞれAVと関わりを持つという共通点のある3人の女たち。ある出来事をきっかけに彼女たちの運命が大きく動き始める…。人気AV女優の紗倉まなの同名小説を、瀬々敬久監督のメガホンで映画化。
CAST&STAFF
出演/森口彩乃・佐々木心音・山田愛奈・忍成修吾・森岡龍・斉藤陽一郎・江口のりこ/渡辺真起子・根岸季衣・高岡早紀
監督/瀬々敬久 原作/紗倉まな『最低。』(KADOKAWA刊)
脚本/小川智子・瀬々敬久
製作・配給/KADOKAWA
公式HP
11月25日(土)より角川シネマ新宿ほか全国公開
(C)2017 KADOKAWA
PROFILE
佐々木心音(ささき・ここね)
1990年5月22日生まれ 東京都出身
舞台出演、音楽活動(ソロ&ユニット)、グラビアモデルと多方面で活躍。主な出演作に映画『フィギュアなあなた』『裸のいとこ』『マリアの乳房』『TOKYO TRIBE』『スキマスキ』『母の恋人』、ドラマ『闇金ウシジマくん Season3』などがある。
公式ブログ
公式Twitter
撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら