【取材こぼれ話】「MEN’S SEAT INTERVIEW act.262」は佐野和宏さん
◆ガンの手術で声を失った身でありながら、劇中の喫煙シーンで使ったのは本物のタバコ。ノドに孔が開いている状態のため、吸いこむことはできないものの、普段も葉巻のようにふかして吸っているという。◆自身が世に出たきっかけでもあるだけに、いわゆる「ピンク映画」に対する思い入れはひとしお。いまだに根強く残る「裸をみせる低俗なもの」という価値観を、自身の作品で変えていくという想いが、佐野さんを突き動かす原動力でもある。
◆話の途中、佐野さんと同じく自主映画出身の若手監督らが、作家性を残しながら、メジャーな作品も多数手がけていることに水を向けると、「俺は不器用だから」とポツリ。
低迷期のピンク映画を支えた“ピンク四天王”の一角として、作家性の強い作風で、数多の名作を世に送りだしてきた佐野和宏さん。5年前に咽頭がんを患い、声帯の摘出という転機を経て、ふたたび映画と向きあう日々を送る佐野さんに、表現者としての想いをうかがった。
PROFILE
佐野和宏(さの・かずひろ)
1956年生まれ 静岡県出身
佐野和宏(さの・かずひろ)
1956年生まれ 静岡県出身