「３年間オーディションを受け続けてやっと受かったんですよ（笑） それがセレソンの解散公演ですから、間に合ってよかったですよホント」

著名な俳優陣が一度は出てみたいと熱望する東京セレソンデラックスが、10月３日から上演される舞台「笑う巨塔」を持って解散！　チケット売り切れ必至の本公演に代議士秘書役として出演する俳優の駿河太郎さんに、作品の話を聞きました。意外と苦労人の駿河さんの仕事観や過去の人生経験も学べる点が盛り沢山のインタビューです!!
──駿河さんは俳優活動を始めて半年以上、オーディションに落ち続けたんですよね。
「だから２年前まで週５でバイトしてましたよ。最後は電話受信のバイト。僕の仕事が増えるのと職場がクローズするタイミングが重なったから、これを機にどこまでいけるかやってみようと決意して、バイトを辞めたんです。蓄えを切り崩してギリギリで生活していた時期もありましたね」

──俳優業で生活できるようになるまで、精神的に追い詰められたりは…。
「しなかったですね。仕事に何を求めるかっていう優先順位を常に忘れないようにしているんです。仕事って何やってもしんどいやないですか。だから僕は、好きな仕事以外は金と時間の融通があれば、他は全部我慢するって決めてたんです。面接の時に全部、言ってましたよ。バイトは金のためです、でも最善は尽くしますって」

──その努力が実って本公演にも出られるわけですね。
「でも実は、３年間オーディションを受け続けてやっと受かったんですよ（笑）１年目は書類選考で落ちて、２年目は演技審査で落ちて。３年目の今回、初めて最終審査まで行ってやっと合格。それがセレソンの解散公演ですから、間に合ってよかったですよホント。コッシー（越村友一）がいたから僕が受かったんだと思いますけどね」

──というのは？
「最後のワークショップでコッシーと練習してるうちに、やるだけやって『オーディションに落ちたらしゃーない。それよりも楽しまんと』と考えを改めることができたんです。だから普通に演じたら面白みのない僕の役を、気がふれたようなキャラに作り変えて、本番ではコッシーとセリフを読み飛ばしても気にせず（笑）アドリブ試合をして。彼がキワモノだから僕も振り切ることができたんで、だから受かったのは彼のおかげかな、と」

──ほかにもオーディションに受かる秘訣はありますか。
「俳優活動を始めて半年後ぐらいに、一眼レフカメラのＣＭのオーディションを受けたんです。周りはイケメンモデルばっかり。無理でしょう！　と思ってたのに結果、僕が採用されたんです。監督に理由を聞いたら、着ていた洋服が似合っていたからだ、と。僕、人とかぶらない、流行りにのらない洋服が好きで。それが気に入ってもらえたということは、今までは見栄を張りすぎて無理してた証拠やから、そういう自分を捨ててから、受かるようになりましたね」

──小誌読者が夢を叶えられるようアドバイスを頂けますか。
「夢があるのにはじめから無理だって諦めるのって、もったいないですよね。自分の可能性を自分で捨ててるようなもんですから。とにかく最初の一歩を踏み出す。それだけは絶対にしてほしいです」

──駿河さんは父親でもありますが、お子さんにも同じ教育を？
「人にされたら嫌なことはしない、夢中になれるものを必死で探してほしい、これが僕の教育方針です。怒る時は怖いですよ。目を睨みながら、３、２、１……ってカウントダウンしてる最中に言うことを聞かないと、大変なことになります（笑）」

──最後に舞台のＰＲを。
「芦名星ちゃんがあんなことに…、プラス、斎藤工くんがそんなことを…僕は……別に」

──あはは！　宅間さんの演出は厳しいと評判ですが。
「この年で人から怒られるって、あまりないしそれがセレソンの味やから、怒られるのも楽しみですね」