北野武監督の映画「菊次郎の夏」の出演など、女優として着実な成長を続ける小島可奈子さん。3月公開の初主演映画「泪壷」では、官能的なベッドシーンにもトライ。“渡辺淳一ワールド”を見事に演じきっている。この作品、「失楽園」のようなブームを巻き起こすかも!?
初主演映画の原作は大好きな渡辺先生!夢が叶いました
──初主演映画「泪壷」は、小島さんが大好きな作家・渡辺淳一氏が原作なんですよね。「黒木瞳さんが主演していた『失楽園』を観て以来、大ファンだったんです。当時は高校生で、映像がショッキングでしたけど(笑)、好きな人とどこまでも…という世界観に憧れていて。10年来の夢が叶って、光栄に思っています」
──原作者の渡辺氏とは、撮影前にお話しされる機会があったんですか?
「先生の事務所でお会いさせていただきました。その時、先生に言われたんです。『カメラの前に立ったら、恥も外聞も捨てて、チャレンジしてください。頑張ってください。期待してます』と。心に染み込んできて、励まされました」
──本作は官能的なシーンが多め。戸惑いはなかったのでしょうか。
「以前、芸能界を休業して復活する時に、いろんな意味で覚悟はできていたんです。30代を迎えて、いい意味で腹をくくれたというか。だから、迷いはなかったで」
──共演したいしだ壱成さんにはどのような印象を持ちましたか。
「何でもできる人なんですよ、いしださんって。監督の要望に自分で考えたキャラを残しつつ応えていくんです。応用力があって、すごいなと思いました」
──小島さんは、応用力は?
「私はまだ応用力が足りないらしくて、即座に対応ができないんです。だからこれは、今後の課題でもありますね」
──作品の見どころを教えてください。
「私が演じる朋代は、3人の男性に抱かれてしまうんです。いしださんが演じる雄介に想いが届かないがために…。雄介以外は本当に好きではないのに、それでも抱かれてしまうという“女の性”がリアルに描かれています。叶わない恋に思いを馳せる女心が理解できるはず。カップルで見ても楽しめますよ」
人間的にもっと成長したいし刺激を与えられる存在が目標
──先月は、待望の写真集も発売されましたよね。撮影は大御所写真家、篠山紀信氏!「撮影前から、先生の頭の中ではコンセプトがはっきりと決まっていました。初老の男が、娘くらいの年齢の女の子と2人きりで、秘密の旅行をするというストーリー。旅行で撮影した写真が、時代を経てなぜか世に流出してしまうという設定なんで」
──それはまた…映画同様、官能的な創りですね!
「自分で言うのも何ですが、相当いい仕上がりです(笑)。写真集って、見る人のイマジネーションを掻き立てる作用があると思うんです。この作品は、そのお手伝い役を充分に果たせますよ」
──前ヒット作「MOON&SUN」の売上げを超えると思いますか?
「この作品は、じわじわーっと世の中に浸透していってほしいんです。パッと売れてすぐ忘れられてしまうより、長い間皆さんの記憶に残るような作品って、創り手冥利に尽きますから」
──今後ますます飛躍しそうですが、今年の目標をお願いします!
「これは毎年言ってるんですけど、人間的に成長したいですね、もっともっと。それから、私自身をさらけ出すことで、見てくれた人がインスピレーションを感じるような存在になりたいです。私を見て、刺激を受けエッセンスとして取り入れてくれたら嬉しい。そして活力にしてくれたら最高ですね」
INFORMATION
■映画『泪壷』
INFO&STORY
17歳の夏、渡した壷を持つ手が触れ合い、朋代(小島可奈子)は雄介(いしだ壱成)に恋をする。そんな朋代の気持ちを知らないまま大人になった雄介は、朋代の妹・愁子(佐藤藍子)と結婚する。彼への想いを封印した朋代だったが、愁子は乳がんに冒され若くしてこの世を去ってしまう。愛する妻の遺言通り、雄介は愁子の遺骨から美しい壷を作り上げ、いつもそばに置いていた。落ち込む雄介の支えになりたい朋代だったが、亡き妹の壷の傷が涙に見え、罪の意識を感じてしまう…。
CAST&STAFF
小島可奈子・いしだ壱成・佐藤藍子・菅田俊ほか
監督/瀬々敬久
原作/渡辺淳一(講談社刊)
脚本/佐藤有記
製作・配給/アートポート
3月1日より銀座シネパトス、K’s cinema他全国順次ロードショー
PROFILE
小島可奈子(こじま・かなこ)
1975年9月17日生まれ 福岡県出身
趣味/旅行・音楽鑑賞・読書 特技/手話・琴
高校卒業後、96年に地元・福岡でスカウトされ芸能界入り。テレビドラマやバラエティーなどで活躍。映画デビューは98年の「大いなる完」(高橋伴明監督)。他に「クラヤミノレクイエム」「菊次郎の夏」「SWING MAN」「ピカレスク」に出演。本作が映画初主演になる。1年半ほどの休養を経て、ヌード写真集「Moon&Sun」で復帰。3万部を突破し、06年の年間最高の売上げを記録した。写真集隠花な被写体」(撮影/篠山紀信 小学館)好評発売中。
公式ブログ

INFO&STORY
17歳の夏、渡した壷を持つ手が触れ合い、朋代(小島可奈子)は雄介(いしだ壱成)に恋をする。そんな朋代の気持ちを知らないまま大人になった雄介は、朋代の妹・愁子(佐藤藍子)と結婚する。彼への想いを封印した朋代だったが、愁子は乳がんに冒され若くしてこの世を去ってしまう。愛する妻の遺言通り、雄介は愁子の遺骨から美しい壷を作り上げ、いつもそばに置いていた。落ち込む雄介の支えになりたい朋代だったが、亡き妹の壷の傷が涙に見え、罪の意識を感じてしまう…。
CAST&STAFF
小島可奈子・いしだ壱成・佐藤藍子・菅田俊ほか
監督/瀬々敬久
原作/渡辺淳一(講談社刊)
脚本/佐藤有記
製作・配給/アートポート
3月1日より銀座シネパトス、K’s cinema他全国順次ロードショー
PROFILE

1975年9月17日生まれ 福岡県出身
趣味/旅行・音楽鑑賞・読書 特技/手話・琴
高校卒業後、96年に地元・福岡でスカウトされ芸能界入り。テレビドラマやバラエティーなどで活躍。映画デビューは98年の「大いなる完」(高橋伴明監督)。他に「クラヤミノレクイエム」「菊次郎の夏」「SWING MAN」「ピカレスク」に出演。本作が映画初主演になる。1年半ほどの休養を経て、ヌード写真集「Moon&Sun」で復帰。3万部を突破し、06年の年間最高の売上げを記録した。写真集隠花な被写体」(撮影/篠山紀信 小学館)好評発売中。
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撮影◎大駅寿一 取材・文◎内埜さくら