〝戦略家〟日本一おもしろい大崎さんと〝愛されキャラ〟大ちゃんさんのお笑いコンビちゃんぴおんず。23年正月放送『ぐるぐるナインティナイン』の恒例企画『おもしろ荘』優勝で一躍、時の人となった。その後も「決戦!お笑い有楽城」の優勝で『オールナイトニッポン0』の単発パーソナリティ権を獲得など活躍は目覚ましい。名前を冠したお笑いライブ「THE 大ちゃん」も控える。優勝以降も慢心せず漫才協会に入会し、浅草の劇場で話芸を磨き、2人は地に足をつけて愚直に漫才道を突き進む!!
『有言実行したいのはM-1優勝&ロケ番組のスターになる&死ぬまで漫才ですかね』
『みんなが応援してくれる国民的なタレントになれるように頑張っていきたい!』
『みんなが応援してくれる国民的なタレントになれるように頑張っていきたい!』
M-1参戦時に「おもしろ荘に出たい&優勝したい」と言い放ち ──コンビ結成前からお二人で活動されていたんですよね。
大ちゃん「大崎さんのことをめっちゃ面白いと思っていて。お互い別のコンビを解散したタイミングで誘いました。ただ、ボケとボケだったので何ができるの?と組んでもらえずユニットで始動。優勝する前の年の『おもしろ荘』のオーディションが近かったので出ませんか?と」
大崎「ユニット大崎&堀之内として最終までいったんですよ。衣装を用意しようとなり、ピンクは嫌だったんですが周りからいいと言われるし『おもしろ荘』も最終までいく。これは売れるんじゃないかと(笑)じゃあ正式にやってみる?みたいな」
大ちゃん「結果を出さないとやってくれないと思っていたので必死でした。前のコンビ同士4人で撮影した写真を見せて、僕と大崎さんが前にいるんですがそのさまが売れそうでしょと口説いて」
──(画像を見て)確かに。
大崎「確かにって(笑)何もない段階でこれを見せられた時のオレの心境ですよ。これだけ言ってもらえるのは有り難かったし、結果も出たので組みましょうと」
──コンビ結成後の22年2月、現在のコンビ名に。改名の経緯は?
大崎「事務所の先輩で元笑撃戦隊ばし太さんからチャンピオンズという名前を頂きコイツにも了承得てその後、文化放送の『土佐兄弟のCultureZ』に出たんです。僕は野球で甲子園にも出てコイツは高校、大学とサッカーやってた経歴もあって目指せ!とんねるずさんで土佐兄弟の2人から平仮名表記を勧められました」
──優勝された「おもしろ荘」の話を。出演決定を聞いた時は。
大ちゃん「先輩と酒を飲んでいた時にマネージャーさんから電話をもらってマジで泣きました」
──M-1参戦時に「おもしろ荘に出たい」と発言されてます。
大ちゃん「大崎さんの作戦通りで俺らにとってM-1は3回戦が決勝だと。3回戦までいくと動画が残り、業界の方が観て面白いとウワサになる。爪痕を残そうと。当日、香盤表を見たらトップバッター。これはイケると大崎さんが振り切ってネタの最後に『おもしろ荘に出ます』と言ったり、面白いヤツがいるとなった。でも世に出てないのでお笑いライブに出てもお客さんは全然知らない。その後、『おもしろ荘』に出られて優勝できて芸人の先輩方がめっちゃ真似をしてくれてました」
大崎「オーディションの二次前にプロデューサーさんと面談があって、その方から『うちの番組を少しイジったみたいだね』と冗談半分で言われました。ただ出るだけでは何も変わらないのが分かっていたので、優勝しなきゃとプレッシャーが強くなりました」
大ちゃん「〝ちょんってすなよ〟をやったんですけど、ウケ方が足りないんじゃないかという感覚が2人ともあった。〝大ちゃ~ん〟のネタがあるんですが〝ちょんってすなよ〟を知ってほしいから本番ではやらないと決めていたんです。でフリートークになって大崎さんが急に『大ちゃ~ん!』をぶち込んできた(笑)ネタではやってないのでシーンとなってそれでも心折れずに3、4回やったらナイナイさんもルールを分かってくださって『大ちゃ~ん!』と振ってくれて大ウケ。あれがなかったら優勝してなかったかも」
大崎「だいちゃ~ん!」
大ちゃん「だいちゃ~ん!!ンッアンンアッンンアッンンア~」
大崎「終わった?」
大ちゃん「見てぇー」
大崎「これですね。文字にするのは大変ですけど」
僕ら=ちょんってすなよを大事にしながら違う顔も見せられたら!! ──優勝により公私とも様々な変化があったと思います。
大ちゃん「お笑いのスケジュールがあるってことですね。朝起きて仕事があるのが人生初なんです。ライブに出て朝までバイトして酒飲んで。9年ぐらいこんな生活をしていたので太陽を浴びてキレイな人間になりつつあります」
大崎「やったあ!というタイミングで彼女と別れたのでトントンなんですよね」
大ちゃん「高級クラブのママで」
大崎「バイトもせず高層マンションに暮らしていて優勝した途端、出て行くことになる。昔からそう。甲子園に出てベンチ入りもしたけど監督から『試合には出ないから練習しなくていい』と言われる。トントンの人生なんです。あとテレビで観ていた人たちとお笑いができる。もちろんイメージして芸人を10年ぐらいやってきましたが目の前で対峙するのは訳が違う」
大ちゃん「想像はしていたけどホントになるんだって」
──さきほどバイトの話が出ましたが貧乏時代の話をいいですか。
大ちゃん「120円で2週間過ごさなきゃいけない時があって、バイト先の店長に頭を下げてお客さん用の食料を段ボールで持ち帰ったり。バイトはいろいろやりました。派遣のサービスマンとして結婚式場、大使館での配膳、日本テレビの食堂のランチ、銀行の役員食堂でも働きました。奥さんと出会ったカラオケスナックに落ち着き、今は芸人だけのカラオケスナックで店長をしてます。〝ちょんってすなよ〟生誕の場所でもあります。営業時間外はネタ合わせで使っててある時、大崎さんの頭を触って指でポンと押したら『ちょんってすなよ』と」
大崎「バイトはクラブのホステスさんとお客さんが2軒目に飲みに来る銀座のアフターの店で働いてました」
大ちゃん「ウーバーもやってて。あの話してよ、高層マンションに住んでた時の」
大崎「ヘタな振りだなあ(笑)」
大ちゃん「あの話好きだから」
大崎「バイトもせず高級クラブのママに甘えていたんですよ。ヒモならぬ、もっと太い〝綱生活〟。でコロナの時期は芸人の仕事もなくて『働きなさい』と言われウーバーをやろうと。高層マンションからあのバッグで出掛けて行くんですね。配達で入ってくるウーバーの人もいるんですよ。すれ違いざまにオレの姿を見て『頑張ればこんなにいいマンションに住めるの?稼げるの?』って」
──〝ちょんってすなよ〟もあってリズム芸のコンビと言われることが多いと思いますがその点はいかがですか。
大崎「遊び半分でできてライブで披露したらウケて仕上げたんですがリズムネタの芸人さんと違い、たまたまの一発がバンと跳ねたのでこっちが不安です。世間は求めるかもしれないけど『他のリズムネタを作らなきゃ』とならないようにしようと。ただ楽しくて生まれたものだから」
大ちゃん「ナイツ塙さんに直談判して3月に漫才協会に入らせて頂きました。漫才協会は何もないと修業しなくちゃいけなくて、結果を残すと特例で入れる。『おもしろ荘』で優勝したので、それでお願いして。タカアンドトシさんの『欧米か!』じゃないですがちゃんぴおんずといえば『ちょんってすなよ』だよね、は芸人にとってめっちゃいいことで大事にしながら、別の面も見せられたら。営業に行くと『ちょんってすなよ』を知ってもらっていることですごく助かってます」
大崎「リズムのネタができた、それが好きな2人ではあるからウケれば嬉しいですね」
ちゃんぴおんずはトークもイケると武器が持てたのは大きかった! ──漫才協会での活動について聞かせてください。
大崎「普段のライブとお客さんの層がまったく違う。10分間を舞台上で、お客さんの前でやり取りするのがどれだけ価値のあるものか。いろいろなお客さんがいるのでアクシデントへの対応力も身につくし、成長させてもらってます」
大ちゃん「漫才協会に入って初めて師匠方と出会って面白い文化に触れました。おじいちゃんになっても舞台に立っていたいので勉強させてもらっています」
──「決戦!お笑い有楽城」での優勝はどうでしたか。
大崎「デカかったです。『オールナイトニッポン0』の単発パーソナリティの座を懸けてトーク力を競う大会で、14組に選ばれたことが有り難かった。優勝しようなんて微塵も思わず記憶に残りたいなと。予選の2分間は普段のノリでしゃべったら評価されて」
大ちゃん「この人たちはおしゃべりもできるんだと、別の武器を持てたのは大きいですね。ラジオが好きなので楽しかったです。内側まで話せるじゃないですか。さらけ出すのがカッコいいなと聴いていたので」
大崎「決勝の5分間がとにかく楽しかった。楽しくて、結果どうなるんだろう、優勝です。で賞金10万円。助かるーって」
大ちゃん「大崎さんのエピソードが多めですけど僕の話もして、2人のいいところが出てたと審査員長の松村邦洋さんに言って頂き」
大崎「今の聞いたら同じぐらい話をしている感じじゃないですか。振りのみでオレだけが身を削って彼女にフラれた話をする。隣りでギャハハ~と高笑い。大ちゃんが笑っているのがいいという声があるけど知りません。優勝後の取材で意気揚々と『もうスゴく嬉しくて!』と言ってたけどオマエは笑っていただけ!」
──賞金で借りていた2万5千円は返しましたか?
大崎「返したよな」
大ちゃん「返してないし、有楽城で優勝した時の祝勝会で焼肉をおごったの思い出したわ。タン塩4とか率先して頼んで会計がオレ。3万円ぐらい払った」
──様々なライブやイベントが控える中、名前を冠した「THE大ちゃん」が気になりました。
大ちゃん「少しは聞いてましたけどフライヤーと出演者の名前を見て僕が一番ビックリしました」
大崎「めっちゃメインや」
大ちゃん「ダイヤモンドさんが年始にやったライブ『ダイヤモンドno寄席』主催の作家の方が今回もやってくれるのでうまくやってくれると思います。動けるようにダイエットしてます」
──大崎さん的に大ちゃんさんのいいところを挙げると。
大崎「この流れでね、控えさせて頂きます」
大ちゃん「なんでだよ!」
大崎「汗っかき、汗っかきで」
──大ちゃんさんは。
大ちゃん「(頭を撫でながら)先輩だけど可愛い。コミカルな動きも好きだし、何をやってもちょっと可愛らしさが残る」
──最後に、これから有言実行したいことを教えてください。
大ちゃん「最終目標はチャリティランナーになること。あのポジションの方って国民的なタレントさんじゃないですか。みんなが応援してくれる存在になれるように頑張っていきたい」
大崎「M-1決勝、いや優勝で。『いきなり!黄金伝説。』『アイ・アム・冒険少年』みたいなロケ番組のスターになる。それに死ぬまで漫才ですかね」
大ちゃん「テレビ朝日系の『アメトーーク!』でワタナベ同世代芸人をやってほしいなあ」
大崎「俺らがいないだけでCLUBでやったんじゃない?」
大ちゃん「じゃあTHE大ちゃんやってほしいです」
大崎「いろんな芸人さんに愛されて相方として有り難い。美味しそうにご飯を食べるし、何でも一生懸命にやる。これが彼のいいところですかね、オレだけが身を削られて……」
INFORMATION
ちゃんぴおんず
ユニット大崎&堀之内として活動開始し、21年10月にコンビ結成。22年2月、ちゃんぴおんずに改名した。同年「ワタナベお笑いNo.1決定戦2022」で決勝進出。23年正月に「ぐるナイおもしろ荘」に出演。〝ちょんってすなよ〟のネタで優勝を飾った。23年3月、漫才協会に加入。「M-1グランプリ2023」参戦中。9月23日(土祝)24日(日)かごしま県民交流センターでの「とどけ!30thワクワクKTSの日2023」、9月29日(金)座・高円寺2でのライブ「萬々歳」「THE 大ちゃん」、10月1日(日)Zepp Shinjuku(TOKYO)で開催される「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023~新宿だからってビビってんじゃねぇよ揚げ~」、10月22日(日)のイベント「OLIVER LAND×THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL 2023」に出演予定。
日本一おもしろい大崎(にほんいちおもしろいおおさき)
1990年3月5日生まれ 長崎県諫早市出身
公式Twitter
公式Instagram
大ちゃん(だいちゃん)
1991年1月11日まれ 鹿児島県鹿児島市出身
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ちゃんぴおんず
ユニット大崎&堀之内として活動開始し、21年10月にコンビ結成。22年2月、ちゃんぴおんずに改名した。同年「ワタナベお笑いNo.1決定戦2022」で決勝進出。23年正月に「ぐるナイおもしろ荘」に出演。〝ちょんってすなよ〟のネタで優勝を飾った。23年3月、漫才協会に加入。「M-1グランプリ2023」参戦中。9月23日(土祝)24日(日)かごしま県民交流センターでの「とどけ!30thワクワクKTSの日2023」、9月29日(金)座・高円寺2でのライブ「萬々歳」「THE 大ちゃん」、10月1日(日)Zepp Shinjuku(TOKYO)で開催される「土佐兄弟のぶちアゲ文化祭2023~新宿だからってビビってんじゃねぇよ揚げ~」、10月22日(日)のイベント「OLIVER LAND×THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL 2023」に出演予定。
日本一おもしろい大崎(にほんいちおもしろいおおさき)
1990年3月5日生まれ 長崎県諫早市出身
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大ちゃん(だいちゃん)
1991年1月11日まれ 鹿児島県鹿児島市出身
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Interview&Text/立花みこと Photo/渋谷和花