プロレス×恋愛という、異色のコラボを果たした映画『いたくても いたくても』が12月3日より劇場公開。この2つの要素が絶妙なバランスで織り込まれた秀作のヒロイン葵役を演じた澁谷麻美さんが、映画の見どころと恋愛観や趣味――イチ女性としての素顔も語ってくれました。
短気でヤキモチ焼きな葵と私似てる部分があると思います
──プロレス恋愛活劇と銘打たれてますが、澁谷さんはプライベートでプロレスに興味はありましたか。「実はわりと以前から興味があって、この作品とは関係なく一昨年ぐらいに武藤敬司さんが設立したWRESTLE-1を見に行ったことがあったんです。だから台本を読んだ時、プロレスと恋愛という2つの要素が見事に絡み合っていて面白いな、という印象を受けました」
──では演じた山本葵という女性をどのように捉えましたか。
「とにかく短気な子だな、というのが第一印象でした。『なぜここでこんなに怒るんだろう?』と疑問を覚えるシーンも多かったので、最初は台本を読み込みました。でも台本だけでは文字情報のみに頼ることになるので、台本を1冊丸ごと読んだ音声をICレコーダーで録音して聞き直したりもして。ただ、私も葵みたいにすぐ感情的になることもあるので、少しずつ感情を繋げていくことができました」
──澁谷さんが短気?意外です。美術館がお好きなのでとても穏やかな方というイメージでした。
「美術館は特に日本画が好きなんです。頭がいっぱいになった時に絵と対話すると、シンプルな状態に戻れるから行きますけど、穏やかなんて私の友だちが聞いたらびっくりしますよ(笑)私、喜怒哀楽の“怒”と“哀”の沸点が低いみたいなんです。加えて、葵と同じようにヤキモチ焼きかもしれないなと、演じてみて感じました」
──それも意外すぎます…!
「葵と恋人の星野(健)は同じ会社に勤めて、葵の家で同棲しているんですね。2人で1つの世界を共有する時間が多かったんです。でも、星野がプロレスに真剣に取り組んだことで、2つの世界に別れてしまって、葵は不満と不安を持つ。そういう揺れる女心は、理解できますから」
女の恋心が描かれてるので女性にも観て頂きたいです
──ちなみにイチ女性として、葵に想いを寄せる吉家翔琉さん演じる戸田明彦と星野、どちらがタイプですか。「不器用な人が好きなので、星野ですね。でも私は、自分との時間を別のことに割かれてしまったら拗ねると思います(笑)何度かぶつかって、少しずつ理解していくとは思いますけど」
──葵はその感情を怒りで表現しますが、演じる上で堀江貴大監督に相談はしたのでしょうか。
「堀江監督は男性ですから、監督に聞くより自分の中で咀嚼することを優先しました。現場で監督は、いつも楽しそうな顔をしていらっしゃったことが今も記憶に残っています。堀江監督はいろんなタイプの俳優を一緒くたにしてお芝居をさせるのが上手で、かつ楽しめる方でした」
──映画になぞらえた質問も。心に痛みを覚えた時の対処法は?
「家でじっとしています。そういう時、街中に出て誰かと肩がぶつかっただけで悲しくなったり寂しくなったりするので。ただ、気持ちが乗っている時と比べて地に足がついている状態とも言えるので、自分を正す時間と捉えて雑に扱わず、丁寧に過ごすでしょうね。あまりにも長く続いたら、(趣味の)ダンスを無心で踊って、カラダを動かして気持ちを引っ張るかもしれません」
──ありがとうございます。最後に作品のアピールを今一度お願いします。
「一見すると男性向けの映画ですし、プロレスは見応え抜群なので男性は楽しめると思います。ですが実際は女性が恋人とどうやって世界をシェアしてつき合っていくかも描かれていて、私は“女の映画”にしようと意識して演じたので、女性のみなさんにもぜひ観て頂きたいですね」
INFORMATION
■映画『いたくても いたくても』
INFO&STORY
通販会社の映像製作部門で働く星野(嶺豪一)は、社長の坂口(坂田聡)が突如立ち上げたプロレス同好会に無理矢理参加するはめに。星野のファイトスタイルに肩入れするようになった坂口は、プロレスと通販番組を融合させた新番組をスタートさせ、星野はレスラーとして番組に出演。同僚で、恋人でもある葵(澁谷麻美)は、楽しそうにプロレスに興じる姿を受け入れることができず、戸惑いを感じていた。しかし、今まで陽の当たらない人生を送っていた星野にとって、プロレスのリングは唯一の輝ける場所だった…。
CAST&STAFF
出演/嶺豪一・澁谷麻美・吉家翔琉・坂田聡・大沼百合子・芹澤興人ら
監督/堀江貴大 脚本/堀江貴大・木村孔太郎
製作/東京藝術大学大学院映像研究科 配給/トラヴィス
公式HP
12月3日(土)から渋谷ユーロスペースにてレイトショー
(C)東京藝術大学大学院映像研究科
PROFILE
澁谷麻美(しぶや・あさみ)
1987年8月21日生まれ 鹿児島県出身
14年公開の主演映画「螺旋階段」(草野なつか監督)が話題に。本作で第16回TAMA NEW WAVEにて主演女優賞を受賞。近年の出演作に映画「潔く柔く」「真夏の方程式」、ドラマ「ふれなばおちん」「ラブラブエイリアン」「黒い十人の女」などがある。
公式ブログ
公式Twitter
■映画『いたくても いたくても』
INFO&STORY
通販会社の映像製作部門で働く星野(嶺豪一)は、社長の坂口(坂田聡)が突如立ち上げたプロレス同好会に無理矢理参加するはめに。星野のファイトスタイルに肩入れするようになった坂口は、プロレスと通販番組を融合させた新番組をスタートさせ、星野はレスラーとして番組に出演。同僚で、恋人でもある葵(澁谷麻美)は、楽しそうにプロレスに興じる姿を受け入れることができず、戸惑いを感じていた。しかし、今まで陽の当たらない人生を送っていた星野にとって、プロレスのリングは唯一の輝ける場所だった…。
CAST&STAFF
出演/嶺豪一・澁谷麻美・吉家翔琉・坂田聡・大沼百合子・芹澤興人ら
監督/堀江貴大 脚本/堀江貴大・木村孔太郎
製作/東京藝術大学大学院映像研究科 配給/トラヴィス
公式HP
12月3日(土)から渋谷ユーロスペースにてレイトショー
(C)東京藝術大学大学院映像研究科
PROFILE
澁谷麻美(しぶや・あさみ)
1987年8月21日生まれ 鹿児島県出身
14年公開の主演映画「螺旋階段」(草野なつか監督)が話題に。本作で第16回TAMA NEW WAVEにて主演女優賞を受賞。近年の出演作に映画「潔く柔く」「真夏の方程式」、ドラマ「ふれなばおちん」「ラブラブエイリアン」「黒い十人の女」などがある。
公式ブログ
公式Twitter
撮影◎大駅寿一 取材・文◎内埜さくら