SKIN/スキン
『リトル・ダンサー』『ロケットマン』の俳優が
全身タトゥーの白人主義者を演じた問題作
スキンヘッド、顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥー。白人至上主義者に育てられ差別と暴力に満ちた生活を送るブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、これまでの悪行を悔いて新たな人生を築こうと決意する――。ユダヤ人のガイ・ナティーヴ監督が、過去の自分と決別するために16カ月に及ぶ過酷なタトゥー除去手術に挑んだブライオン・ワイドナーを追うTVドキュメンタリー「ERASING HATE」に感銘を受けたのが、作品を手掛けるきっかけだ。
まずは、映画の製作資金を募ることを目的に、全額自己資金で人種差別という同じテーマを扱った、短編『SKIN』を製作。これが大きな反響を呼び、企画立ち上げから7年を経て長編『SKIN/スキン』が実現した。短編はのちに2019年アカデミー賞・短編映画賞を受賞している。
主人公のブライオンを演じるジェイミー・ベルは、作品のために約10㎏も増量し、ブライオン本人に会いに行き、彼のグループを追跡するなど、役作りに挑んでいたという。凶悪な目つきや雰囲気を身にまとった姿は、本人そのもので、ブライオンの苦悩が手に取るように伝わってくる。
そのブライオンが住むのはアメリカ最底辺の貧困地区。全身にタトゥーを彫り、差別主義者として憎悪と暴力に満ちた日々を送っていたが、ヘイト集会でシングルマザーのジュリーと娘たちに出会う。それをきっかけに悪行を悔い、彼女たちと生きることを決意。だが脱会を赦さない同志たちの執拗な脅迫、激痛を伴う顔面のタトゥー除去手術など、過酷な試練が彼を待ち受けていた。
5月9日より、新宿シネマカリテほか、全国順次ロードショー
【キャスト】ジェイミー・ベル、ダニエル・マクドナルド、ダニエル・ヘンシュオール、 ビル・キャンプ、ヴェラ・ファーミガ
【スタッフ】監督・脚本/ガイ・ナティーヴ
【その他】2019/アメリカ/1時間58分
公式HP
(c)2019 SF Film, LLC. All Rights Reserved.
グランド・ジャーニー
冒険家の監督が驚きに満ちた実話を描く
絶滅寸前の渡り鳥を救う奇跡の旅
クリスチャンは一風変わった気象学者で雁の研究をしている。超軽量飛行機を使い、渡り鳥に安全なルートを教えるというプロジェクトに夢中だ。そんな父親と過ごすバカンスなど、ゲームに夢中な息子トマにとっては悪夢でしかない。田舎で暇を持て余したトマは、ある出来事をきっかけにその無謀なプロジェクトに協力することに。こうして父子と渡り鳥たちの驚くべき冒険が始まった。5月15日より、新宿バルト9ほか、全国ロードショー
【キャスト】ジャン=ポール・ルーヴ、メラニー・ドゥーテ、ルイ・バスケス、 フレデリック・ソレル、リル・フォッリ、グレゴリー・バケ、ドミニク・ピノン、ほか
【スタッフ】監督/ニコラ・ヴァニエ
【その他】2019/フランス・ノルウェー/1時間53分
公式HP
(c)2019 SND, tous droits reserves.
はるヲうるひと
佐藤二郎が主宰する劇団で絶賛された作品を原作・脚本・監督・出演の4役で映画化
島には至るところに「置屋」が点在した。住民たちは閉塞された島で一生を過ごす。女は客から「外」の話を聞いて思いをはせる。男は女の「夢」を一笑に附して留まらせる。ある置屋に三兄妹はいた。ここで働く4人の個性的な遊女は長男の哲雄に支配され、次男の得太をバカにして、病を持つ長女のいぶきに嫉妬していた。その美しいいぶきを得太は幼少から見守り寄り添うのだった。5月15日より、テアトル新宿ほか、全国ロードショー
【キャスト】山田孝之、仲里依紗、今藤洋子、笹野鈴々音、駒林怜、太田善也、 向井理、坂井真紀、佐藤二郎
【スタッフ】原作・脚本・監督/佐藤二郎
【その他】2020/日本/1時間53分
公式HP
(c) 2020「はるヲうるひと」製作委員会
砕け散るところを見せてあげる
予測不能の時代を生きるすべての人へ期待の若手俳優が終わらない愛の物語を贈る
どこにでもいる高校生の濱田清澄は、“学年一嫌われ者”と呼ばれて孤立していた一年生の蔵本玻璃を、いじめの手から救い出そうとする。清澄は玻璃の愛らしさと心の美しさに気づき、そして玻璃は清澄に感謝と憧れの想いを抱き、二人は心の距離を縮めていく。もう少しで気持ちが届くと思った矢先、玻璃の秘密が明らかになり、玻璃を守り抜こうとする清澄にも〈恐るべき危険〉が迫る。5月8日より、 新宿ピカデリーほか、全国ロードショー
【キャスト】中川大志、石井杏奈、北村匠海、原田知世、堤真一
【スタッフ】監督/SABU
【その他】2020/日本/1時間40分
公式HP
(c)2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会