クズとブスとゲス
流れる血は全て本物のリアルファイト
極限まで振り切れた純真無垢な暴力映画何とも後味の悪い作品だ。暴力、強請(ゆす)り、血…嫌なワードが散りばめられ、作品全体が非情に暗い。だが、振り切れた暴力シーンやセリフによって、物語の閉塞感とはうらはらに、スッキリした気持ちになるのが不思議な効果だ。
ここまで究極の暴力ストーリーが許されたのは、製作資金がクラウドファンディングで調達されたから。スポンサーや映画会社の制約から解き放たれたことによって、えげつないほどのリアリティと切実感が味わえる結果となった。
監督は自主制作映画『青春墓場』3部作が高く評価され、若干24歳にして『東京プレイボーイクラブ』で華々しく商業映画デビューを飾った奥田庸介だ。しかし、昨今は思うように作品を撮ることができず、日雇い労働に従事したり、夜の世界に身を投じるなどして雌伏の日々を過ごしていたという。そうした数年間を経たのち、4年ぶりに新作が公開される運びとなった。
強請りを働くスキンヘッドの男は監督自身が演じている。女を薬で正体不明にさせ、裸の写真を撮って金をせびるサイテー男。ある夜もひとりの女が毒牙にかかるが、女がヤクザの下で働いていたことから、逆に恐喝されてしまう。行きつけのバーのマスターに大麻を売り金を作るのだが、その運び屋となったのがリーゼント男だ。彼は彼女のためにまっとうな職に就くつもりが、前科者を雇う会社はない。仕方なく運び屋稼業を再開するが、彼女にそれがばれて大ゲンカ。彼女は独りダイニングバーで傷を癒すが、そこには獲物を探すスキンヘッドがいた…。
7月30日より、渋谷ユーロスペースほか、全国順次ロードショー
【キャスト】 板橋駿谷、岩田恵里、大西能彰、カトウシンスケ、芦川誠
【スタッフ】 監督・脚本/奥田庸介
【その他】 2015/日本/2時間21分
公式HP
(c)2015映画蛮族
きみがくれた物語
幸せな家庭を切り裂いた非情な運命
真実の愛を貫くために選んだ究極の選択とは運命的な出会いを果たして結ばれた、トラヴィスとギャビー。二児を授かり幸せな家庭を営んでいたが、久しぶりのデートの約束にトラヴィスが遅れた日、ギャビーが交通事故にあってしまう。自責の念に駆られるトラヴィスは、目を覚まさないギャビーを前に「真実の愛のために人はどこまでできるのか」と自問する。トラヴィスには人生でもっとも重い、究極の選択が求められていた…。
8月13日より、渋谷シネパレスほか、全国順次ロードショー
【キャスト】 ベンジャミン・ウォーカー、テリーサ・パーマー、 マギー・グレイス、アレクサンドラ・ダダリオ、ほか
【スタッフ】 監督/ロス・カッツ
【その他】 2016/アメリカ/1時間51分
公式HP
(c)2016, Choice Films, LLC All Rights Reserved.
グッバイ、サマー
遊び心に満ちた世界観でファンを集める監督が
甘酸っぱい日々を贈る青春グラフィティ14歳のダニエルはクラスでいじめられ、誰も本当の自分を理解してくれないと悩んでいた。そんなある日、テオという転校生がやってくる。目立ちたがり屋でカスタマイズした自転車を乗り回し、ガソリンの匂いを漂わせている。周囲から浮いた存在のダニエルとテオは意気投合し、スペシャルな計画を思いつく。それはスクラップを集めて夢の車を作り、夏休みに旅に出ることだった。
9月10日より、YEBISU GARDEN CINEMAほか、全国ロードショー
【キャスト】 アンジュ・ダルジャン、テオフィル・パケ、オドレイ・トトゥ
【スタッフ】 監督・脚本/ミシェル・ゴンドリー
【その他】 2015/フランス/1時間44分
公式HP
X-MEN:アポカリプス
X-MEN vs 最古最強の神のビッグバトル
世紀の闘いはシリーズ集結の決戦へ1983年、文明の誕生以前から「神」として君臨していたアポカリプスが、数千年の眠りから目を覚ました。核兵器開発など人類の墜落を知ったアポカリプスは、4人のミュータントを招集し、世界を浄化しようとする。プロフェッサーXやミスティークが率いるX-MENは、彼らとの闘いを強いられるが、強力なテレパシーを手に入れたいアポカリプスは、プロフェッサーXまでも連れ去ってしまう。
8月11日より、TOHOシネマズ スカラ座ほか、全国ロードショー
【キャスト】 マイケル。ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、 ジェームズ・マカヴォイ、オスカー・アイザック、ほか
【スタッフ】 監督/ブライアン・シンガー
【その他】 2016/アメリカ/2時間24分
公式HP
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