CINEMA×STYLE 190号vol.1

CINEMA×STYLE　190号vol.1

猫は抱くもの

自分を人間と思い込むロシアンブルーの猫がアラサーのこじらせ女子に恋をした！

　原作は人気推理小説「猫弁」シリーズで知られる作家・大山淳子の同名小説。猫への愛情に満ちたユニークな世界観を、キネマ旬報脚本賞を受賞した『そこのみにて光輝く』をはじめ、『きみはいい子』、『オーバー・フェンス』など、注目作を次々と手がける脚本家・高田亮が、映画でしか表現しえない大胆なイメージで再構築した。
　メガホンを取ったのは、『ジョゼと虎と魚たち』など、繊細な人間ドラマから、『のぼうの城』のような歴史大作まで、幅広いジャンルで演出の冴えを見せてきた名匠・犬童一心監督。注目されるのは、主人公と猫の関係を立体的に浮かび上がらせる、演出のアプローチだ。映画内に「人の視点」と「猫の視点」を導入し、劇中では実際の猫に加え、俳優たちが擬人化された猫を演じる。現実世界ではヒロインのそばにいた町の人たちが、別シーンでは一人二役で個性的な猫になりきっているなど、大胆な転換も、本作の大きな見どころだ。
　田舎町のスーパーで働く沙織は、かつて売れないアイドルグループのメンバーだったアラサーの女性。周囲に溶け込めない彼女が心を開けるのは、倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーのオス猫「良男」だけ。今日いちにち誰とも共有できなかった気持ちを、ときには妄想もたっぷり交えつつ、沙織は語って聞かせていた。　沙織に寄り添う良男は、自分は人間の男だと思い込んでいた。彼女を守ってあげられるのは、恋人である自分しかいないのだと。お互いにいろいろこじらせながらも、うまくやってきた1人と1匹。そんな日常にあるとき変化が訪れて…。

6月23日より、新宿ピカデリーほか、全国ロードショー
【キャスト】沢尻エリカ、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ（水曜日のカンパネラ）岩松了、ほか
【スタッフ】監督／犬童一心
【その他】2018／日本／１時間49分

公式HP

(c)2018 『猫は抱くもの』製作委員会

スウィンダラーズ

駆け引きの連続にどんでん返しが待つ痛快な犯罪アクションエンターテインメント

　韓国を驚かせた希代の詐欺師チャンが死亡したというニュースが発表された。しかし、彼がまだ生きていて、権力者たちが逃がしたという噂が立つ。詐欺師だけを騙す詐欺師ジソンは、事件の担当検事パクに、彼を捕まえようと提案する。しかしパク検事はチャン検挙ではなく、別の目的のために違う作戦を立てる。これに気づいたジソンも互いにダマされないため、別の計画を立て始めるが…。

7月7日より、シネマート新宿ほか、全国順次ロードショー
【キャスト】ヒョンビン、ユ・ジテ、ペ・ソンウ、パク・ソンウン、ナナ
【スタッフ】監督／チャン・チャンウォン
【その他】2017／アメリカ／1時間56分

公式HP

(c)2017 SHOWBOX AND DOODOONG PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

ウィンチェスターハウスアメリカで最も呪われた屋敷

カリフォルニア州に存在する幽霊屋敷を『ソウ』シリーズの鬼才がムービー化

　娘、夫を突然の病気で次々と亡くした未亡人サラ・ウィンチェスターは、ウィンチェスター銃によって命を落とした人々の亡霊から逃れる為に、毎日24時間、妄信的に増改築を繰り返していた。サラの精神鑑定のために送り込まれた精神科医のエリックは、屋敷の中に厳重に閉じられた禍々しい部屋があることを発見する。ウィンチェスターハウスに巣くう亡霊の正体とはいったい何なのか？

6月29日より、TOHOシネマズシャンテほか、全国ロードショー
【キャスト】ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラーク、セーラ・スヌーク
【スタッフ】監督／マイケル・スピエリッグ＆ピーター・スピエリッグ
【その他】2018／オーストラリア、アメリカ／1時間39分

公式HP

(c)2018 Winchester Film Holdings Pty Ltd, Eclipse Pictures, Inc., Screen Australia and Screen Queensland Pty Ltd. All Rights Reserved.

アメリカン・アサシン

テロリストへの復讐に燃える青年の運命は壮大なスケールで描くスパイ・アクション

　バカンス中にテロ事件に遭い、恋人を殺されたミッチは、復讐に人生を捧げることを決意。その潜在能力を高く評価したCIAの、対テロ極秘スパイ・チームにスカウトされる。核テロの陰謀を阻止するためにミッションに身を投じていくが、正体不明のテロリスト?ゴースト“に翻弄され、恐るべきテロのカウントダウンが刻まれる中、自らの進化を試される最大の試練に直面するのだった。