TikTokで総再生回数3500万回超、YouTubeでの「ウエストランド井口さんの歌」は180万回超と大バズりで人気沸騰中のアイドル鳥越さん。中毒性のある楽曲とダンス、M-1王者・ウエストランド井口浩之さんの顔マネ動画は〝とりちゃん〟を一躍、人気者に引き上げた。話題の音源誕生秘話から、ものまねレパートリーの話、芸人の道に進んだ経緯、二刀流での音楽活動、アルバイトでの〝やらかし〟エピソードまで聞いてきました。
『ご本人と〝ウエストランド井口さんの歌〟で一緒に歌って踊るのが目標です』
軍団率いるホリさんの後押しもあり井口さんの顔マネしてみたら…
──3月31日放送の「ネタパレ70分SP」で披露されるのは?「井口!(笑)♡をつけて。呼び捨てしちゃったけど敬意を持っているので」
──井口さんの顔マネ動画が大バズりしてます。
「昨年のM-1でウエストランドさんが優勝した時に、おめでとうDMが殺到したんです。どういうイジリ?と思ったら『井口さんに似てますよ』と。失礼だなって。それを周りのものまね芸人の方に言ったら『一度やってみようよ』とメイクをしたら似てる!と。で、SNSに載せたらドバっといいねがきて。ホリプロコムものまね軍団の早川知里さんが手伝ってくれてホリさんや河口こうへいさんのお墨付きもあったのでツイッターに投稿したんです。ホリさんとは『イケるから』『ないですって』と口論しましたが(笑)バズりました。疑ってすいません…」
──再生回数もスゴい数字に。
「井口さんの顔マネはフジテレビ『ネタパレ』出演で世に知られて総再生回数はもちろんYouTubeの登録者数が5倍以上、1万人に達してなかったTikTokのフォロワーも約7万人に。街でも声を掛けられるようになって私服の時でも『井口じゃん!あのダンスやってよ』とケータイ向けられます。ヒドいですよね、可愛いメイクしてるのに」
──気になるのが、井口さんの反応です。
「顔マネを始めた後はまだ共演がなくて。ただ、私がテレビに出る時に井口さんがご自身のYouTubeで告知をしてくださったり初めてツイートした際も『似すぎていて気持ち悪い』とコメントつきでリツイート頂きました。〝ウエストランド井口さんの歌〟で一緒に踊るのが目標です。早く会いたいです。全力で有難うございます!と伝えたい」
──中毒性が高いと話題の曲は芸人のパーマ大佐が作曲を?
「メインは歌ネタでやっているんですけど曲はすべてパーマ大佐が作ってくれて、私にとっての秋元康さんです(笑)作詞や振りは私がやりたいように。ポイントを伝えると、大佐がそれに合わせて曲を作ってくださって」
──歌詞に出てくるのは実話?
「吉高由里子さんは公認を頂いていて、お母さんから『そっちをメインにやればいいのに』と言われているけど求められるのは井口。?をつけておいてください」
──ここまでバズるとSNSを見るのが楽しみでは?
「急カーブを描いた視聴回数グラフに加えて、動画配信で有名な方からコラボのご提案をもらうようになりました。ダイエット系で有名な方から井口さんの曲を使って一緒にダイエットメニューをやるとか、ホストクラブからも『井口さんの格好で初回、来てくれませんか』と。コラボ経験がなかったので、こんな求められ方もあるんだって」
──ものまねレパートリーは。
「ホリプロコムものまね軍団の2期生で加入させて頂いた時に当時、私は吉高さん一本で増やさないとクビになると思ったのでいろいろ試しました。すっぴんでウイッグを被ると見取り図リリーさんに似る、メイクをするとウエストランド井口さんに似るという段階に行きついて(笑)オリジナルでは歯並びが似ている人やものに顔ハメをしていく〝歯並びものまね〟があります」
『アイドル鳥越 IN 東京ドームが実現するまで芸人とアイドルは辞めません!!』
夢を諦めて歯並び悪いに振ったので男性芸人の顔マネを極めたい!
──次に狙っている人はいますか。「SNSに誰々にも似てるとコメントがきて多いのが、さらば青春の光の森田さん、パンサーの尾形さん。挑戦してみたいです。似なかったらその人たちのせいになるので(笑)最近、歯医者さんから歯並びを無料で全部セラミックで治すモニターの仕事依頼があったんです。マネージャーに伝えたら『井口さんが大事だから断る』と。コンプレックスだった歯の矯正を断念してまで悪いほうに振ったのでここまできたら男性芸人さんの顔マネを極めたい!」
──そんな鳥越さんは元々、声優志望だったんですよね。
「アニメ声優になりたくて東京アナウンス学院の放送声優科に進みましたが、入学初日に講師の方から『歯並びが悪いので声優になれません』とダメ出し。それに奮起して福島訛りもなるべく直せるようにアクセント辞典をめっちゃ引いて。卒業間近に多くの芸能事務所の方がいらっしゃるオーディションがあるんです。手を挙がったら所属できるシステムで声優になりたい!と全力アピールしたのに一社も挙がらず、なぜかお笑いの事務所からはたくさんお声がけを頂いて今の事務所に。芸人になることが条件だったのでお笑いのことを何も知らないのに勢いでなります!と」
──二刀流のアイドル活動は学生時代から?
「中野富士見町の路上でめちゃめ ちゃ胡散くさいオジサンから『アイドルやらない?』とスカウトされて。『素質があるよ!光ってるねキミ!』とか言われ私もその気になっちゃって誘いに乗ったんです。メンバー全員を東京・中野で拾ってきた謎のアイドルグループが誕生するも、不仲ですぐに解散したのでそこからはソロでやっています」
──現在の活動状況は。
「お笑い9に対しアイドル1の割合です。でもアイドルライブには出続けてます。一切ボケずに3、4曲を歌います。その後に物販をしてチェキを撮ってもらったり。最近やっと秋葉原のライブハウスに進出できました」
──ホリプロコムものまね軍団の一員としても活動中です。
「ホリさんはほかのメンバーには『早く新ネタ作れや!』と言ってるけど私には『レパートリー増やさなくていい。自分のやりたいようにやりな』と優しくしてくれます。井口さんの顔マネはこの先どうなるか分からないですが自分のネタと併用してできているので有り難いです。メンバーで一番関わりがあるのはダウンタウン浜田さんのものまねで知られるハリウリサさん。同じ東京アナウンス学院の出身で普段から一番遊んでいます。歌がめっちゃ上手いです。カラオケに行くと投げ銭したくなりますもん。あと沢口靖子さんのネタでおなじみのメルヘン須長さん。人間性が好きでスイッチが入ると周りが見えなくなるんです。興味のないことには分かりやすくそっけない。年上で先輩ですけどそこが可愛いなあって」
──逆に慕ってくれる、可愛がっている後輩は。
「他事務所ですけど21年のR-1グランプリで、最年少で決勝進出した高田ぽる子は仲がいいです。一緒に東京ディズニーランドへ行きましたし、一生懸命なところも好きで。話も合うし家も近かったので、しょっちゅう私の家に遊びにきてましたね」
〝向上委員会〟では明石家さんまさんとらぶぅ~ができました! ──これまで出演した中で手応えを感じた番組を挙げると。
「中京テレビ『前略、西東さん』は気持ちよかったです。8組の勝ち抜きバトルみたいな回で、ピン芸人になって1年目の私が放り込まれて全勝ち無双したんです。その時はヤバッ自分と思いました。『ネタパレ』は1年目からディクターさんは気に入ってくれたのにオーディションが受からなかった。気になる人のコーナーに初めて呼んで頂いてバカリズムさん、陣内さん、まっすーとも絡むことができました。オンエアを見たら短い尺の番組なのに全部使ってくださってて、そこから5、6回ぐらい呼んでもらい思い入れが強いです。『さんまのお笑い向上委員会』のモニター横芸人は緊張しすぎて今思うとよく立っていられたなと。コンビを解散して1週間後にオーディションを受け風邪気味だったので歌入りの音源を流したんです。そうしたらなんで歌わねえの?ってなり、被せて歌ったらオリジナル曲なのに歌詞を飛ばしてしまい。なんだコイツ!?が逆に引っかかったのか半年間、出させて頂きました。さんまさんともらぶぅ~♡ができて嬉しかった」
──小誌が求人誌なのでアルバイトの話も聞かせてください。
「メイドさんになるのが夢で、カフェで働いていた友だちの紹介で面接に行ったんです。『ヒマなのでいつでも入れます』とアピールしてその場は盛り上がり。なのに翌日、落ちましたメールが届いて友だちに伝えたら『何かの間違いだよ。とりちゃん可愛いもん。もう一回受けなよ』と背中を押されて、再びエントリーしたんです。1週間後に同じ場所に行って『お願いします』と頼み込み。で面談が終わって店を出た瞬間に不合格の通知がきて、ムカついたのでまた行きました。3回目、同じ店舗に。『受かるまで来ます!』『困るので合格でいいです』というやり取りでメイド喫茶勤務を勝ち取りました。中野の黒猫メイド魔法カフェという店で可愛い衣装に猫耳をつけてお給仕を始めたんですが人気がなさすぎて仕事はトイレ掃除ばかり。裏でメイド服のボタン付けや給与計算もしてました。メイド服を着た事務員(笑)ホントに人が足りない時だけホールに駆り出されて」
──いつぐらいの話ですか。
「3年ぐらい前で、最近は忙しくなって入れませんがまだ在籍してます。とりちゃんの名前で普通にいます。外で看板持ちもしてました。バイトはいろいろやりましたよ。プールの監視員、居酒屋、ラーメン屋、越谷のキャバクラを一瞬…そこも人気がなさすぎて待機所から出られずに辞めました。監視員は区が運営の室内プールで監視台に座って安全確認をする仕事。鼻歌を歌っていたら本歌になっていたらしく苦情がきて怒られて、室内プールって暖かいんですよね。居眠りしてクビになりました。ラーメン屋でも〝やらかし〟はあります。ホール担当だったけど熱々の鉢が持てなくて店長に『冷めてからでいいですか』と聞いたら死ぬほど怒られて。店長は慣れているけど私は違うんだってケンカになって辞めました」
──現在、バイトは?
「ラジオの仕事が入ったので今はやってないです。落語家の三遊亭鬼丸さんと2人で週2回、4時間の生放送。NACK5『GOGOMONZ』のパーソナリティーが決まって、収入が安定したことでバイトをしなくていい状態になりました。大宮まで通ってます」
──最後に今後の野望を。
「一番はもっと多くの方に知ってもらうこと。井口さんの顔マネでバズらせて頂きましたが、どちらかというと音源がバズっているのでアイドル鳥越を知ってもらいたい。バラエティで虫を食べたり、高い場所から突き落とされる挑戦系のロケをしたいので、ゆくゆくはそっちに行くのが目標と、声優を目指して上京してきたので有名になれば声優の可能性がなくはないですよね。同級生で有名になった声優の人がいて、東京ドームでライブをしていたんです。触発されたので私もドーム公演をやりたいと思いました。なので芸人とアイドルは何歳になっても辞めません!!『アイドル鳥越 IN 東京ドーム』が実現するまで」
INFORMATION
アイドル鳥越(あいどる・とりごえ)
1994年10月28日生まれ 福島県郡山市出身
19年4月、コンビ解散に伴いピン芸人で活動開始。20年7月からホリプロコムものまね軍団の2期生としても活躍。21年、ユニット・ホーリーオーギーとして「歌ネタ王決定戦FINAL」で決勝進出。レパートリーに吉高由里子、山瀬まみ、リリー(見取り図)や井口浩之(ウエストランド)の顔マネ、歯並びものまねなどがある。また、現役地下アイドルとしても活動する“二刀流芸人”でも知られる。FM NACK5「GOGOMONZ」レギュラー。4月22日(土)「ミライビト vol.56」、4月23日(日)「ベストエンタ! vol.83」、5月4日(木祝)「選抜男女対抗戦 vol.2」、5月14日(日)「ツインテールナイト vol.4」に出演予定。
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アイドル鳥越(あいどる・とりごえ)
1994年10月28日生まれ 福島県郡山市出身
19年4月、コンビ解散に伴いピン芸人で活動開始。20年7月からホリプロコムものまね軍団の2期生としても活躍。21年、ユニット・ホーリーオーギーとして「歌ネタ王決定戦FINAL」で決勝進出。レパートリーに吉高由里子、山瀬まみ、リリー(見取り図)や井口浩之(ウエストランド)の顔マネ、歯並びものまねなどがある。また、現役地下アイドルとしても活動する“二刀流芸人”でも知られる。FM NACK5「GOGOMONZ」レギュラー。4月22日(土)「ミライビト vol.56」、4月23日(日)「ベストエンタ! vol.83」、5月4日(木祝)「選抜男女対抗戦 vol.2」、5月14日(日)「ツインテールナイト vol.4」に出演予定。
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Interview&Text/立花みこと Photo/渋谷和花