14年に開催された「全日本美声女コンテスト」で応募者の頂点に立ち、来たる9月21日公開の『セカイイチオイシイ水 ~マロンパティの涙~』で、実写映画初出演にして初主演を飾る辻 美優さん。美声女ユニットelfin’のリーダーであり女優、声優、モデル、漫画家でもあるマルチな才媛の知られざる素顔に肉迫した!!
いい意味で見方が変わった炎天下のフィリピンロケ
──実写映画初出演にして初主演作が、本格的なフィリピンロケ。心理的にはかなりハードルも高かったのでは?「そうですね。まさか自分が日本以外の国でロケをすることになるとは思ってなかったので、フィリピンでの撮影には『自分を強く持たなきゃ』と言い聞かせながら臨みました」
──それまでアジアの国々には?
「elfin’としてはベトナムや台湾に行ったことがあったんですけど、フィリピンという国にはそれこそ、食べものが美味しくて海がキレイなリゾート地、みたいな漠然としたイメージしかなくて。なので現地で過ごした2週間で、イメージはいい意味でガラリと変わりましたね」
──モデルになった実話は、首都マニラから300㎞も離れたパナイ島のパンダン村が舞台だとか。実際のロケ地はどのあたりだったんでしょう?
「マニラから滞在中の拠点となった場所は車で1時間半ぐらいの場所ですが、そこから撮影地までは更に2時間くらいの場所で向かうまでの道はまだ未舗装のところが多かったり、小さな男の子が水をかついで運んでたり。裸足の子たちも多くて、私自身も感じるところはすごくありました。撮影とはいえ、炎天下の穴掘りで実際に汗をかいたことで、この映画のテーマとなっている“水”というものの大切さも改めて実感しました」
──現地の方々とは、劇中さながらの異文化交流をされたりも?
「スタッフさんもほとんどが現地の方だったので、そこは劇中の明日香と同じような感じでしたね。言葉は通じてないけど『お水を飲みなよ』とか気を遣ってくださいましたし、フィリピンでは国民的人気だというアミー役のミエル・エスピノーザちゃんも、すごくいい子。最初は衝撃を受けたホームステイ先(という設定)のお家もできることなら、本当に寝泊まりしたかったぐらい愛着も湧いてきました(笑)」
──現地のリーダー岩田役を演じた赤井英和さんとの共演はどうでした?
「すごく優しい方で、ロケ地までの移動中も5分おきぐらいに冗談を言って、周りを和ませてくださって。劇中の岩田さんがちょこちょこ挟んでくる“オヤジギャグ”もほとんどが赤井さんのアドリブです。ごく普通のイマドキ女子大生っていう設定の明日香ならきっとそうするだろうと思って、苦笑いとか劇中ではつれないリアクションしかしてないですが(笑)」
歌に芝居に漫画まで……天は二物を与えすぎ!?
──ところで、辻さんは女優に声優、アーティストに漫画家とかなりマルチに活動されています。芸能界入りのそもそものきっかけは?「もともとは女優志望ではあったんですけど、小さい頃から漫画やアニメも好きだったので、今はどのお仕事も全力でやらせてもらってます。原体験があるとしたら、小学校の時の学芸会。配役を決める日に早退をして次の日に行ったら、担任から『おまえならできると思って』と、いきなり主役を任されて。その時に感じた演じる楽しさが今につながっていると思うので、当時の先生にはすごく感謝をしてますね」
──歌って踊れて絵も描けて、あとはアクションができたら完璧ですね!
「実は去年、『百花百狼~戦国忍法帖~』というゲーム原作の舞台で演じたくノ一役で初めて殺陣をやらせてもらって、アクションの難しさを知りその楽しさに目覚めたんですよ(笑)なので、そういうオファーもあれば、ぜひ今後もやりたいなとは思ってます」
──フィリピンが好きで、殺陣もできるとなれば、小誌連載でもおなじみの小沢仁志さんあたりが黙ってないかもしれません(笑)最後に読者に向けてメッセージをひとつ!!
「ほとんどの人は海外でのボランティアとか、水道を通すとか、井戸を掘るとか聞いても、きっとピンと来ないと思うんです。でも、実際にやるかどうかは別としても、少しでも情報に触れて、自分からその実情を知ろうとするだけで、それまで見えていた世界や価値観は大きく変わる。この作品がそういう能動的なアクションのきっかけになれたら、うれしいです。些細なことだけど、私もこの撮影が終わってからは普段、使う水をすごく大切にするようになりました(笑)」
INFORMATION
■映画『セカイイチオイシイ水 ~マロンパティの涙~』
INFO&STORY
フィリピンの首都マニラから300km南にあるパナイ島。その離島の田舎町パンダンに10kmにも及ぶ水道建設プロジェクトが進められようとしていた。女子大生の明日香(辻 美優)は友人に誘われるまま、ボランティアとしてプロジェクトに参加。明日香をはじめとする日本とフィリピンの若者たちの心を突き動かしたのは、島の人々においしい水を飲んでほしいという思いだった。日本とフィリピンの間に存在する戦争の遺恨、そして目の前の様々な困難や苦難を乗り越えながら、彼らは国境を越えた友情の絆を深めていく…。
CAST&STAFF
出演/辻 美優・赤井英和・前川泰之・新井裕介・花房里枝・岡千絵・橋本マナミ・蝶野正洋・角田信朗・篠原信一・森次晃嗣ら
原作/「マロンパティの精水 いのちの水の物語」小嶋忠良(PHP研究所) 原案/湯川剛 監督・脚本/目黒啓太 主題歌/elfin’「アンルート」(EXIT TUNES) 配給/太秦
9月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
公式HP
(C)セカイイチオイシイ水製作委員会
PROFILE
辻 美優(つじ・みゆう)
1996年7月6日生まれ 東京都出身
「全日本美声女コンテスト」でグランプリ受賞。4人組ユニットelfin’(エルフィン)のリーダーでアーティスト、女優、声優、モデル、タレント、漫画家、ゲーマーとマルチな活躍をみせる。elfin’単独ファンイベントは9月16日(月・祝)関交協ハーモニックホールにて開催。
公式Twitter
■映画『セカイイチオイシイ水 ~マロンパティの涙~』
INFO&STORY
フィリピンの首都マニラから300km南にあるパナイ島。その離島の田舎町パンダンに10kmにも及ぶ水道建設プロジェクトが進められようとしていた。女子大生の明日香(辻 美優)は友人に誘われるまま、ボランティアとしてプロジェクトに参加。明日香をはじめとする日本とフィリピンの若者たちの心を突き動かしたのは、島の人々においしい水を飲んでほしいという思いだった。日本とフィリピンの間に存在する戦争の遺恨、そして目の前の様々な困難や苦難を乗り越えながら、彼らは国境を越えた友情の絆を深めていく…。
CAST&STAFF
出演/辻 美優・赤井英和・前川泰之・新井裕介・花房里枝・岡千絵・橋本マナミ・蝶野正洋・角田信朗・篠原信一・森次晃嗣ら
原作/「マロンパティの精水 いのちの水の物語」小嶋忠良(PHP研究所) 原案/湯川剛 監督・脚本/目黒啓太 主題歌/elfin’「アンルート」(EXIT TUNES) 配給/太秦
9月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
公式HP
(C)セカイイチオイシイ水製作委員会
PROFILE
辻 美優(つじ・みゆう)
1996年7月6日生まれ 東京都出身
「全日本美声女コンテスト」でグランプリ受賞。4人組ユニットelfin’(エルフィン)のリーダーでアーティスト、女優、声優、モデル、タレント、漫画家、ゲーマーとマルチな活躍をみせる。elfin’単独ファンイベントは9月16日(月・祝)関交協ハーモニックホールにて開催。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎鈴木長月