「ここまでクレイジーな映画って他にはあまりないと思います。西村監督が『これは恋愛ストーリーだ!』と力説してたので、野田勇次とカヲルの行く末にも注目してください」
大ヒットドラマ『HERO』に「あるよ」とつぶやくバーのマスター役で出演し,お茶の間人気を獲得した俳優・田中要次さんの初主演映画『蠱毒(こどく)ミートボールマシン』。公開前から話題の本作で田中さん演じる野田勇次に想いを寄せられる慈愛に満ちたヒロイン・カヲルを演じた百合沙さんに、作品の裏話や撮影エピソードを伺った。 !
田中要次さんのアドリブに初日から圧倒されました!
──ヒロインのカヲル役はオーディションで決まったそうですが、ご自身で勝因を分析すると。「今回に限らず私、特に他の人と違うことをしようとは意識しないで、普段のままのテンションで受けるんです。オーディションだからといって『よろしくお願いします!キラッ☆』みたいに、ぶりっ子とかもしないんですよ。だから引っかかったのかもしれませんね。あとから西村(喜廣)監督が『自然体で度胸がありそうなところが良かった』とおっしゃっていたので」
──現場でもそのテンションで?
「このままです。今考えると恐縮するんですけど私、スケジュール表を失くしてしまったんです。それで、あろうことか大御所の田中要次さんに『持ってますか?』と聞いたら、あの低い声で微笑みながら『あるよ』と言われて見せて頂きました。田中さんって、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』で、ももクロの百田夏菜子さんと夫婦役を演じていらっしゃるじゃないですか。現場でその話をしたら、『今回の私を含め最近、若い子と密な間柄を演じる機会が多いんだよね〜』と、幸せそうな顔をしてました(笑)」
──百合沙さんは田中さん演じる野田勇次の想われ人ですもんね。初共演してみていかがでしたか。
「ベテランのお芝居に圧倒されました。初日に野田とカヲルが再会するシーンを撮影したんですけど、田中さんがメモを見てるのってアドリブなんですよ。私、笑いそうになってしまって。おかげで肩の力を抜いてお芝居することができました」
西村監督が演じるカヲルをマネて役を完成させました
──本作には斎藤工さんが謎の宇宙人役で出演することも話題です。「ピンポイント的な出演なので、イケメンの無駄使いだと思います」
──あはは〜(笑)カヲルの役作りの方法は。
「インする前の稽古で、西村監督が演じたカヲルを必死にそのままマネし続けて完成させました。だから、地声よりもかなり声のトーンも高いんです。 ピュアで弱々しいカヲルは私とは正反対だから苦心しました」 ──具体的に正反対な部分は。
「劇中である男性に連れ去られそうになるシーンがあるんですけど、カヲルは弱々しい声で助けを求めるんですね。でも私なら『あなたは、どなたですか?』ってきつく睨むと思います。現場でも西村監督に『もっと怖がって!』と指導されました」
──馬乗りになる撮影も大変でしたか。
「あれは私よりも、特殊造形を着て私を乗せていた三元(雅芸)さんのほうが大変だったと思います。私は一度、背中から思いっきり落ちただけで済みましたから。予想以上に大変だったのは、初めてのワイヤー。動いてはいけない場面なのに気づくとクルクル回ってしまうんです」
SXSWには行けないけど海外の反応が今から楽しみ
──ところで先日、『お母さんありがとう』と涙したとのツイートがありましたが、本作とは関係ありますか。「大ありです! この作品がSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)という映画祭に出品されることになったんです。母に報告したら旅費を出してくれると言ってくれて、それで感謝の気持ちで泣いてしまいました。結局スケジュールの都合で行けなくなってしまったんですけど、海外のみなさんの反応を、直に肌で感じてみたかったです」
──お母様は心から百合沙さんを応援してくれていますからね。
「でも、母には『私のおっぱいが出てるから観なくていい』って伝えました(笑)父は観ると思いますけど」
──いやいや1人でも多くの人にご覧頂かないと。というわけでPRを。
「ここまでクレイジーな映画って他にはあまりないと思います。野田さんが警察署から出てネクロボーグ2人が戦うシーン、面白くて私は大好きですし、あの場面でこの作品の仕組みがよく分かるので楽しんで下さい。あと、西村監督が『これは恋愛ストーリーだ!』と力説してたんですけど私、言われて初めて気づいたんですよね。でも、恋愛、変身、涙、笑いとたくさんの要素が詰まったおもちゃ箱のような映画です。ぜひ劇場で臨場感を味わって下さい」
■映画『蠱毒(こどく)ミートボールマシン』
INFO&STORY
借金の取り立て屋をしている野田勇次(田中要次)は、ノルマの額を回収することが出来ず、いつも上司になじられている冴えない50歳の中年男。さらにガンの宣告まで受け、生きる意欲もなくなる中、謎の生命体ユニットに寄生されてしまう。ユニットに寄生された人間はやがて人格を奪われたネクロボーグと化すはずが、勇次はなぜかネクロボーグにはならず、心のよりどころであったカヲル(百合沙)を守るため、次々と現れるネクロボーグたちと戦っていく。バイオレンス・スプラッター『ミートボールマシン』をモチーフに新たに製作された作品で、「シン・ゴジラ」「進撃の巨人」の特殊造形を手掛けた西村喜廣がメガホンを執った。
CAST&STAFF
出演/田中要次・百合沙・鳥居みゆき・川瀬陽太・村杉蝉之介・三元雅芸・しいなえいひ・斎藤工ら
監督/西村喜廣
脚本/佐藤佐吉・西村喜廣
製作/キングレコード
配給/アークエンタテインメント
公式HP
17年、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(C)2017キングレコード
PROFILE
百合沙(ゆりさ)
1992年4月3日生まれ 静岡県出身
百人一首弐段保有のスペイン系ペルーのクォーター女優。映画「HK/変態仮面 アブノーマル・クライス」「教科書にないッ!」「教科書にないッ!2」「イブの贈り物」、ドラマ「火花」などに出演。4月18日からCBGKシブゲキ!!で上演の舞台「星空ハーモニー」に出演。映画『教科書にないッ!3&4』は17年初夏公開。
公式ブログ
公式Twitter
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借金の取り立て屋をしている野田勇次(田中要次)は、ノルマの額を回収することが出来ず、いつも上司になじられている冴えない50歳の中年男。さらにガンの宣告まで受け、生きる意欲もなくなる中、謎の生命体ユニットに寄生されてしまう。ユニットに寄生された人間はやがて人格を奪われたネクロボーグと化すはずが、勇次はなぜかネクロボーグにはならず、心のよりどころであったカヲル(百合沙)を守るため、次々と現れるネクロボーグたちと戦っていく。バイオレンス・スプラッター『ミートボールマシン』をモチーフに新たに製作された作品で、「シン・ゴジラ」「進撃の巨人」の特殊造形を手掛けた西村喜廣がメガホンを執った。
CAST&STAFF
出演/田中要次・百合沙・鳥居みゆき・川瀬陽太・村杉蝉之介・三元雅芸・しいなえいひ・斎藤工ら
監督/西村喜廣
脚本/佐藤佐吉・西村喜廣
製作/キングレコード
配給/アークエンタテインメント
公式HP
17年、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(C)2017キングレコード
PROFILE
百合沙(ゆりさ)
1992年4月3日生まれ 静岡県出身
百人一首弐段保有のスペイン系ペルーのクォーター女優。映画「HK/変態仮面 アブノーマル・クライス」「教科書にないッ!」「教科書にないッ!2」「イブの贈り物」、ドラマ「火花」などに出演。4月18日からCBGKシブゲキ!!で上演の舞台「星空ハーモニー」に出演。映画『教科書にないッ!3&4』は17年初夏公開。
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取材・文/内埜さくら 撮影/おおえき寿一