日本の漫画史上最悪のペンネーム!?
名前も作風もド下ネタなマンキツ先生の素顔に迫る!
弟の包茎手術に、夫のオナニーの目撃談、足フェチサイトのモデルやキャバクラでの自身のバイト体験……。下ネタを中心に、身の回りのゲス話を描いた漫画ブログが注目を浴びているマンガ家・まんしゅうきつこさん。今回のインタビューでは、そのヒドすぎる名前の誕生秘話や、マンガ家になるまでの経緯など、謎に包まれた本人の来歴に踏み込んだ!顔写真は非公開なので、手元の写真でご勘弁を。
『ドラゴンボール』の悟空とチチの結婚には悔し泣きしましたね
──『東京都北区赤羽』作者・清野とおるさんの勧めで漫画ブログを始められたそうですね。「清野さんはもともと弟の友達で、一緒に飲んだときに勧められて。去年の5月に試しに描き始めてみました」
──まだ半年なんですね!すぐブログは話題に?
「2回目の投稿の、素人童貞の男友達にオッパイを揉ませてあげた話がネットで大きな話題になったんです。ツイッターのフォロワーも100人弱から一気に2000人に増えました。その彼からは『クソババア』というツイートとともにブロックされて、電話も着拒されましたけど(笑)」
──昔からマンガ家志望だったんですか?
「いえいえ。絵を描くのは好きでしたけど、子どもの頃はムツゴロウ王国で働くことが夢でした」
──今のお名前からは想像つかない話ですね(笑)。マンガを読むのも好きだったんですか?
「昔は『ドラゴンボール』の孫悟空が好きすぎて、チチと結婚したときには悔し泣きしてました(笑)。でも伊集院光さんや大槻ケンヂさんのラジオをきっかけに、『ガロ』などを読むようになり、たま、電気グルーヴなども好きになって。高校時代はたまのコスプレもしていました(笑)。大学は北大の獣医学部へ行きたかったのですが、結局は日大の芸術学部に進みました」
──一気にサブカル的な方向に進んでいったわけですね。それでマンガ家を目指そうと?
「たまたま読んだ『スピリッツ』で江川達也さんが『男女・経験問わず』という条件でアシスタントを募集していて、イラストを描いて応募したら採用されたんです。でも、アシスタントの仕事が忙しすぎて留年してしまい、1年ほど続けた後で、卒論のために休ませてもらうことにしました」
旦那からは「その名前で活動していることは、絶対ご近所さんに言うな!」と言われています
──それで卒業後に、アシスタントに復帰して…。「いえ、父親の紹介で、プラネタリウム施設に就職しました。星とか全く興味なかったんですけど、ギリシャ神話をもとに脚本と絵を描いたり、子どもやカップル相手に解説で喋ってたりしていました。その仕事を4年で辞めてOLになり、今の夫と結婚して、すぐに家出して実家に戻り……」
──いろいろ展開が急ですね(笑)
「その時期に父の会社が倒産したこともあり、一時はブログでも描いた足フェチサイトの写真モデルや、キャバクラのバイトもしていました。それで別居解消後は普通の主婦に戻ったんです」
──その後。30歳で投稿した作品がちばてつや賞を獲得もデビューはならず、昨年にブログで話題が沸騰と…。雑誌で連載も始まる予定だそうで、半年ですごい反響ですよね。
「でも基本は主婦なので、犬猫の世話にお掃除、庭のモッコウバラの手入れとかもう大変で…」
──家族も応援してくれているんですか?
「旦那には『絶対ご近所さんに言うな!』と言われてます。旦那のお母さんも私がマンガを描いてるのは知ってますが、名前や内容は知りません」
──そもそもなぜ、そんな名前にしたんですか?
「以前からツイッターで、就活中の女子大生のフリをして遊んでいたんですけど、オッサンから変なリプライが届くのが、いい加減面倒になってきて。それでこの名前に変えたら、一気に男が消えていきました(笑)。肉親からも出版社からも『名前を変えろ!』と何度も言われてるんですけど」
──今後の目標は?
「そうですね…。家事も大変なので、マンガのネタが切れたら主婦に戻ろうかと思います(笑)」
PROFILE
まんしゅうきつこ
漫画家。2012年5月に開始した自身のブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」のエッセイ風マンガが大きな話題を呼び、『本当にあった笑える話』『サイゾー』などの雑誌にも作品が掲載。近々、『週刊SPA!』などの雑誌で連載開始予定。
公式ブログ
まんしゅうきつこ
漫画家。2012年5月に開始した自身のブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」のエッセイ風マンガが大きな話題を呼び、『本当にあった笑える話』『サイゾー』などの雑誌にも作品が掲載。近々、『週刊SPA!』などの雑誌で連載開始予定。
公式ブログ
取材・文/古澤誠一郎