舞台を中心に女優、タレント、モデルとして活躍の妃野由樹子さんが出演する舞台『エンブリオ』が5月17～21日に新宿シアターサンモールにて上演。百合演劇は初めてだという彼女が女子高時代に遭遇した百合エピソードとともに、作品の魅力を語る。千秋楽はすでに完売しているので、チケット入手はお早めに！
──“百合”作品への出演が決まった時の感想は？
「実は私、女子高時代に百合っぽい経験に引きずり込まれそうになったことがありまして…」

──えっ、どういうことですか!?
「実際に女の子とおつき合いしたワケじゃないですよ（笑）下校中の道端で後ろから突然、同級生に手をつながれて、そのコに告白されそうな雰囲気になったんです。女の子のことって強く拒否できないから、どうやって避けようか困った覚えがあります。バスケ部だったんですけど後輩からバレンタインに手作りチョコをもらったこともありました。女だからチョコを手作りするのが大変さが理解できるじゃないですか。だからその気持ちはうれしかったんですけど、さすがに女の子と恋愛はちょっと…と思いました（苦笑）」

──ですがその体験が今回の舞台で活かせそうですね。
「高校時代にそういったコたちを見てきたのに私、女性同士の恋愛を百合と呼ぶって、台本を読むまで知らなかったんです。男性同士を薔薇と呼ぶことも初めて知りましたし。同性同士の恋愛、特に女性同士ってドロドロしたイメージを持つ方もいらっしゃると思うんです。でもこの作品はライトな百合なので、初めてご覧になる方でも『これぐらいなら観られるかな』と安心して楽しんで頂けます」

──劇中には、女性キャスト同士のキスシーンもあるとか。
「角度によってはキスしているように見えるシーンなんですけど、本番で気持ちが昂ぶったら本当にしちゃう人も出るかもしれません…なんて（笑）だけど舞台はナマモノですし、お客様やキャストの空気感によって毎日雰囲気が変わりますから、どうなるか分かりませんよ～」
──殺陣も見どころですね。
「私を含め本格的に稽古を受けるキャストが多かったから、みんな必死に練習しました。私は自宅でも練習を重ねました。傘立てに保管していた、先輩から頂いた木刀で」

──新宿を外界と遮断する、害花（ハザード・フラワー）も作品の軸となっているんですよね。
「害花は亡くなった人を甦らせる力も持っているので、自分なら欲しいか欲しくないか、考えさせられると思います。ただ、害花は人間が“養分”なので、甦らせるためには新たな犠牲者が必要なんです。要るか要らないかと聞かれたら、個人的には微妙な気持ちになりますけど」

──害花は人間が養分ですが、妃野さんの養分は何ですか？
「旅行です。友だちは少ないんですけど、プライベートで旅行できる友だちが２人だけいるんです。先日は静岡の修善寺に行って温泉でまったりしてきました」

──もし10日間休みがあったら？
「オーストラリアに行きたいです。高校時代に1週間ホームステイをしたんですけど、あの広大な景色がもう一度見たいです。向こうの方は基本的に野菜を食べないし、チキン丸ごと1羽を食卓に並べたり、おやつはファミリーサイズの大きなアイスを出されたりするので確実に太るとは思いますけど」

──ありがとうございます。最後に舞台とオフ会のPRを。
「女性キャストが多いからご覧になるのは男性が多いと思います。女性同士がキスをしたり、女性が女性を押し倒すシーンを男性目線で観てどう思ったか、SNSで感想を頂けるとうれしいです。大仲マリちゃんと開催する5月28日のオフ会は、去年の夏に続き第2弾なんです。昼は神戸の中華街、夜は大阪・心斎橋で一緒に食い倒れましょう！（笑）」