二郎「モテるようになったのは、有名じゃなくてもライブとかでどんどん優勝して、今やってることが上手くいってるんだと確信できた時。女の子を誘える自信がついたんです。ライブを観に来りゃこっちのモンですからね(笑)」
松田「売れない時代、食えない時期に、先輩に電話しまくってたらダブルブッキングしちゃって、一晩で寿司を2回、食べたこともありましたね。全然売れてもいないのに『寿司、飽きたな』なんて言い合ったりしてね」
「自分はテレビタレントではない。芸人だから舞台に立てる吉本興業を選んだんです」(ハチミツ二郎)に対して「テレビに出たい。その気持ち一本でやっています」(松田大輔)という、正反対のビジョンを持つ二人。そんな東京ダイナマイトが織り成す公演『COMEDIAN GOD』がDVDとしてリリースされる。二人はそこで、どんな“笑いの神様”を降臨させたのか? 苦渋の時代を味わいつつも、着々と実力を積み重ねてきた彼らだからこそ生み出せる笑いのツボに密着!
1席価格が最高1万円で話題を呼んだ、ライブ『COMEDIAN GOD』。「芸人のライブDVDを持っていない人にこそ買って観てほしい」とお二人が語る通り、テレビでは決して観ることができないネタのオンパレード。しかも1ネタ30分なのに時間を忘れて没頭してしまうほど面白い! 「食えない時代もあった」と語る彼らが、お笑いに対して持つ信念とともに紹介する。いつもは素顔をあまり明かすことがない、松田大輔さんのプライベートトークもぎっしり詰まってます!!
真逆の夢を掲げ突き進む“反逆の異端児”コンビの明日はどっちだ!?
──6年半ぶりの再登場ありがとうございます! 前回は松田さんの「女性に土下座してもやらせてもらえなかった」というエピソードが印象的でした(笑)松田「離婚してから年々、女性が怖くなって、今はどっちかって言うと男性に興味がある段階ですね」
二郎「最近この人、プライベートでカルーセル麻紀さんとばっかり遊んでるんですよ。この前も一緒にワイン飲みに行ってたし」
松田「カルーセルさんには土下座してもやらせてくれない女性とは違って、包み込む優しさがあるんで。あの方は男性が作り上げた理想の女性像みたいなもんですよ」
──今日はお二人に、モテる方法も聞きたかったのですが…。
松田「僕は、思いっきりモテないんで…一緒に飲んだりすると、そのコの悪口を目の前で言っちゃうんですよ。『どうせスケベなんだろ?』とか『やらせろ』とか」
二郎「で、断られると急にお前呼ばわり。最初は敬語なんですけど、早めに失礼な言葉が出るから、好みのコがいるとすぐ分かるし、展開が早いんです(笑)」
松田「結局2~3日後にやらせるんなら今やらせろよ、ってことですよ。いつやったって同じじゃねーかよ! って言うとだいたい、相手が『もういい!』と怒って先に帰りますね」
二郎「松田さんのように『やらせろ』といかに言わずして口説くかが男の命題なんですけどねぇ。10代後半から20代前半の女性ってイケメンが好きじゃないですか、やっぱり。で、そこで二股かけられたりヒドイ目に遭って〝美女と野獣〟の論理に気づいたところをスッとすくっていくだけです、僕は。簡単な作業です。あとは、モテるかどうかは仕事とも関係していると思いますよ」
──というのは?
二郎「唯一モテなかった時期は、この仕事を始めた20~22歳の頃。当時は芸人になれるかどうかも分からないし、バイトもせず金もありませんでしたから、そういう時はやっぱりモテようがないですよね。モテるようになったのは、有名じゃなくてもライブとかでどんどん優勝して、今やってることが上手くいってるんだと確信できた時。女の子を誘える自信がついたんです。ライブを観に来りゃこっちのモンですからね(笑)だから、何もないと難しいんでしょうね。自信を持っている姿を見せられるような瞬間がないと」
松田「それは一理ありますね。昔は僕、もっとモテなかったですからねぇ。芸人が一番長く続いた仕事で、売れない時のバイトはほぼバックレてますから。寿司屋の配達もガソリンスタンドも、何も言わずに辞めたから、それじゃモテようがないですよね」
二郎「それじゃ、今でもタイムカードあるんじゃない?(笑)」
舞台で勝負して行くんで、早く師匠になりたいです。真打昇進的に、襲名披露とか勝手にやっちゃおうかな。そうしたら世間も『あっ、なったんだ』って認識してくれるかもしれないし(笑)
──売れない時代、お二人はどういった生活をしていましたか。二郎「金はないけど食えないっていうのはなかったんですよ、オレたち。お腹が空いたらオレと松田さんでケータイ出し合って、片っ端から『ご飯連れて行って下さい』って言うと、誰かしらいたんで」
松田「先輩に電話しまくってたらWブッキングしちゃって、一晩で寿司を2回食べたこともありましたね。売れてもいないのに『寿司、飽きたな』なんて言い合ったりしてね」
二郎「芸人になってから10年ぐらい食えなくて、周りが結婚したり家を買ったと聞いた時は、いつになったらテレビに出られるのか、売れたと実感できるのかと考えたことはありますけど」
松田「当時はポケットに1000円も入ってなかったですからね」
──それでも芸人を続けた理由は?
二郎「続けるという覚悟だけ、辞めないかどうかだけです。芸歴10年目の5月に初めてテレビに出て、その年末にMー1で決勝まで進んだことも、もちろん大きな要因ですけど」
松田「ただね、食えるようになった後が、芸人の真のしんどい時期でもあるんですよ」
二郎「オレたちは食えなくても優勝したり、単独ライブの動員が増えたから続けられましたけど、近頃は食えなくても続けるヤツが何千人といますからね。やっと食えるようになった後は、そいつらが本当にうっとおしい(笑)」
──でも、お二人のライブDVD、本当に面白かったですよ。一人で観たから笑いたくないのに、大声で笑ってしまいました。
二郎「そういう人のために作っているんで、芸人のライブDVDを1本も持っていない人にこそ、笑いへの入り口として買って観てほしいですね。時代の流れ的に、テレビだと1~2分のネタが主流ですけど、オレたちは1本30分のコントを2本という構成だから、じっくりと観られると思います」
松田「誰が観ても1回も笑わない、ことはありませんから、騙されたと思って観てもらえれば」
二郎「『ぐりとぐら』のようなメルヘンチックなコントもありながら、バイオレンスな要素も盛り込まれてますから。要はバランスなんですよ。舞台って結局、オレの頭の中にあるものを表現しているんですけど、メルヘンとバイオレンスのパッケージでオレはモテてきたようなもんなんです。そして松田さんは、何も知らずにオレの押し付けを1つずつ演じていくという。松田さんの台詞が3000文字なのに、オレは50文字っていうコントもあるのに気づかない」
松田「だってそれはほら、タレントを目指す僕としては、その程度の台詞はドラマだったら覚えなくちゃいけないから」
バラエティとか旅番組のような、ミーハー感、メジャー感たっぷりのテレビに出て、『よくテレビに出てるね』と言われたい。売れたら女の子もすぐやらせてくれるでしょ!!
──えっ。お二人はライブをメインに活動していく予定では?二郎「それはオレだけですよ」
松田「僕は女性芸能人がトークを引っ張ってくれるバラエティとか旅番組のような、ミーハー感、メジャー感たっぷりのテレビに出て、『よくテレビに出てるね』と言われたいんです。売れたら女の子もすぐやらせてくれるだろうし。どうしたらテレビに出られるか。そればっかり考えてますね」
二郎「だから松田さんはDVDの発売日も知らないですよ」
松田「いつですか? 1月に発売されちゃってたりして?」
二郎「そんなに早く出せるワケないでしょ! 2月27日! その日はももクロの4枚同時リリースとかぶってるから、どう間違って買わせるかって今からオレは考えてるのに」
──そんな二郎さんの野望は?
二郎「早く師匠になりたいんです。真打昇進的に、襲名披露とか勝手にやっちゃおうかな。そうしたら世間も「あー、なったんだ」って認識してくれるかもしれないし(笑)」
松田「師匠は、いいね。ギャラも上がるし」
──今日は普段は見られない松田さんの素顔が覗けて楽しかったです。
二郎「この人は何を考えているのか分からないぐらいで、ちょうどいいと思うんですよ。ただ、謎が多くてまず真冬の今、日焼けしている理由が分からない…」
松田「海外に遊びに行っただけなんですよ。パラオにね」
二郎「なんで意味もなくパラオに行っちゃうんだよ! オレがちょっと危ない部分を残したキャラをこなしていくはずなのに、リアルに危ないヤツがいますよ、ココに!」
「自分たちはまだ教えられる立場ではないかもしれない、芸人道を尽き進んでいくだけです」という姿勢を無言のうちに体からにじませながらも、舞台さながら漫才やコントのように軽妙なテンポで、難しくなりがちな話を分かりやすく話してくれました。自身のポジションを冷静に見極め静かな闘志を燃やすお二人の今後も、要注目です!
INFORMATION
DVD『東京ダイナマイト 単独ライヴ COMEDIAN GOD』
INFO
1万円のロイヤルプレミアムシートも話題を集めた、12年11月30日に東京・ルミネtheよしもとで開催の東京ダイナマイト結成10周年ライヴ「COMEDIANGOD」を収録。結成から10年の想いをのせた渾身のライヴがここに!【収録コント】「ぐりとぐら」「領収書」「なめこJAPAN女子プロレス2012」「歯医者」「BAR」「料理屋」「最初褒めてるのかと思ったら途中から怒る人」「フーターズ」「COMEDIAN GOD」「じろ散歩」。特典映像で10周年おもしろクイズコーナー、東京ダイナマイト10周年お祝いコメントが収録されている。
DVD『東京ダイナマイト単独ライヴ COMEDIANGOD』は2月27日によしもとアール・アンド・シーからリリース。3990円(税込)
(C)2013吉本興業
PROFILE
【東京ダイナマイト】
松田大輔(まつだ・だいすけ)
1977年3月2日生まれ 岐阜県出身
ハチミツ二郎(はちみつ・じろう)
1974年11月20日生まれ 岡山県出身
01年結成、松田大輔(ボケ)とハチミツ二郎(ツッコミ)によるお笑いコンビ。松田のシュールなボケにハチミツがクールなツッコミを入れる形式の漫才やコントが持ち味。04年、09年に「M-1グランプリ」決勝に進出するなど、実力派コンビとして活躍。バラエティ番組を中心に活動するほか、精力的にライブ出演している。
公式Twitter
DVD『東京ダイナマイト 単独ライヴ COMEDIAN GOD』
INFO
1万円のロイヤルプレミアムシートも話題を集めた、12年11月30日に東京・ルミネtheよしもとで開催の東京ダイナマイト結成10周年ライヴ「COMEDIANGOD」を収録。結成から10年の想いをのせた渾身のライヴがここに!【収録コント】「ぐりとぐら」「領収書」「なめこJAPAN女子プロレス2012」「歯医者」「BAR」「料理屋」「最初褒めてるのかと思ったら途中から怒る人」「フーターズ」「COMEDIAN GOD」「じろ散歩」。特典映像で10周年おもしろクイズコーナー、東京ダイナマイト10周年お祝いコメントが収録されている。
DVD『東京ダイナマイト単独ライヴ COMEDIANGOD』は2月27日によしもとアール・アンド・シーからリリース。3990円(税込)
(C)2013吉本興業
PROFILE
【東京ダイナマイト】
松田大輔(まつだ・だいすけ)
1977年3月2日生まれ 岐阜県出身
ハチミツ二郎(はちみつ・じろう)
1974年11月20日生まれ 岡山県出身
01年結成、松田大輔(ボケ)とハチミツ二郎(ツッコミ)によるお笑いコンビ。松田のシュールなボケにハチミツがクールなツッコミを入れる形式の漫才やコントが持ち味。04年、09年に「M-1グランプリ」決勝に進出するなど、実力派コンビとして活躍。バラエティ番組を中心に活動するほか、精力的にライブ出演している。
公式Twitter
Interview&Text/内埜さくら Photo/おおえき寿一