珠麟(しゅりん)名義で音楽活動をするほか、SNSではセンスある絵も披露。多彩な才能を発揮する日南響子さんが、映画『銃』で演じた“トースト女”が各界で高評価を受けている。ご覧頂ければ分かるが、一糸まとわぬ姿を堂々と披露しているのみならず、作品に不可欠なキー役を見事に演じきっているからだ。日南さんの役へのアプローチ法とは。作品になぞらえた「偏愛しているもの」とともに紐解いた。
脱ぐか脱がないかがシビアな
問題で監督と話し合いました
──日南さんが演じたトースト女が、公開前から高評価されていますね。「有り難いです。私にとっては脱ぐか脱がないかがすごくシビアなことだったので、どこまで脱ぐかは武(正晴)監督ととことん話し合いをさせて頂きました。それ以外は特に注文がなかったので、自由気ままに演じたました。トースト女は(村上)虹郎くんが演じた西川トオルの、羽根休め的な存在。トーストを焼いてコーヒーを入れる彼女の日常生活の中で、トオルの心情を表現する役でもありました。演じる際、いつもは現場に台本を持ち込まないのがモットーでしたけど、今回は持ち込んだんです。そして、最後はトオルの気持ちが揺れ動く大切なシーンだったので、あえてトオルの動きは読まないようにしていました」
──トオルのセフレ役なのに、下品ではないところが素敵でした!
「下品ではないというのは監督が意図するところでもあったので、きちんと演じられたという手応えになります。うれしいです。監督から言われたんです。『海外では脱ぐことが当たり前だけど、日本ではまだ馴染んでいない。根性がある女優がいないんだ』と。トースト女はキーになる役なので、オーディションに受かった後、監督と話し合ってすべてをお任せした甲斐がありました」
──本作では抜群のスタイルを披露していますが、キープ法は?
「何もしていないのでそれ、聞いちゃダメですよ(笑)昨日もラーメンを食べてからお酒を飲みに行って、シメにラーメンを食べているので。本当にお腹が空いている時は、朝からラーメンを食べちゃいます。毎日食べられるほど大好き。その上、野菜が嫌いで、ギリギリ食べられるのがブロッコリーぐらいで、年に一度か二度食べる程度なんです。鍋も野菜を入れませんし、ビールも赤ワインも大好きですし。食べたいものを食べて抑える時もある程度にしておかないと、ストレスで太りそうでイヤなんです」
最後だけカラーになる理由など
何度か答え合わせしつつ観て!
──村上さん演じるトオルは銃という武器を手に入れます。日南さんが手に入れたい武器は。「私、お芝居の中でも特にアクションが好きなので、素手で戦えるぐらい強くなりたいです。戦隊ものや『シマウマ』という映画で経験したんですが、楽しくて仕方なくて。今も身体が柔らかくて、今でもY字バランスができるので、アクションができる女優を目指したいです」
──なるほど。原作者の中村文則氏は本作を偏愛しています。ご自身が偏愛するものとは?
「10羽飼っている小鳥たちです。ケージを片付けている最中に肩に乗ってきて『ママ、早くして』と催促されるのも、お風呂やトイレにまでついてくるのも可愛い。頭に乗せたまま湯船に浸かることもあります(笑)あのコたち『おやすみ』という言葉が大嫌いなんです。鳥が鳥目というのは本当で、寝る前に5分ほど常夜灯にしておくとみんな、必死に水浴びや食事をしています(笑)一度だけお仕事の都合でペットホテルに預けた時は、何度もメールや電話をしてしまいました。次の宿泊する仕事の時は、『翌日早く来ますから』と、無理やり帰ってきたほどです。小鳥たちには愛しかありません」
──有難うございます。最後に日南さんが思う本作の魅力も教えて下さい。
「最後だけカラーになるんですけど、あのシーンでトオルの心情がすべて表現されていて、今しゃべっているだけで鳥肌が立つほど感動しました。最後にカラーになるだけではなく、何で最後にこうなった? という展開なので、何度か観て答え合わせをするのも面白いと思います。リリー・フランキーさんが演じる刑事のお芝居が、間のおき方やボソッという言い方がズルいので(笑)私は見惚れました。ぜひ劇場で確認して下さい」
INFORMATION
■映画『銃』
INFO&STORY
雨が降りしきる河原で、思いがけず拳銃を拾った大学生の西川トオル(村上虹郎)。銃を手に入れたことで言い知れぬ高揚感を覚え、大切に家に保管してある銃を持ち歩き、街に出る。合コンで出逢った女と一夜のアヴァンチュールを楽しむトオル。トースト女(日南響子)と呼び、たびたび性欲を吐き出す一方で、同じ大学に通うヨシカワユウコ(広瀬アリス)と付き合うことを妄想。2人の女の間で自分なりのバランスを取っていくが、いつしか銃の存在感がトオルの中で圧倒的な位置を占めるようになっていく。そんなある日突然、刑事(リリー・フランキー)の訪問に遭い……。
CAST&STAFF
出演/村上虹郎 広瀬アリス 日南響子 新垣里沙 岡山天音 後藤淳平(ジャルジャル) 中村有志 日向丈 片山萌美 寺十吾 サヘル・ローズ 山中秀樹 リリー・フランキー
企画・製作/奥山和由 監督/武正晴 原作/中村文則「銃」(河出書房新社) 脚本/武正晴・宍戸英紀
配給/KATSU-do・太秦
公式HP
11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
(C)吉本興業
PROFILE
日南響子(ひなみ・きょおこ)
1994年2月6日生まれ 愛知県出身
10年にドラマ「ハンマーセッション!」で女優デビュー。映画やドラマ、CM、モデル、珠麟名義での音楽活動をマルチに活躍。映画は『七つまでは神のうち』『桜姫』『シマウマ』などに出演。『21世紀の女の子』は19年2月8日テアトル新宿他で公開予定。
公式Twitter
公式Instagram
■映画『銃』
INFO&STORY
雨が降りしきる河原で、思いがけず拳銃を拾った大学生の西川トオル(村上虹郎)。銃を手に入れたことで言い知れぬ高揚感を覚え、大切に家に保管してある銃を持ち歩き、街に出る。合コンで出逢った女と一夜のアヴァンチュールを楽しむトオル。トースト女(日南響子)と呼び、たびたび性欲を吐き出す一方で、同じ大学に通うヨシカワユウコ(広瀬アリス)と付き合うことを妄想。2人の女の間で自分なりのバランスを取っていくが、いつしか銃の存在感がトオルの中で圧倒的な位置を占めるようになっていく。そんなある日突然、刑事(リリー・フランキー)の訪問に遭い……。
CAST&STAFF
出演/村上虹郎 広瀬アリス 日南響子 新垣里沙 岡山天音 後藤淳平(ジャルジャル) 中村有志 日向丈 片山萌美 寺十吾 サヘル・ローズ 山中秀樹 リリー・フランキー
企画・製作/奥山和由 監督/武正晴 原作/中村文則「銃」(河出書房新社) 脚本/武正晴・宍戸英紀
配給/KATSU-do・太秦
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11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
(C)吉本興業
PROFILE
日南響子(ひなみ・きょおこ)
1994年2月6日生まれ 愛知県出身
10年にドラマ「ハンマーセッション!」で女優デビュー。映画やドラマ、CM、モデル、珠麟名義での音楽活動をマルチに活躍。映画は『七つまでは神のうち』『桜姫』『シマウマ』などに出演。『21世紀の女の子』は19年2月8日テアトル新宿他で公開予定。
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撮影◎おおえき寿一 取材・文◎内埜さくら