「大切な人と観てもらうのが一番オススメ。家族でも恋人でも、観終わったら大切な人を大切にして、優しくありたくなるストーリーです」
日本を代表する二大怪獣ゴジラとガメラを手掛けた、現在において唯一の監督として世界的に有名な金子修介監督がメガホンを執った最新作『百年の時計』。 四国・香川を舞台に人と人との交差が奇跡の出会いを生む、心が温まるストーリーだ。長編映画初主演となる木南晴夏さんの恋人役として出演した「獣拳戦隊ゲキレンジャー」の主役としても知られる俳優の鈴木裕樹さんに、作品について聞いた。意外な過去についても語ってくれてます。
故郷にいたなら僕も健治と同じ人生を歩んでいたかも
──劇中で演じた健治は、どんな男性ですか。「僕と似てますね。フツーの男のコですよ。僕も地元の岩手を出ずにあのまま暮らしてたら、健治のような人生を送っていたんだろうなあと思います」
──小さい頃は学校の先生になりたかったそうですね。
「祖父が小学校の校長先生をしてたんですよ。田舎だと校長先生はその土地の名士ですから、小さい頃から『校長先生の孫だべー』って近所の人にしょっちゅう言われていたし(笑)子ども好きなこともあって、自然と目指してましたね。健治も同じだと思うんですよ。何が何でも電車の運転士になりたかったわけじゃなくて、ただ選んだ道がそれだった。僕もそれほど苦労せず大学に入れたから、あのままいけば4年で卒業して、学校の先生になって、結婚して子どもを育てて…そんな人生を送っていたはずです」
──でも、大学生の頃にお笑い芸人を目指してましたよね?
「あれは仲間うちのカリスマ的存在の友だちに誘われたからなんですよ。500人ぐらい入る仙台の公民館で、10組中の1組としてライブもしました。女子高生のファンにキャーキャー言われたりしてね(笑)でも、売れなかったら誘った相手のせいにしてしまう、売れても相手は活躍できるだろうけど、自分は生き残れないだろうと判断して途中で辞めたんです」
胸を張るにはまだでも芸人諦めて役者で正解だった…
──そして俳優を目指しますが、今の職業に就いて正解ですか?「芸人を辞めた時が人生初めての挫折で、僕にとってはターニングポイントかなと今は思うんですけど、よかったんじゃないですか、この道で。もっとちゃんと胸を張って『役者で食ってます!』と言うにはまだまだですけど、こういう映画にも出られましたし。自分が出てる作品を観て初めて涙したんですよ。時を超えて封印されていた物語が人との出会いによって再び動き出す…。監督とも話してたんですけど、すごく“映画らしい映画”なんですよね」
──“ことでん”の運転士役は難しかったですか。
「撮影中は本物の運転士さんが横についていてくれたので、安心して演じられました。でも、健治役が決まってからは、電車に乗ると運転士さんが気になって仕方ありませんでしたよ。どこを見据えてるんだろう? とか、『よ~し!』と指差してる時は何をチェックしてるんだろう、とか。監督からの指示もあり運転手の仕草などに気を付けたつもりです」
“時間”がテーマの映画!大切な人と観てほしいです
──木南晴夏さんが演じた涼香とは恋人役ですよね。「木南さんのおかげでやりやすかったから、リラックスして臨めました。観て頂くと分かりますけどあの2人の掛け合いは微笑ましいですよ」
──映画はどんな人に観てもらいたいですか。
「大切な人を想う“時間”がテーマなので、大切な人と観てもらうのが一番オススメです。家族でも恋人でも、観終わったら大切な人を大切にして、優しくありたくなる内容なので」
──心が温まるストーリーですが鈴木さんが最近、心が温まったエビソードは?
「兄の子ども、甥っ子といる時が心温まりますね。煌河って名前は、僕が付けたんですよ。今1歳10ヶ月ぐらいかな? この前は2月に会いましたけど『チューは?』って聞くと、必ずほっぺにチューしてくれるんです。可愛くてたまらないですね」
INFORMATION
■映画『くちづけ』
INFO&STORY
美術館で学芸員として働く涼香(木南晴夏)は、憧れの芸術家・安藤(ミッキー・カーチス)の回顧展を担当することに。しかし年老いた安藤は創作意欲を失っており、回顧展にも消極的だった。大切にしている懐中時計の前の持ち主が見つかれば新しいアートが生まれるかもしれないという安藤のため、人捜しを引き受ける涼香。父親でタクシー運転手の邦男(井上順)や地元を走る高松琴平電気鉄道の運転士で恋人の建冶(鈴木裕樹)の力を借りながら、街のあちこちに残る記憶をたどり、少しずつ手がかりを得ていく。やがて涼香は、100年前からときを刻む懐中時計にまつわる悲しい恋の物語を知る…。「ことでん」の愛称で全国の鉄道ファンから親しまれる香川県・高松琴平電気鉄道の路線開通100周年を記念し、オール香川ロケで撮影された感動作。
CAST&STAFF
出演/木南晴夏 ミッキー・カーチス 中村ゆり 鈴木裕樹 木内晶子 岩田さゆり 近江陽一郎 宍戸開 水野久美 井上順ら
監督/金子修介
脚本/港岳彦
製作/さぬき地産映画製作委員会
配給/太秦 ブルー・カウボーイズ(香川県)
公式HP 5月25日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー
(C)さぬき地産映画製作委員会/真鍋康正 小松尭 大久保一彦 金子修介 金丸雄一
PROFILE
鈴木裕樹(すずき・ひろき)
1983年10月3日生まれ 岩手県出身
テレビドラマや、映画、舞台等で活躍。D-BOYSのメンバーでもある。主な出演作はドラマ&映画「獣拳戦隊ゲキレンジャー」「ゲゲゲの女房」「太陽は待ってくれない」、舞台「クールの誕生」など。映画は近作に、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」「ひまわり」などがあり「体脂肪計タニタの社員食堂」は5月25日公開、「俺たちの明日」は今秋公開予定。6月2日まで東京・紀伊國屋サザンシアターで上演の舞台「うかうか三十、ちょろちょろ四十」に出演中。
公式ブログ
■映画『くちづけ』
INFO&STORY
美術館で学芸員として働く涼香(木南晴夏)は、憧れの芸術家・安藤(ミッキー・カーチス)の回顧展を担当することに。しかし年老いた安藤は創作意欲を失っており、回顧展にも消極的だった。大切にしている懐中時計の前の持ち主が見つかれば新しいアートが生まれるかもしれないという安藤のため、人捜しを引き受ける涼香。父親でタクシー運転手の邦男(井上順)や地元を走る高松琴平電気鉄道の運転士で恋人の建冶(鈴木裕樹)の力を借りながら、街のあちこちに残る記憶をたどり、少しずつ手がかりを得ていく。やがて涼香は、100年前からときを刻む懐中時計にまつわる悲しい恋の物語を知る…。「ことでん」の愛称で全国の鉄道ファンから親しまれる香川県・高松琴平電気鉄道の路線開通100周年を記念し、オール香川ロケで撮影された感動作。
CAST&STAFF
出演/木南晴夏 ミッキー・カーチス 中村ゆり 鈴木裕樹 木内晶子 岩田さゆり 近江陽一郎 宍戸開 水野久美 井上順ら
監督/金子修介
脚本/港岳彦
製作/さぬき地産映画製作委員会
配給/太秦 ブルー・カウボーイズ(香川県)
公式HP 5月25日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー
(C)さぬき地産映画製作委員会/真鍋康正 小松尭 大久保一彦 金子修介 金丸雄一
PROFILE
鈴木裕樹(すずき・ひろき)
1983年10月3日生まれ 岩手県出身
テレビドラマや、映画、舞台等で活躍。D-BOYSのメンバーでもある。主な出演作はドラマ&映画「獣拳戦隊ゲキレンジャー」「ゲゲゲの女房」「太陽は待ってくれない」、舞台「クールの誕生」など。映画は近作に、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」「ひまわり」などがあり「体脂肪計タニタの社員食堂」は5月25日公開、「俺たちの明日」は今秋公開予定。6月2日まで東京・紀伊國屋サザンシアターで上演の舞台「うかうか三十、ちょろちょろ四十」に出演中。
公式ブログ
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一